百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

【名作【土佐源氏】幻のオリジナル?】【100q南国すっ飛び旅(3)】 H26.3/21

2014-04-01 12:44:52 | 日記
 実は『檮原町』に来たかったのには もう一つの理由がありました。【宮本常一】さんの名著 岩波文庫『忘れられた日本人』のなかの 最も有名な『土佐源氏』のお話の いわば出生地である当地に降り立ちて、その面影 その風土の カグワイを、一度 わが五感で感じてみたかったのであります。

 


しかしながら 話しの内容が内容なだけに、行き当たりばったりに 慌ただしく通り過ぎるに等しい老生のアプローチでは、それらしきモノも らしき雰囲気のカケラにさえも 遭遇できませんでした。老生は思います。本当は 当地は『土佐源氏の古里』を前面に出すほうが、人々を より惹きつけるのではないだろうかと。これにはたいへん難しい関門がありますが、おそらくは 日本中 いや世界中、実は いつの時代でも どこにでもある人間世界の営みの一つが、ありのまま、素晴らしい 見事な筆致で表現されている 民俗風俗記録・文章芸術作品の まさに頂点に立つ金字塔作品として 顕彰している場が提供されているとしたら、どんなに魅力的な土地になり得るだろうか と考えるからであります。

昭和16年2月 【宮本常一】さんが、土佐の檮原という村の乞食小屋に住む 80過ぎの盲目の老人『山本槌造(つちぞう)』さんから聞き取りしたとされる土佐源氏説話。出来上がった作品は、古き佳き日本情緒と やさしいココロネに満ち満ちた あまりに素晴らしい 美しい文章表現の織り成す おとぎ話のような世界。齢を重ねれば重ねるほど その値打ちは嵩じてまいります。難しいことですが 何らかの方法で顕彰してほしいものだと 切に願う者であります。

で です。ここで 掛替えない読者さんのため 大サービス、老生が大事に保管するタカラモノを放出します。それは『忘れられた日本人』収録の『土佐源氏』には、岩波文庫として出版するには差し障りがあるとして葬られている「オリジナル版」があるということで、その原文 『土佐乞食のいろざんげ』が、『週刊新潮』で 報道(H15.6.12号にて)されたことがございまして、以下 それを ご掲示申し上げようということです。ボケた 小さな字の写真で 読みづらいかと存じますが、お目通し願います。インターネットの アダルト無料動画なんかでは とうてい味わい得ない、情感たっぷり 土の匂いする 高尚なる官能文学の世界。どうぞ どっぷり つかって下さいませな。


   
      
                  
    
     

               
               
       


なお 始めにあります お爺さんの写真は、このオハナシを よりキレイなものとしたいがため、『資料館』さんの『百年写真館』に掲示されていた写真を撮らせていただき ここに貼り付けたものでありまして、決して『山本槌造』さんではございませんこと、お断り申し上げておきます。


 < 追 伸 > R4.9.13 記
 当稿は 当ブログ中 ベスト3に入る閲覧数を記録しています。”生は性なり” と言われるように、生きてる限り、”その道” への興味は尽きないものかと存じますれば、ご期待にお応えすべく、近頃 見つけました 取って置きのコンテンツを ご紹介申し上げます。
        
 当ブログに何回か投稿しておりますように、オイラは オイラと同い年でありながら、残念なことに もうお亡くなりになられている 直木賞作家の 車谷長吉さんが大好きでありますが、

当該コンテンツは、氏の著作である『文士の生魑魅』という本に収録されている、芥川龍之介さん作と伝わる『赤い帽子の女』という小説の一部でありまして、「氏の作品ではないのでは と思うが、できるだけ事をいやらしく書くのがエロ小説の美学とすれば、これはエロ小説の白眉であり傑作である」と長吉さんは評価されてられます。では どうぞ、ごゆっくりご堪能下さい。








 < 追 伸 > R4.9.22 記
 これは絶対に皆様方にお伝えしておかなくては との思いで 追加するものです。オイラは今まで、この『涅槃』という小説、上下巻とも 宝物のように仕舞われている 濡れ場描写に接したときほどの興奮を発した覚えはございません。
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まさしく絶品と申せましょう。ここに内容を表示できないのが残念です。実際に本書籍を お手に取られますと、オイラの言ってることが よおくお解りいただけるはずです。

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