石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

届きましたか?18,665筆の重み

2016年03月21日 | 署名活動

ご報告が遅れましたが、去る3月14日、地権者を含む5団体は、強制収用反対署名

「石木ダム建設のために13世帯60人が暮らしている土地を 強制収用しないでください!」

長崎県にようやく提出しました。

県内外から寄せられた合計18,665筆の署名です。

 

2014年9月6日から集め始めましたから1年8ヶ月もの時間が経過しています。

集めるのに時間がかかったわけではありません。

昨年3月末までに提出するつもりでした。

私たちは、知事に直接渡したいと願いました。

石木ダムは県営のダムです。

起業者は長崎県であり、そのトップは知事です。

強制収用の手続きを進めるのも止めるのも知事の権限です。

そして、強制収用した後、行政代執行を行うのも知事です。

このあまりにも非民主的な強制収用を止めるには、

知事本人への直訴こそが重要だと思ったからです。

 

私たちは秘書課の方に要請しました。

日時はいつでもいいです。

知事のお時間が取れる時に合わせます。

場所もどこでもいいです。

知事からのお返事を待っていますと。

しかし、知事からは何の返事もありません。

代わって、河川課職員から、河川課の方で受け取りますとの返事。

冗談じゃない!

あなた方に渡して済むなら、とっくにそうしていますよ。

私たちは待ち続けます。

と言い続けて1年が経ちました。

 

もう私たちも諦めました。

中村知事とはそういう人なのだと見限りました。

自分の考えに反するような署名は受け取りたくない、という器の小さな方なのか、

反対派にはとにかく会いたくない、という心の狭い方なのか、

いずれにしても、この貴重な県民の意思を直接手渡せば考えてくれるのではないか、

というような甘い願いはバッサリ断ち切ることにしました。

 

そして、地権者を除く4団体から数人ずつが参加して、

署名提出にあたっての要請文 と共に土木部長に手渡しました。

 

また、参加者からは、

「知事選前、知事は強制収用しないと言っていた、公約違反ではないか」

「地権者のお一人が一昨日亡くなった。あなたたちは地権者が死ぬのを待っているのか」

「話し合いを続けると約束したのに、その後拒否し続けているのは何故か」

など様々な質問や意見が出されましたが、誠意ある回答は最後までありませんでした。

 

この署名は本当に知事の手に渡るのか?

それさえも怪しいものですが、今回は、知事であろうが、土木部職員であろうが、

是非目を通してほしいものを渡しています。

それは署名者のコメントです。

今回提出した署名の中には、ネット署名2,858筆が含まれています。

その中には、たくさんのコメントが付されていました。

それも印刷して渡しています。

 

その中から一部を紹介します。

 

長崎県民から

*ダム建設は町民の願いだという看板が近所に立てられている。とんでもない!
 
少なくとも私と母はまったく望んでいない。建設されないことをこそ願っている。

*今年のお正月に帰省した折、数十年ぶりに虚空蔵に登りました。
 川原地区を訪れたのも数十年ぶりです。
 あんなに素晴らしい古里をダムの底に沈めてしまうなんて絶対許せません。
 遠く東京の片隅から応援しています。頑張ってください!

*佐世保に生まれ育ち39年、水の豊かさに困ったことはありません。
 こんな無駄な予算を長崎の教育、福祉に使ってほしいと切に願います。
 ダムは要りません!
 
*佐世保市民ですが、私達が納める税金を使うのであれば漏水対策に投資して頂きたい
 と思います。また、個人的な意見ですが、
 人様の穏やかな暮らしを犠牲にしてまで豊かな暮らしは望みません。
 それ以前に、近年の配水実積からもダムが私達佐世保市民にとって意義あるものかも
 今となっては疑わしいものです。
 「石木ダムは佐世保市民の願いです」のスローガンの撤廃を重ねてお願いしたい所存です。
 
*今まで何の興味も持たなかったことを後悔しました。
 こんなことが地元で起こっていたなんて。
 勉強不足で知識も何もありませんが、出来ることはしたいです。
 
*長崎県知事、佐世保市長、
 あなたのご実家がここにあってもダム工事を強行しますか?
 
*公共事業は止められない時代はおわりました。国営諫早湾干拓事業をみてください。
 市民、住民は未来永劫不幸を背負うことになりますよ。
 
 
他県民から
 
*ダムはムダ!
 川辺川ダムを止める為にドレだけの人が叫んだ事でしょう。
 ハッキリ言います。
 林業をキチンと保護し間伐材を伐採し治水力有る野山が有れば
 必要なダムなど 日本のドコにもありませんっ!!!

*ダムはもう要らない。
 宮ヶ瀬ダムで懲りました、自然破壊はもうゴメンだ。
 貴県も諫早湾のギロチン映像で懲りてませんか?

*私の住んでいる滋賀県の比良山系でも一度も土石流の出たことのない小川に
 百年に一度の大雨のためといって、高さ11m、幅18mのダムが、
 私たちの反対を押し切って作られました。
 国土を破壊するダムに反対する素晴らしい運動ですね
 
*道を間違えたぞ?分かれ道まで引き返えそう。いやここまで来たんだ、
 今更引き返すのは大変だ。このまま進め、進め、何とかなるさ。
 これが山で遭難する人が陥る考え方です。
 本当に必要なダムだったのか?もう一度ふり出しに戻って考えてほしい。
 このまま進めば必ず遭難するよ。
 
*誰のために必要なのか?何のために必要なのか?
 お役人の方、胸に手をあてて考えてみましょう。
 壊さなくてよい自然は極力残すべきです。
 
*今まさに佐世保と沖縄で、日本が民主国家なのか否かの踏み絵が行われている・・・
 
*日本の貴重な自然は国民自身で守らなければなりません。
 一度決めたことは絶対に止めない行政を止めるのは、国民の声と行動だと思います。
 
 
海外からも91筆の署名が寄せられ、コメントも23人の方からいただきました。
コメントを下さったのは、アメリカ、カナダ、イギリス、オランダ、フィンランド、
韓国、フィリピン、パラオなどです。
 
お一人だけご紹介します。
 
映画『ダムネーション』プロデューサーのマット・シュテッカーさんからのコメントです。
 
 
Matt Stoecker                      Santa Barbara, CA  
 
Dams are an outdated and destructive technology
 
that has no place in a 21st century
 
that values the environment and rights of this community.
 
 
 
 
 
今日の川原です。
地権者の方から写メールで送られてきました。

川原は「ほたるの里」だけでなく、「菜の花の里」でもあるのです。

明るく生き生きと力強く咲く菜の花は、川原の地権者そのものです。

おやおや・・・風で倒れたのか?イノシシの仕業か?

この土地の「無断での使用を禁止します」の看板が、棺のように横たわっています。

安らかにお眠りなさい。

菜の花たちのささやきが聞こえるようです。

 

 


水道管の老朽化、対策と財源確保計画、迅速に

2016年03月18日 | 議会

佐世保市民有志は、佐世保市議会3月定例会に、以下のの請願書を提出しました。

これに対する委員会審査が、今日、都市整備委員会にておこなわれました。

請願文書の補足説明として、次のような資料を提出しました。

 

  ★佐世保地区の1月の貯水率と配水量

表下に記しているように、1週間の断水の間も佐世保市のダムの貯水率は91%を超えていた!

という事実を委員の皆さんに伝えたかったからです。

これを見れば、

どんなに水源確保ができていても、それを運ぶ管が破損していたら断水に繋がる

ということが一目瞭然。

そして、そのような水道管の破損は寒波による凍結だけではない。

常日頃から慢性的に市内のあちこちで漏水している。

それを示す資料として、次のものを提出しました。

 

これは、佐世保市と長崎市の漏水量を比較したものです。

漏水量そのものは測れませんので、

総給水量から有効に使われた「有効水量」を引いた「無効水量」が漏水量と見做されています。

佐世保市のデータは、3月14日の都市整備委員会で審議された28年度水道事業会計予算の委員会資料から得たもので、

長崎市のデータは、長崎市上下水道局のサイトから入手しました。

それを表にして比較してみると、びっくり!でした。

上の表では見にくいので、一部を拡大して貼付すると、

 

こういう事実が明らかになりました。

人口も給水量も長崎市の60%台の佐世保市が、漏水量だけは120%台  

昨夜資料を作りながら、見間違い?計算間違い?と、何度も疑ってやり直しました。

佐世保市の漏水対策が長崎市と同じレベルだったら、無効水量も同じ60%台になってるはずです。

仮に給水量と同じ66%だとしたら、7850✕0.66=5181となり、

佐世保市の漏水量は、5,181㎥/日に抑えられるはずです。

実際には、9748㎥/日なので、9割増しの漏水ということになります。

 

佐世保市で漏水が多いのは、地勢的な要因によるものだと、市長も水道局長も説明してきました。

しかし、同じように斜面地の多い長崎市(坂の勾配は佐世保以上だと言われています)で、

これだけ漏水を押さえているということは、やはりやる気の問題です。

地形のせいにしないでください。

もちろん、それも要因だけど、地形は変えられないのですから、

じゃあどうしたらいいのかと、対策に頭を使うべきです。

お金を使うべきです。

人も使うべきです。

その努力を怠って、「お願いします!石木ダム」などと言わないでください。

 

3/14の委員会で頂いた資料によると、

平成25年度の佐世保地区水道管の経年化率(法定耐用年数40年を超えた管の割合)は、19.2%でした。

平成19年度時点では9.3%だったので、わずか6年で10%も増えています。

このままではますます老朽管が増え、水道管破裂の危険性が高まり、断水の可能性も増えるでしょう。

水道局長はいつも言います。

「安心安全な水を提供し続けるのが私たちの使命」と。

いつ破裂するかわからない水道管をかかえたまま、安心して暮らせますか?

(水道局職員の方も、本当に気の休まる時がないのではないかと、お察しします)

職員も市民も安心して暮らせるよう、取り組むべき課題の優先順位を考えるべきです。

 

しかし、委員の皆さんの反応は冷ややかでした。

*今回の断水は水道局の水道管ではない。個人所有の給水管で、ほとんどは給湯器の配管破裂。

*寒波による断水と老朽化を無理やりこじつけているように感じる

*水道局も老朽化対策はある程度やっている

*水道局も情報は提供している。市民の無関心が問題

*なんでも行政を頼るのではなく、個人の給水管は個人の責任で守るべき

あ~あ

あの、すんごい漏水量の資料を目の当たりにしても、問題意識を感じない方々のようです。

*情報提供してる?どんな?慢性的水不足なら聞き飽きるほど聞いてますが。

 佐世保市は漏水がこんなに多いです。

 あなたの家のそばの道路の地下に埋まってる配水管はもう耐用年数を超えています。

 鉛管は漏水しやすいし、体にもよくないので早く替えた方がいいです。

 なんて、教えて頂いてます?

*ある程度の対応しかやってないから漏水が減らないんでしょ?

 議員さんたちはそれでいいとお思いなんですか?

*なんでも行政に頼ろうなんて思っていません!

 私たちが出したお金=税金や水道料金=を必要なところに使って頂きたいだけです。

 個人の給水管は個人が整備するのは当然だけど、その余裕がない家だってあるでしょ?

 シングルマザーの3人に2人が貧困だという現実ご存じないのでしょうか?

 三度の食事が満足に食べられない子どもたちがいます。

 そんな家で、給水管が古くなったからといって、すぐに更新できますか?

 そういうところは放っておくのですか?

 その結果破裂して断水を余儀なくされても自己責任。

 そういう家が数件あったために他の家庭まで断水の巻き添えを食ったら、

 貧困家庭を恨めとでも?

そんな反論が頭の中を駆け巡っていました。

そして、こんな質問を受けました。

 老朽化対策を急げと言うなら費用はどうするのですか?

 大村市のように水道料金を値上げする?それとも他からもってくる?

正直に言いました。

 私自身は他からもってくればいいと思っています。

 (石木ダムの予算を使えばいいでしょ!)

 でも、いろんな考え方があると思うから、それは一人ひとり考えることです。

 そのために、市民に現状を知らせ、対策を実行するための予算額を伝え、

 それをどう工面するか皆で考えることが必要だと思い、この請願を提出したのです。

 

帰宅したら、神奈川在住の方から、こんな情報がメールで寄せられていました。

 東京都では、漏水防止対策の推進により、

 60年前には30%以上あった漏水率を、2009年には3%に低減させた。

 この対策の結果、年間約3億3千万m3(人口250万人規模の都市の水道
 使用量に相当)の
漏水防止を実現。

 また、温室効果ガスである二酸化炭素排出量を年間約6万5千トン削減する
 効果も生み出している。

 このように漏水防止対策は、貴重な水資源の有効利用のみならず、
 地球温暖化防止にも有効な対策でもある。

 


収用委員会、場所を変えて強行

2016年03月16日 | 強制収用

今日は7回目となる収用委員会の日。

会場は長崎振興局の2階会議室。

会議室前には朝から地権者や支援者たちが集まっていました。

下で待機する収用委員たち。

一度だけ会長たち数名が階段の途中までやってきて、

「委員会を開催させてください」「補償に関する意見を聞かせてください」と懇願。

もちろん通すはずもなく、数分で諦めて下りて行きました。

そして、10時過ぎ、委員の入場を妨害され審理が開けないとして、

「午前の会議は中止します」「午後は予定通り」と言い残し去って行きました。

 

そして2時間半後、再び現れた県職員を見下ろしていたら・・・

 

一人にこやかな表情の職員が・・・。そして何人もの地権者が声をかけます。

「あんたには苦しめられたけんねー、黙って行ったらいかんよ。一緒に飲もうでー」

「もうすぐ桜も咲くけんで」

「いやー、静かに行かせてくださいよ」

地権者と軽口をたたき合っているのは、石木ダム建設事務所長の古川氏。

6年間も所長を務め、この春定年退職する彼を温かく追い出そうとする地権者の皆さん。

 

心の中がほんわかしてきたところへ、

収用委員会から突然、会場変更の通告。

2~3人の職員以外は、古川所長も含め皆、引き揚げていきました。

なるほどね~

そういう手があったんですね~

どうしたら会場に入れるか?

ここでと言っておいて、離れた場所に急きょ変更する。

反対派が駆けつけても、その時すでに遅し。委員は会場入りしてしまってる。

とこういうシナリオだったんですね~

怒って詰め寄る地権者たち。

妨害される以上仕方がないと説明する職員。

 

確かにそうですよ。

妨害していますよ。収用委員会が開かれないように。

でも、それは当然でしょ?

「審理」の開催は家屋の収用につながるのですから。

審理は収用が前提で、その補償額と明渡し時期を決めるためのものですから。

地権者が協力できるわけないじゃありませんか。

 

私たちは職員の方々に恨みはないのです。

でも、協力はできないのです。

必要のないダムのために土地を奪うような行政の横暴は許せないからです。

 

地権者の女性たちが2人の職員を取り囲んで訴えていました。

うったちはね、安心して暮らしたかと。

お金は何も要らんと。

少ない年金でゆっくり暮らしたいだけ。

あんたは何年生まれね?昭和46年?

あんたの人生以上の長い間、うったちはこがん闘いば続けとっとよ。

自分たちの生活を守るために。

そうやって闘いを続けながら、何人死んでいったか知らんやろ?

 

一職員に言ったところで何がどうなるものでもないのはわかっている。

わかっているけれど、言わずにはおれない想いが、彼に伝わったでしょうか?

無表情だったけれど、たぶん心に刺さったはず・・と思いたい。

この地権者の思いを少しでも理解して、何らかの形で知事に伝えてほしい。

直接伝えてほしい。

 

地権者の妨害をどうかわすか、防ぐか、なんてことを考える前に、

なぜ地権者がここまで妨害を続けるのか、

その意味をまず考えるべき!

 

結局今日は、地権者欠席のまま審理は開かれ、県側は、2世帯の家屋の明渡補償額を提示。

裁決から180日以内に家屋を明け渡すよう求めたそうです。

 

 


第12回新聞感想文コンクール授賞作品

2016年03月15日 | 報道

長崎新聞による第12回新聞感想文コンクール。

3月14日の紙面に最優秀賞と青来有一賞計6名の作品が掲載されました。

最優秀賞中学生の部は佐世保市の中学3年生荒岡梨乃さんの「ふるさとが消える」。

テーマは石木ダム。

お母さん譲りの素晴らしい文章力と、まっすぐに社会を見つめる洞察力に脱帽です。

この作品を最優秀賞に選んだ理由を審査員の小田氏(長崎県教育界理事長)は、

「本県が抱える難しい問題を、中学生らしい正義感と批判精神を基に記述している」と評価し、

この作品の主張するところは、『何も知らない』=『無関心』への批判であり、

決して石木ダム反対を主張するものではない。

現状を知り、考えるため存在として新聞を位置付けた彼女の考えをしっかり受け止め、

最優秀賞が授与されました。

審査員の方々の公平公正な姿勢を、私たち読者も高く評価したいと思います。

 

『本県が抱える難しい問題』ならばこそ、それをテーマにしたものはボツにされがちです。

梨乃さんは最後に「私も反対運動に協力したい」と明記しているので、そこを取り出して、

賛否が分かれる問題だから一方の主張を評価するのはマズイのでは…などとなりがちですが、

今回審査に携わった方々すべてが、そのような底の浅い見方はしていなかった。

 

まず、彼女の作品を一次審査員へ送り出した清水中学校の国語教師、

県内から集まった中学生の作品を一次審査した長崎市内の7人の中学教師、

そして最終審査をした3人の識者(長崎県教育会理事長・小田恒治、芥川賞受賞作家・青来有一、
長崎新聞社取締役編集局長・今福雅彦)。

それら全ての方々が、新聞感想文として高い評価に値する作品はどれか、

純粋に真摯に読み込んで下さったからこその結果です。

 

私たちはいま、演劇集団Stereo Artによる「濁る水」佐世保公演に向け準備中ですが、

同公演の「後援」を求めて新聞各社にお願いしたところ、OKが出たのは2社のみ。

1社は返事もなく、残り2社は「石木ダム事業には賛否両論があり、

報道機関としての中立性を保つ必要がある」などの理由で断られました。

 

世論が二分されている問題には関わりたくない?

唖然としました。

最も表現の自由を理解していると思っていた新聞社でさえこうなのか・・・

 

そんなショックの後だっただけに、今回の審査結果にはとても元気づけられました。

 


第37回 3.14団結大会

2016年03月13日 | 川原

川原公民館の前に全員集合!

今日は第37回3.14団結大会の日。

3.14とは3月14日ということ。

今から36年前の1980年3月14日、石木ダム建設絶対反対同盟が再結成され堅い団結を誓いました。

以後、毎年その日を記念して同盟員だけでなく支援者も集まり、

石木ダム計画が白紙撤回されるまで頑張ろう!との思いを新たにしてきました。

そして、37回目の3.14を前に、今日団結大会が開かれたというわけです。

 

大会は1時からで、その直前に、同盟の皆さんが集まって記念撮影。

言いだしたのはカメラマンの村山さん。

写真集「石木川のほとりにて」を出された、あの村山さんです。

だから、ほら、みんな笑顔!

 

午後からの団結大会に先立って、午前中、男性たちは石木川の大掃除。

高く伸びたヨシを刈り取って、河原で燃やしたり、

堰などに引っかかっているヨシやゴミを取り除いたり、

こちらは、薄くぼやけた文字を上書きして・・・くっきり!

「環境保全地域」「ネコヤナギ盗伐禁止」「ほたるの里」などなど、

勝手に命名、勝手に設置。

誰かのお墨付きを得るのではなく、自分たちで決め、自分たちで守る。

誇り高い人々です。

掃除が終わって公民館にやってくると、公民館では、まだ団結大会の準備中。

中では、女性たちが大会後の交流会のご馳走作りに大わらわ。

 

いよいよ大会が始まり、

例年通り、同盟を代表して岩下さんの挨拶、石丸さんによるこの1年の振り返りがありました。

そして来賓挨拶トップバッターは、石木ダム対策弁護団の高橋弁護士。

まずはじめに、今取り組んでいる事業認定取消訴訟(行政訴訟)と、工事差止仮処分申し立て(民事訴訟)の概要について、たいへんわかりやすい説明がありました。

そして、強調したい3つの事実とそのポイントが語られました。

① 13世帯がこれだけ反対している=13世帯の生活を強制収用によって破壊した例はかつてない

② 13世帯以外がこれだけ反対している=石木ダムの建設によって損害を受ける人がこんなにいる

③ 50年間造られていない=要らないということ

しかし、他人=裁判官や弁護団=をあてにしてはいけない。

皆さんの意思で皆さんが頑張ることが裁判官を動かし、知事を動かすことになる。

 

次に登壇されたのは、真島省三衆議院議員。

2月25日の衆議院予算委員会第8分科会で石木ダム問題を取り上げ、事業認定の不当性を追及した、その大要が語られました。

思わず笑ってしまったのは、治水安全度と流量予測値の怪。

真島議員:長崎県は石木ダム合流地点より上流は30年に一度の治水安全度で、合流地点より下流は100年に一度の安全度に設定している。100年に一度の大雨が降った時の流量計算はおかしいのではないか?その時は上流部にも100年に一度の大雨が降るはずで、しかし上流部はその対策ができてないので、越水して周辺に流れ出てしまうのではないか?

国土保全局長:ご指摘の点につきましては、現在裁判で係争中でございまして、訴訟の場において国の考えを述べ、対応したい。

裁判を理由に質問に答えようとしない官僚に頭に来た真島議員は委員会終了後、答弁者を呼んで、もう一度尋ねたら、上流の越水は認めたそうです。

しかし、県の計画流量はそれほど間違っているとも言えないと思うとのこと。

え!?なぜ?

「一度溢れた水が、また石木川に戻ってくるかもしれないから」

この答えには、聞いてる私たちも思わず吹き出してしまいました。

 

続いての登場は、パタゴニア日本支社長辻井隆行さん。

石木ダム問題に出会って、

「人権や環境の問題がこれほど極端に蔑ろにされていることに、個人的に憤りを感じた」

「僕たちパタゴニアにできることは分厚いカーテンを開けること」

と辻井さんは言う。

カーテンを開けた時に見えてくる景色。それを伝えたいと。

その景色とは、きっと石木ダムに繋がる人権、税金、環境等々の現実なのでしょう。

そういう問題を知って、それでも石木ダムが必要と佐世保市民は思うのか?

事実を伝えることが大事だと思う。

そういうことを「個人的にライフワークとしてもやっていきたい」と。

 

来賓の後は、県内支援団体からの挨拶やメッセージを伝え、

地権者の決意表明、決議文の採択、そして、団結ガンバローで閉会となりました。

 

閉会後はすぐにご馳走がいっぱい並んだテーブルが運ばれてきて、乾杯の後は、

写真を撮るのも忘れて、食べて、しゃべって、笑って・・・。

しばらくして、左隣の初対面の方とお話してみると、83歳の佐世保市民の方で、

子どもの頃こうばるに住んでいたとのこと。

 

昔、ここは公民館ではなく太子堂だったんですよ。

聞いています。あそこに今も祀られているんですよね。

と、聖徳太子像が安置された扉を指すと、

そう。その上に書かれた文字が読めますか?

と言われ、

そう言えば、汚れなのか模様なのか、読み取れない字があり、

何と書かれているのか前からずっと気になっていたのでした。

教えてほしいと頼むと、

あれは漢文読みするんですよ。

行者道を譲り、耕者畔を譲る。

 

なるほど~

行き交う人は道を譲り合い、田を耕す人は畔を譲り合いなさいってことなんですね。

そうか・・・。

そうやって、譲り合いの精神で田畑を耕し、ふる里を守ってきた人々にとって、

道も畔も奪われるなんて言語道断、許されることではないでしょう。

 

この額は、佐世保市長の市長室にこそ飾りたい・・・