石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

第2回 石木ダム検討の場

2011年01月31日 | ダム事業の検証

石木ダム建設事業について再検証するための第2回「検討の場」が28日、国民宿舎「くじゃく荘」で開かれました。

今回川棚町で開かれたことは、私たちの要望が聞きいれられたのか、であれば嬉しいけれど 
しかし、今
回も傍聴者は30人までという。
もっと広くて、何百人も入れる会場だってあるのに・・・

開会は2時30分。
その前に傍聴者をくじ引きで選ぶので、1:45~2:15までが受付時間。

私たちは1時に集合しました。

玄関前で意思表示です。  

川原のおばあちゃん達も久しぶりに鉢巻き姿

誰かな~?

                            県河川課のお役人だ!「ダムは造らせんぞー!」とお出迎え。

 

さて、今回は、前回すでに「見直しの必要無し」「水需要予測は妥当」と結論付けられてしまったダム案に対して、
治水、利水、そして流水の正常な機能の維持、という3つの観点から代替案が示されました。

治水代替案としては、2つの遊水地案の、放水路案、河道掘削案、引堤案、堤防嵩上げ案の6つ。

利水代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案、地下トンネルダム案、海水淡水化案の5つ。

流水機能維持の代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案の3つ。

そして、それぞれを、安全度、コスト、実現性、継続性、地域社会や環境への影響など6つの評価軸で対比。

 

予想通り、他のどんな代替案よりも、ダム案がコスト的に断然有利だと強く印象付けるものでした。

治水の観点からでは、現行ダム案はあと79億円ですむが、他はいずれも200億~400億円台。1ケタ違います。

また、利水の観点からでは、多くの人が理想とする海水淡水化案(どんな渇水のときも安心だし、地権者の暮らしや環境を破壊することもないから)を1631億円(50年間の維持管理費を含む)とし、やはり1ケタ違う結果を出しています。

国の示した検証作業の実施要領に従って検討を進めることを大義名分にしている長崎県ですから、
コストを最も重視している国の方針に沿って、この評価結果が用意されたのでしょう。

 

それにしても、これらはすべて前回の前提があるからです。

「4万トンの水源を開発するためには」という大前提

これさえなければ、国が提示した方策案のうち、ダムの嵩上げや地下水取水、ため池なども詳細評価の対象となったでしょう。

 

今回の会議では、各町長や市長からたくさんの質問が出されました。
が、それは県の補足説明を促すようなものや、県の口から言いにくいことを各自治体の長が代弁しているようでもありました。

私が唯一「おお!」と思ったのは、川棚町長の発言。今後のスケジュールの説明の後、

「関係者住民への意見聴取というのとは別に、反対地権者の方々の話しを聞く場というものを設けてもらいたいがどうか?」

というものでした。

これには、その場にいた多くの人が驚いたことでしょう。

新聞・TVいずれもしっかり伝えていました。

 

一方、会議終了後私たちは1階ロビーで予定通り記者会見を開き、以下の6点について、代わる代わる強く訴えました。

①「開発水源4万トン」の見直しの必要性

②まず取り組むべきは漏水問題

③予断なき検討のために、事業認定申請を取り下げるべき

④検討中なのに、石木ダムの必要性を大々的にTVや新聞広告で宣伝しているのはおかしい

⑤諫干問題で地元の声を聞けと国を非難する県が、なぜ石木ダムの地元の声はきかないのか

⑥公正で客観的な検証をするためには、是非専門家による議論が必要

しかし、これらについての報道はほとんど見られませんでした。

 

以下の2紙だけは、伝えてくれました。

一方、反対地権者らは会議終了後、検証の在り方に反発。報道陣に対し「県が一方的に示すデータが正しいかどうかを検証すべき」「専門家を交えた公開討論会こそ誰もが納得できる方法」と主張した。(長崎新聞)

 反対派は会合後、会見し、佐世保市が1日4万トンの新たな水源開発が必要としていることについて「現実を無視した予測なのに、この数字に対する検討はない。県の説明会になってしまっている」と批判した。(毎日新聞)

特に毎日新聞は、 「データに根拠ない」県の説明に反対派 という見出し付きでした。 
 


いずこも同じ・・・

2011年01月23日 | 他ダムのこと

「路木ダムをつくるとどうなるの?」という学習会が今日天草市で開かれ、それがustrem中継されるという案内をもらったので、拝見しました。

 

いずこも同じですね・・

● 過大な水需要予測、ひどい漏水率

● 洪水被害の嘘=ありもしない被害をでっちあげ

● 自然(川、海、森)への悪影響を認めようとしない

 

しかも、石木ダムのケースよりもひどい!

漏水率が32%なんて!!!

 

でも、皆さん、よく頑張っている。

漁業者や元議員や一般市民や、いろんな人が、それぞれの立場でよく調べ、よく活動し、よく繋がっている。

 

漁業者の方がいるのはいいですね~

理屈ではなく実感として環境の変化をよく知り、感じ取り、予測できるから、説得力があります。

ダムができると、アマモの群生地であるアマモ場がなくなり、魚介類の産卵場や稚魚の成育場がなくなり、結果、漁業は大打撃を受ける…と。

石木ダムにもこんな方がいるといいな~と思いました。

 

しかし、このような話は今までも聞いていたし、目新しいものではありません。

私がとても拍手をしたくなったのは、会場からの質問・意見のときでした。

 

その方は、これだけ頑張っている人々に、「しかし、反対運動は今のところ成功していない」と指摘しました。

その理由は、皆さんは、行政との闘いに疲れ果て、市民・住民の方を向いていない。

こういうことをもっと地域の住民に伝えなければ。

住民は、役所の人が来て「向こうの地域では水が足りなくて赤い水(濁った水)を飲んでいる」と聞かされて、

それじゃあ可哀想だからダムを造って水をあげなければと思ってハンコを押した人もいる…と。

 

県民約12000の署名がダム必要論の根拠になったそうですが、それは、このような嘘や誇張に満ちた説明で集めたものだったそうです。

そのようなことをきちんと正す、正確な情報を市民に伝える、その努力が足りなかったから地元での共感が得られないのだと、はっきり指摘なさったのです。

 

それは、私たちの活動にも言えることで、とても耳が痛かったです。 

ファシリテーターの方がおっしゃっていたように、伝達媒体がないとか、人出が足りないとか、言い訳はいろいろあるんだけれど、その苦言をきちんと受け止めて、今後の課題としなければならないと私も思いました。

 

それにしても、便利な世の中になりましたね~ 

長崎県にいて、熊本県の集会を傍聴できるんですから。 

 




第2回「検討の場」開催のお知らせ

2011年01月21日 | お知らせ

今夜、やっと、第2回「石木ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の開催が公表されました。
                         
 
1.開催日時  平成23年1月28日(金) 14:30~

2.開催場所  国民宿舎 くじゃく荘  2階会議室
          (東彼杵郡川棚町小串郷272)
          地図はこちらをご覧下さい。

3.検討の場メンバー構成
          長崎県、佐世保市、川棚町、波佐見町

4.議事内容
  ・治水、利水等の対策案について     ほか

5.会議の傍聴について
  傍聴を希望される皆さまへ【PDFファイル】 をご覧下さい。

私たちの申し入れを受け入れて下さって?場所が川棚町で開催されます。

それは嬉しいのですが、相変わらず傍聴者は30人に制限されています。

それはどうしてなのでしょう?

地元川棚町であれば、推進派も反対派も、傍聴したいと思う人はたくさんいるでしょうに…。

「くじゃく荘」には、大広間もあるのに…。

不思議ですね~

 


石木ダム必要論、全面広告!

2011年01月20日 | ダム事業の検証

1月19日、県は、長崎新聞の第9面に、全面広告を出しました。

佐世保市民や川棚町民を守るには石木ダムしかない、石木ダムが必要なんだ、

 という県の主張をアピールするものです。

 

「本当にダムが必要なのか、他の対策はないのか見直してください」という国の要請を受けて、

いま、その検証をしている真っ最中のはずです。

この広告にあるような主張は検討の場で大いに出して、

それに対する質問や反論も受けて議論して、最も良い方法を見出して行くべき時なのに、

県は、県民の税金を使って、自分たちの主張だけを宣伝しています。

それっておかしくないですか?

 

昨年11月半ばから5週間にわたって、TVで同様の主張を放映していました。

これに対する抗議もしましたが、とうとう止めませんでした。

 冒頭に書かれている「なるほど!県政チャンネル」がその番組名です。

この新聞広告は、その番組のおさらいです。

見逃した人のためでしょうか・・・?

 しかも、ここにも書かれているように、佐世保市の水需要について、

「1人1日当たりの使用量は現在の190リットルから221リットルに増加すると予測されている」

というのが県の主張ですが、

その予測は全く当っていない、過大な需要予測だと専門家は指摘しています。

だからこそ今、それについて議論すべき時なのです。

いろんなデータを開示して、県や佐世保市の予測が妥当なのかどうか、検討すべきなのです。

それによって新たな水源確保の必要性や、その必要量は大いに変わってくるわけですから。

 

その本来やるべき検討作業を避け、形だけの、アリバイ作りだったのが

「第1回検討の場」でした。

次回はいつなのか、まだ公表されませんが、

第2回目の「検討の場」も同じような意味のないものにならないよう、

その可能性は大ですが・・・ 

私たちはできるかぎりの対策を講じていきたいと思っています。 

 


川棚町長へ申し入れ

2011年01月13日 | ダム事業の検証

今日、1月13日、午前10時より、
「石木ダム建設絶対反対同盟」と「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」は、
石木ダム建設事業の検証に関わる申し入れを、川棚町長に対して行いました。

申し入れの内容は、

1. 石木ダム建設計画から49年も経過し、県が目的としてきた治水・利水事情は大きく変わってきているが、
   川棚町としてどうのように検証されてきたのか。

2. 地権者はこれまで一貫して「絶対反対」の立場を」とってきている。
   長崎県と県議会は諌早湾の問題で「開門せよ」との国の方針に対し、地元の声を聞けと言っている。
   石木ダム建設問題に関しても、特に地元地権者の意見を聞くべきではないのか。

という2点でした。

いろんな意見のやり取りの中で見えてきた町長の考えは、以下のようなものでした。

1.川棚町は検討する立場ではない。

  今回の検証に関しては、その検討を国が県に要請したもので、検討主体は県であり、
  治水に関しては県が、利水面では佐世保市が検討するが、川棚町に検討を求められてはいない。

  私は町長として、洪水被害がおこらないよう県に治水対策をお願いする立場である。

  そうして県が検討した結果、ダムを造るのが最適としてきたのでそれを受け入れ、その実現を願っている。

これに関して町民からは、それではあまりにも他人事ではないかと批判の声続出。

 ・ダムができるのは、ここですよ!川棚町民の土地が取り上げられようとしてるんですよ。

 ・川棚川、特に石木川は川棚町の財産。その大事な水をほとんど佐世保にやってしまっていいのか?

 ・大村市は萱瀬ダムを造って長崎市に水を送っているが、今では大村市自身が水不足で困っている。
  渇水の時、大村市のプールは使えないのに、長崎市のプールは使えた。こういう事実を知っているのか。

 ・ダムができたら地域が活性化するなんて、事実誤認も甚だしい。ほとんど寂れている。

2番目の質問に関連して、なぜ地元の意見を聞かないのか?
また、専門家の意見をしっかり聴くために公開討論会をすべきではないか、との意見に関して町長は、

  今後の検討の場で、学識経験者の意見も、地元住民の意見も聞くことになっている。
  また、事業認定の場でも公聴会で住民の意見は十分聞くことになっているので、
  新たに設定する必要はないと考えている。

これに対して町民は、

 ・どちらも聞き置くだけの形式的なもの。議論しなければ意味がない。

 ・事業認定をしたら私たち(地権者)は絶対話し合いには応じない。

などの平行線に終わりました。

こちらのブログにも掲載記事があります。http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20110113

よかったらどうぞ。