保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

‘いのち燃ゆる’もみじが問いかけてくること・・・

2008-11-29 22:51:15 | 船頭の目・・・雑感・雑記
一雨ごとに深まりをみせる晩秋の頃。
山々の紅葉の赤さも色濃くなり
保津峡は錦絵を思わす風景になってきた。

数日前には少葉の先が少し赤み掛かっただけだった
もみじが、一夜明けるとすっかり艶やかな赤色に
染められ、木々の紅葉が色づく早さには
目を見張るものがある。

河畔という自然環境の厳しい条件下で育った‘もみじ’には、
上品に育った社寺仏閣の‘もみじ’にはない、荒々しさと
力強さを感じさせる野趣に富んだ赤みがある。

洪水や日照りという自然の猛威に耐え抜き、しっかり山深く
根を張って赤く染まっていく保津川のもみじの堂々と姿は
観る者に ‘逆境’に耐え抜き生きることの大事さと
生きることへの勇気を与えてくれるような
気がしてならない。

深く切り立つ渓谷の隙間から差し込む日差しに照らされて、
赤く染まったもみじが、一段と力強い暖色を映し出させる。
日光の当る角度によって、赤色の見せ方を変えるのも
渓谷の紅葉の特長か。

大事なのは「スポットライト」があたることではない。
自らが‘本物の色’を出してさえいれば、他者にどの様に
見られようとも構わないのだと‘もみじ’が語りかけてくる。

峡谷中のもみじすべてが紅葉し、山が燃えあがるような
美しい姿をあらわすのはもうすぐ。

5月に新緑の葉を出した‘もみじ’
いよいよあと数日で‘いのちの炎’を真っ赤に
燃え尽かせ終焉の時を迎える。

しかし、葉は落ちても、また来年になると芽を出すのだ。

そう‘死’は終局を意味しないのだ。

いのちは生まれ変わり、出変わりを続け
永遠に‘いま、ここ’にある。



☆《明日30日の保津川下り予報》

明日の予約数 46隻(午前中に30隻)

待ち時間予想 午前中に限り1時間以上(的中率90%)

天気予報 曇り(川下り日和85度%)

川気温  最高9℃ 最低6℃
     明日は寒くなる模様。
     午前、午後ともに船は‘防寒’対策の必要あり。
     特に午後からの船は防寒グッズをお忘れなく!
     雨具の用意もお願いします。
    (雨降りの場合は船に屋根があります)