百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

素晴らしい!!! 北海道砂川市の「いわた書店」岩田徹さん ~ H30.4.23 NHK-G放送 「プロフェッショナル 仕事の流儀」より

2018-04-24 21:53:37 | 日記
 札幌と旭川の真ん中より ちょっと旭川寄りに位置する砂川市、この豪雪地で営業されてる「いわた書店」さん店主 岩田徹 さんの素晴らしい取り組みを 標記番組で知り、甚く感銘を受けましたので、以下 ご紹介申し上げたく存じます。





番組サブタイトルは、「運命の一冊 あなたのもとへ」でありました。


オイラより 6歳若い 岩田徹さんは、商社マンだった 23歳時、体調不良の父の後を継ぎ 書店主の道へ入っておられ、当初は 同業者 全てがそうであるように、問屋さんの置いてゆく本を並べるだけで、うまく回っていたようでありますが、

バブルが弾け 売上は激減。同業者 みんな討ち死するなか、売り場拡張・宅配サービスなどで事態打開を図るも 赤字 増すばかり。ついに心労が極みに達し トイレで倒れ、緊急手術する羽目に。一命を取り止め、その病院のベッドで 真剣に考えられたそうです。何のために本を売るのか、どんな本を売りたいのか、自分はどんなふうに生きたいのか と。 

そうした中、この運命の一冊というべき 渡辺京二さん著「逝きし世の面影」という本に
出会ったのであります。そこで、このように覚ったそうです。「こういう本を一冊でも多く
売りたい」と。





また、「本は作家さんから読み手へのパスなのだ」「そうだ、パスをつなぐ本屋になるんだ。
それが 本屋の使命じゃないか」と気付かれたそうです。




そして 本および本屋は「新たな世界への案内人」であり「人生の味方」なのだとも。







さらに、「本というのは、何て素晴らしいんだ」と。





以来、問屋の薦める本、売れ筋と称される本には 目もくれず、例え古くとも、ご自分で面白いと思う本のみ 並べることにされたのです。そのため、毎朝5:30から 1時間以上、年200冊以上読み込み、現時点 1万冊は読破されてるとのことでして、、、

ただ初めのうちは、、、H9年から書評を度々地元紙へ投稿したり ホームページに掲載するなど 努力を重ねるも、苦境から なかなか抜け出せず、貯えも底を突いたかに見えるとき、ある先輩が 奇跡を呼び起こす まさに天啓が如き呼びかけを、投げ掛けてくれたのであります。

「一万円で俺に合う本を探してくれないか」。

それから始まった 「一万円選書」。徐々にではありましたが、評判が評判を呼び、今や ホームページで呼び掛けるや否や、6,000件もの応募があったと言います。ただし処理できるのは 5件/日 100件/月。で 止むなく抽選で数を絞らせてもらうことに。それでも 現時点 3,000人待ちという状況との由。

この番組を見て更に衝撃的だったのは、岩田さんはクライアント(顧客)から個別に取り寄せた 事前アンケートに基づき、本を選んでゆかれるのですが、そこで選ばれた本 その悉くが、恥ずかしながら、オイラの触覚に カスリもしなかった本ばっかしでありまして、今更ながら 我が 視野の狭さに、唖然とさせられたことであります。

そこで ここでの情報を 以後の読書の参考に供すべく、オイラが特に気になった書籍を 以下掲示しておきたく存じます。なお、渡辺京二さん著「逝きし世の面影」は、直ぐ様 注文いたしております。

まずは、詩集です。池井昌樹さん著「手から、手へ」。


加納朋子さん著「カーテンコール!」。

ロバート・A・ハインラインさん著「夏への扉」。

吉村ばななさん著「おとなになるって どんなこと?」。

萩耿介さん著「イモータル」。

佐藤多佳子さん著「しゃべれどもしゃべれども」。


本好きのオイラにとり、この番組に遭遇できたことは極上の喜びでございまして、制作して下さった NHKさん ご関係各位に、心から感謝申し上げる次第であります。

なお画面から 政治的・思想的な匂いのする本は、一切 伺えませんでした。現況 見渡せば、国家の大事も弁(わきま)えず、好き嫌いに終始し、争いの絶えない、「仁義礼智信」に欠如したモノドモの 目も当てられない世界なだけに、敢えて遠ざけてらっしゃるのではと思うに至った次第であります。

 < 追 伸 > R4.2.11 記
 R4.1.30 産経新聞に、岩田さんが上梓された『一万円選書』という本が 紹介されていました。

 







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