保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

朝霧が演出する保津川の幻想空間!

2007-11-24 19:09:27 | シリーズ・保津川を下ろう!
深秋の保津川には渓谷一帯を覆う朝霧が出現する日があります。

今日の保津川がその日でした。
亀岡にある保津川乗船場周辺は、白い雲海に包まれた様な
幻想的な空間が広がります。

こんな日は数m先すら見えない深い霧の中を船が流れていくのです。

朝霧が演出した幻想空間の中を流れる船は、まるで異次元世界の
入口にも見える渓谷へすい込まれていく様で不思議な感覚を
おぼえます。

この濃い朝霧は、盆地である亀岡の地形に深い関係があり、
深夜に盆地の底の温度が放射冷却により一気に下がり、
地表温度が保津川の水温よりも低くなる事で起こる蒸発現象です。
この蒸発した水蒸気が低温の大気に冷やされ水滴に変わり
深い霧が発生するというシステムだそうです。


峡谷の入口も深い霧で覆われ、前方にうっすら見える
山や岩も、本当に実在するものなのか?
それすら分からなくなるような感覚になる風景が目の前に。

出航から30分ほど船は、この濃い霧の中を進んで行くと
急に肌をさす冷たい風が川面を勢いよく滑ってくるのです。
「ぶるぶる~」体が寒さで震え出す頃、その風に乗って
霧は勢いよく上昇し始め、霧の隙間から透き通るような
真っ青な空が顔を覗かし始めるのです。。
夢の様な‘桃源郷’の世界からから現実の世界へ、
私の眠りを覚ますかの様な澄み切った空の‘蒼’に
目をやられます!

この時の‘霧の灰色’と‘空の青色’のコントラストは
寒さを我慢しても一見の価値あり!

霧を吸い込み、青空を導き出す、まさに渓谷が呼吸している様で、
その音が船にまで聞こえてきそうな気がします。

霧が晴れた山を朝の強い日光が照らします。霧の水滴に
濡らされた紅葉の葉が、朝日を浴びて眩く輝き、
その紅さを一段と際立たせます。


霧が晴れ、お日さまの出現で峡谷の空はすっかり晴れ渡り
峡谷内一帯の気温も急上昇!あまりにも極端に一変した風景に

「さっきまでの霧に覆われた幻想空間は幻?」
と真剣に感じてしまう程の保津川下りで味わう朝霧。

晴天になる日の朝8時~10時までの船なら
この様な保津峡谷の幻想体験をすることができます。

霧が晴れるまではかなり寒く感じられますが、
大自然の素晴らしさを発見できることうけあいです。

‘紅葉と幻想霧の競演’が演出する渓谷美を
堪能できるのも秋の保津川下りの魅力の一つだと思います。

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