『後天性サヴァン症候群』という病気 (?) の魔力 ～ 『NHK Eテレ ETV特集 アンコール「Reborn ～ 再生を描く」』 より

　これは手塚治虫さんのご長女 手塚るみ子さんが、お父上の代表作『火の鳥』の絵を　ある方に依頼され、出来上がった作品であります。



その方とは、オーストラリアの原住民　アボリジニの民族楽器 ディジュリドゥを、その神様と謳われる ジャルーグルウィウィさんの直接の手解きを受け、本場の大会で準優勝された 日本の当楽器演奏第一人者　東京狛江市在住　GOMAさん　45歳 であります。

オイラは ディジュリドゥという楽器の奏でる音楽　初めて聴きましたが、これぞ大地の音楽　いや　地べたの音 ないしは　全て生きとし生けるものが還り着くツチの音楽　と言い替えたほうがいいかもの、心が　魂が　奥底から揺さぶられる、痺れるような、単純そうでありながら　底知れない奥深さを有する音楽であると、今回　甚(いた)く認識させられたのでありますが、




で、その GOMAさんが どうして絵を描くようになったかということですが、8年前、高速道路で追突され　脳に損傷を受けた 2日後、何故だか分からないのですが、突然　やたらめったら絵が描きたくなった、否　朝から晩まで　描かずにはおられなくなった　というのであります。




主治医の見立ては『外傷性脳損傷による高次脳機能障害』ということですが、



本テレビ番組、H30.5.19　地デジ 021　『ETV特集　アンコール「Reborn ～ 再生を描く」
(初回:H30.2.17放送) 』は、GOMAさんをナビゲーターに仕立て上げ、更に 当人に何が起こったか探るため、舞台をアメリカに移すのであります。



まず訪れましたは、マイアミ大学　ブリッド･ブロガード教授。





で です。脳の損傷をきっかけに　それまで眠っていた アート･音楽･数学･記憶力 などの能力が
突如 現れるのを、『後天性サヴァン症候群』と言うのだそうです。



ウィスコンシン州フォンデュラクの精神科医、サヴァン症候群を 50年以上研究、90人以上の人を診てきたという　サヴァンの世界的権威、ダロルド･トレッファート博士（84歳）からは

脳は絶えず再生してて、新たに得られた才能は今後も有り続け、決して消滅しやしないと。



また、アロンゾ･クレモンズさんは お風呂で頭をケガした後、あらゆるもので 彫刻するようになった旨の紹介も。



GOMAさんはアメリカで、二人の 後天性サヴァン症候群 の方を訪ねています。

ワシントン州 フェデラルウェイの ジェイソン･パジェットさんは、15年前　カラオケバーの帰り、頭を殴られ 脳損傷、PTSD→引きこもり→視覚異常。

以来、対象がパラパラと幾何学模様に見えるようになり、

それを図形化すべく、無我夢中で線を引き始めたとのこと。

そして数学を深く探求したくなり、大学に入り直し、現在は 数学者と家具店長 として生活されてるとの由。


もうひとりは、バージニア州の デレク･アマート（51歳）さん。11年前　プールに飛び込み 頭を強打、5日間　眠り続け、目覚めると友達の家のピアノに引き寄せられ、突然　弾き始めたのだと。

音が形になって　目の前に浮かぶようになり、それを鍵盤に当てはめてゆくとメロディになっているのだとか。

で、音楽活動なしでは生きられなくなってしまい、今は ミュージシャンとして、生計 立ててるとのこと。



前頭葉に損傷負った人が皆んな このような サヴァン症候群になるなんてことはなく、むしろ反対で、極めて　極めて希なことでしょうが、それにしても、それまで素振りすら見せなかった己の隠れた才能なるものが突然花開き、大変身を遂げれるかもしれないという、見方によっては　めっちゃ夢のある話で、人間誰しも入ってみたいと思う 妖しい世界 !!!　と捉えるのは、不謹慎なことでありましょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

のご紹介でした。但し 実際の放送を かなりアレンジしてますこと、ご承知置き願います。



　＜　追　伸　＞
　当該録画を消去してしまってて確認できないのですが、慥か H30.7.5 の NHK-BSP『コズミック NEXT　宇宙に響く不思議な歌』という番組の中で、点描画のような絵も描かれる　アボリジニの女性の絵描きさんが、その作品とも紹介されてましたが、ひょっとして GOMAさんの脳に、この方が潜在的なニューロンとして刻まれてて、外部ショックにより顕在化したのでは？　との素人見立てが思い浮かび、追記させていただいた次第です。