石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

収用委員会 結審?

2015年02月18日 | 強制収用

昨日、2月17日、4世帯の農地(約5,500㎡)に関する2回目の収用委員会が開かれました。

今回も県側と地権者の双方から意見が出されましたが、両者の論点は全く噛み合わず、

それぞれの意見書を3月末までに提出し、それをもとに委員会としての判断をしたい、

必要であれば、もう一度審理を「再開する」と委員長は述べました。

 

つまり、必要がなければ、昨日の委員会で審理は終わったということです。

そういうわけで、今朝の新聞は「結審」「審理終了」との見出しとなっています。

 

 

記事に書かれているように、

県側の主張(国の事業認定をもってダムの必要性は既に認められている)について、

委員会会長も「収用委員会は事業の必要性や事業認定の当否を論じる場ではない」と明言しました。

 

それでも尚、地権者や私たちはダムの必要性を問題にしたいと考えています。

なぜなら、

それがもしも必要性のないダムであったなら、

そのダムのためにふる里を追われる人の人権、自然、財政などに大きな損害を生み出すからです。

 

癌治療にあたって、手術をするか抗癌剤を使うか議論する前に、

それが本当に癌なのか確認する必要があるでしょう?

 

その確認をするのは認定庁の役目であって、収用委員会の役目ではない。

その判断に問題があったとしてもそれは認定庁に言うべきことで私たちに言われても困る、

と委員の皆さんは思われたことでしょう。

 

そういうことは重々承知の上で、それでもやはり私たちは知っていただきたいのです。

 

委員の皆さんが判断すべきことを判断するときに、

この収用されようとしている土地の背景にある問題をしっかり認識していただくことは、

決して邪魔にはならない、正しい判断を生み出す要因になると思うからです。

 

その判断が示されるのは、4月か?5月か?とマスコミの見方も分かれていますが、

その判断の中には裁決申請の却下も含まれています。

 

その可能性がどんなに小さなものであっても、私たちは希望を持って訴え続けたいと思います。

 

 

 

 

 


 


土地は彼らの人生そのもの

2015年02月17日 | 報道

今日の西日本新聞のコラム記事「デスク日記」をご紹介します。

 

記者の眼の温かさと鋭さ、筆の確かさをあらためて感じました。

県の職員もきっと見たことでしょう。

苦々しく思った方もいるかもしれません。

でも、噛み締めてほしい。

 

土地は彼らの人生そのもの。

「本当に必要なダムなのか」

住民たちの問いに、行政が真摯に向き合ってきたとは

到底思えない。

 

今日、その住民の土地を取り上げるための収用委員会が開かれます。

収容委員の方々も、この記事をご覧になっていますように・・

 


分断する罪

2015年02月10日 | 報道

「分断する罪」と題するコラムが2月9日の愛媛新聞にありました。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/chijiku/ren018201502093235.html


全国至る所で出会う砂防ダムなど、必要性に疑問符が付く公共工事についてズバリと指摘しています。

公共工事を始めるには建設の必要性や費用対効果の算出、環境への影響調査など綿密な事前手続きが必要で、

そして一番大切なのは、地域住民の理解と同意であるはずなのに、

いずれもなおざりにしての見切り発車となっている、だから大方の理解を得られない。

不要不急な公共工事は、豊かな山を、川を、そして海を痛めつける。

何より、地域住民を分断する罪こそ、深い。

どこまで「負の遺産」を積み上げれば、国はそのことを理解できるのか。

と断罪しています。

全く同感です。

ちょうどその日、私たちは東京からのお客様Nさんを石木ダム建設予定地に案内しました。

現地に着く前に、石木川と川棚川の合流地点で途中下車。

ここは石木川のふる里「虚空蔵山」のビューポイントでもあります。

そして、正面には石木ダム建設のために土地を売って出て行った方々の家。

「ダム御殿」と呼ばれる立派な家々が立ち並び、

そこには、まさにダム計画により分断されてしまった元岩屋・川原住民が住んでいます。

子どもたちが通う学校は同じなので、PTAなどの集まりで顔を合わせることもありますが、

ほとんど言葉は交わさない、自然に避けてしまっていると聞きました。

 

団結小屋でおばあちゃんたちの話を聞いた後、川原を通り過ぎて、石木川上流の木場郷へ。

美味しい虚空蔵の水を飲んでいただきたくて・・

うん、美味しい!柔らかいですね!とNさん。

私たちは、この水汲み場に置かれているミカンや漬物、お茶などを買い込みました。

作物は水が命。

美味しい水で作られた野菜や果物は、やはり美味しいのです。

ここ木場郷は、日向の棚田で有名です。

幾重にも積み上げられた石積みの棚田。

ここに住む人々も昔は川原の人々と同じように石木ダムに反対をしていました。

この写真は2010年6月に撮影したものですが、今でもこのような看板が少しだけ残っています。

でも、石木ダム反対という明確な意思表示をする人々は少数派になってしまいました。

長い年月の間には人々の意思も変化するものです。

変化せざるを得ないような状況を作り出す力を県は持っています。

この素晴らしい石積みの棚田を整備したり、りっぱな公民館を建てたり、

「だんだん祭り」を開催して町興しに一役買ったり・・様々なアメを提供してきました。

その結果、木場郷の中でも石木ダム賛成・反対で分断が生まれ、

多くの人は、そのどちらとも言えず口をつぐむようになっていったのです。

 

石木川沿いを下り、再び川原地区に戻り、川原公民館にやってきました。

歴史がいっぱい詰まった公民館をNさんに見ていただくことと、

雨漏りしている公民館の屋根を見ることが目的でした。

屋根を見るために、建物横の崖を登っているとき、氷柱を発見!

長いものは4~50cmほどもありました。

晴れた日で、撮影時間は11:42。

隣町でありながら、佐世保では見ることのできない景色にびっくり!

そして、寒さと共に、この地域がこれほど水をたっぷり含んだ貴重な大地であることを実感。

まさに緑のダム! 

 

地域を分断し、自然を破壊し、税金の無駄遣いとなるコンクリートのダムは要りませんよね~

 

 


佐世保市の人口流出、全国6位!

2015年02月07日 | 佐世保の水事情

これは昨日(2月6日)長崎新聞の一面トップの記事です。

総務省が公表した2014年度の人口移動報告結果を伝えています。

大見出しは人口の一極集中(東京圏への転入超過)ですが、

伝えたいのはこちらでしょう。

長崎県の人口流出です。

長崎県の転出超過(転入者よりも転出者がどれだけ多いか)は、5853人で、全国5位ということ。

47都道府県中、5番目に出ていく人が多いということ。

その傾向は数年前から知っていましたが、

びっくりしたのは左の小見出し。

長崎5位、佐世保6位!?

こちらは市町村別の結果です。

全国の市町村の中で、長崎市は5番目に出ていく人が多く、6番目に多いのが佐世保市だそうです。

市町村の総数がいくつなのか新聞にはなかったので、総務省のサイトで調べてみました。

その数、1718でした。

長崎市は昨年も全国で第5位でした。

 

一昨年長崎市は水需要予測を大幅に下方修正しましたが、

それは近年の人口減少の厳しい現実を受け止め、水道水需給計画に取り入れたからでしょう。

その結果、県南部広域水道事業団は本明川ダム計画からの撤退を表明し、

長崎市はこれ以上無駄なお金をダム計画に注ぎ込む誤ちから脱することができたのです。

 

佐世保市はなぜそれができないのか…

1718市町村中6番目の人口流出を呈している現状をしっかり見据え、

それに見合った水需要予測や対策をなぜ考えようとしないのか…

市も水道局も、いいかげん目を覚ましてほしい。

ダムが必要という自己暗示から目覚めてほしい。

それとも、誰かがマインドコントロールしていて、自ら解除はできない?

 

しかし、市ができないからと諦めるのは、もうよそう。

私たち市民が声をあげよう。

石木ダム計画から撤退しようと声をあげよう。

黙っていたら、私たち自身に、そのツケが回ってくるのだから。

 


集会その後

2015年02月06日 | 市民の声

1・18佐世保集会から明日で3週間。

3日前に最後の実行委員会も済ませ、ホッと一息といったところですが、

なかなか切り替えができません。

というのは、余韻がずーっと続いているのです。

アンケートが、今もポツリポツリと署名と一緒に送られてきます。

先日は電話もかかってきました。

感想を書ききれないからといって、電話でじっくり語ってくださいました。

 

中には、このような意見書のようなものもありました。

また、この方はカンパとして切手を50枚も同封してくださっていました。

しかも、そのお手紙にも封筒にも名前はありませんでした。

 

こちらの女性は、アンケートと署名の他に、このような温かいメッセージを添えてくださっていました。

 

このようなことは、これまでありませんでした。

他のアンケートにも「感動」の文字がたくさん書かれていました。

映画「ダムネーション」と、弁護団や地権者の方の素晴らしいお話のおかげです。

 

1・18佐世保集会は終わったけれど、強制収用反対の活動はこれからが本番です!