石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

対話の必要性を説く長崎新聞

2014年06月29日 | 報道

今日の長崎新聞には、石木ダムに関して2つの記事がありました。

どちらも大きな扱いです。

 

まず初めは、一面のコラム「水や空」

知事が地権者と会って話し合うことの重要性を示唆しつつ、

その会合が「帳面消し」などでは何の前進も得られないだろうと書かれている。

と同時に、その面談申し入れの経緯もチラリと触れられていて興味深い。

知事が本当に「胸中静かに期するもの」があって、面談の決意をしたのなら、

「ダム事業へのご協力をお願い」などと条件をつけずに、

ただ「会って話し合いましょう」と書くべきだった・・・

その文書は河川課長名で出されているので、条件は課長の意思かもしれないが、

河川官僚などに遠慮せず、地権者とじっくり話し合ってほしい。

 

こちらは、11ページの3分の2のスペースを割いての「記者の目」

イサカン問題と石木ダム問題に対する県の対応について、正論を吐いている。

イサカンに関しては、「開門調査は白紙に戻して撤回すべし」と国に迫り、

石木ダムに関しては、「ダムの必要性を白紙に戻しての議論はできない」と地権者を一蹴する。

どちらも国によって判断されたのに、全く正反対の態度を取っている矛盾をまず指摘。

 

その上で、いやいや、矛盾どころか実は一貫している。

県として決めたことは誰が何と言ってもやり抜くんだという姿勢、

聴く耳持たぬと言う態度は一貫している。

でも、それでは何も解決しない。

県はもう少し懐の深さを持って、地権者と対話すべきだと説いている。

 

そして、これまで同様‶先送り”するだけでは「問題に振り回される住民があまりにも不幸だ」

と書かれていました。

本当にその通りだと思います。

県はそろそろ本気になってほしい。

本気で石木ダム建設を考えているのなら、本気で地権者の疑問に答えるべきです。

第三者の判断だとか、国のお墨付きだとか、責任転嫁したまま強制収用への道を突き進むなら、

イサカンの失敗を再現するだけ。

それでは、住民だけでなく県民もあまりにも不幸です。

 


知事が面談申し入れ

2014年06月28日 | 県市の対応
知事がやっと地権者との話し合いに応じた!
との情報に一度は喜んだのですが、よくよく聞いてみると、その話し合いの中身は、
「ダム事業への協力へのお願い」
これでは、地権者は応じられません。
 
 
石木ダム 建設反対の地権者に知事が合同面談申し入れ

 東彼杵郡川棚町に計画されている石木ダムをめぐり、中村知事は、きょう建設に反対する地権者に、合同面談を申し入れました。 ただし、これはダム事業への協力を求めるものだとしています。

 中村知事は、石木ダム建設予定地である川原地区で、建設に反対する13世帯の地権者との合同の話し合いの場を来月1日に設けたいと、弁護士を通じて申し入れたと発表しました。 面談の内容について、県は「ダム事業への協力のお願いと話し合いの機会」としています。 この面談は地権者側が求めていた説明会とは別としていて、後日開かれる予定の説明会には、知事は出席せず、前回と同様、土木部長が出席するということです。 これに対し地権者側は、「公開質問状の回答の説明なら受けるが、ダム建設への協力を求める話し合いには、応じられない」としています。 地権者側の弁護士は面談に応じるか検討するとしています。

 

県はなぜ、このような態度を取り続けるのでしょうか?

ダム建設をお願いしたい気持ちはわかります。

しかし、その前に、まず相手の話を聞き、それに答え、その後お願いするのが、

お願いする者としての筋道ではないでしょうか?

一方的にお願いを押し付けるのは「お願い」ではなく、お願いという名の「強制」でしかありません。

 

権力者としての上から目線ではなく、お願いする者として立場をわきまえた行動をしてほしいものです。

また、地権者はお願いされる者として、上から目線で言っているのでは決してありません。

地権者は対等な話し合いを求めているのです。

住民と行政、双方が対等な立場で川棚川の治水対策を議論しよう、ダムが必要なのか考えよう、

と言っているのです。

確かに形の上では以前それらしき意見交換もやりましたが、あくまでも手続きを踏んだだけ。

理解が得られるような話し合いにはなっていませんでした。

法的な手続きさえ踏めば、後はどうにでもなると考えていたのでしょうが、

それは住民の思いを無視するやり方です。

立場の違う者同士が理解し合うためには、やはり話し合うことしかないのです。

その一番大事なことを、これ以上避けるのは、もうやめてほしい。

一日も早く、本当の「話し合い」のテーブルにつくべきです。

 

 


地権者との集団面談に知事応じる意向

2014年06月27日 | 県市の対応

25日の定例記者会見で、石木ダムについて知事はこのように語りました。

やっと、地権者と向かい合って話す機会が得られそうです。

ただ、その時期については、どうもあやふやです。

「できるだけ早い時期に」と言いながら、

「どういう形でお願いしたらいいのか検討してみたいと思っております」と言う。

いや、地権者の方から何度も「〇月〇日に川原公民館にお越し下さい」とお願いしてるのですから、

「うん、わかった」と言えばいいだけの話だと思うのですが…

記者会見の全文(石木ダムに関するところだけ)を貼付します。

 


○記者(NHK) 石木ダムの関係なんですが、先週、地権者の方に県の方から説明会というのがありました。その場で改めて地権者の方から、知事ご本人との面会といいますか、話し合いを改めて強く要望していましたが、それについての知事のお考えを聞かせてください。

○知事 もともとは昨年末に公開質問状という形で個別の質問項目をお示しいただいて、それに対する説明の場を持たせていただいているわけでありますが、ご質問の内容が非常に技術的、実務的な内容のご質問をいただいているわけであります。したがって、現段階では、その分野の専門家である土木部長をはじめ土木部の方で対応をさせていただいているところであります。
 ただ、ご承知のとおり、石木ダム事業というのは、昨年9月に事業認定がなされ、裁決申請まで残された期間もあまりございません。私どもは、最後の最後まで任意交渉によって解決を目指していかなければならないと思っており、13世帯の地権者の皆様方と改めて話し合いをさせていただくような機会がいただけないのか、できる限り検討をしているところであります。

○記者(NHK) 地権者側は、たしか今週をめどにみたいなお話もあったと思いますが、いつぐらいまでに検討結果というのは決められるおつもりでしょうか。

○知事 それはご質問をいただく内容次第だと思います。お尋ねいただいた項目については、今のダムの設計に当たっての基本的な考え方や、数値等についてのお尋ねがほとんどだと思います。それについては、その都度、できるだけ早くお返しし、説明させていただくことになると思います。
 ただ、そうは言いながらも、先ほど申し上げたように期限のある話ですので、そういった手続も、残された期間がなくなりつつあります。よって、もう一度、地権者の皆様方と話し合いをさせていただけないかということを、今模索しているところです。

○記者(NBC) 関連して、今言われたところですが、専門的な部分の質問とかというところに対して、土木部長とか専門の方が行かれてお答えするというのはあると思うんですが。何と言いましょうか、これまでの経緯というものもあって、やはり知事と直接話をしたいと地元の反対の方が言われているわけですから、やっぱり知事が直接行かないと、なかなか問題が解決しないんじゃないか、話が先に進まないんじゃないかと思っているんですが、そこについて、知事、いかがでしょうか。

○知事 今、ご要請をいただいているのは、先ほど申し上げたとおり公開質問状から始まった一連の具体的な、実務的な内容についてのご質疑をいただいている状況です。そこで私が出かけていって細かく説明をさせていただくということが必要であれば、それはそういう場も考えないといけないと思います。ただ、話を聞きますと、やはり技術の専門家として対応をしなければいけない分野がほとんどであるという状況ですので、今申し上げたような形で対応させていただいております。

 しかし、もっと大きな話、これまでの経過ですとか、具体的な考え方であるとか、そういった部分についても含めて、しっかり県の考え方なりご説明させていただき、お話をお聞きいただくような機会がいただけるのであれば、それは私も積極的に出かけていきたいと思います。

○記者(NBC) 先ほどの(石木ダム事業の)続きで。必要があれば現地に行かれると、それは収用委員会に諮る前にということでよろしいんですかね。

○知事 できるだけ早い時期にそうした機会をいただけないかと考えておりますので、これから、どういう形でお願いしたらいいのか検討してみたいと思っております。

○記者(長崎新聞社) 今のお話は、集団で会うというお話ですか。これまで個別に会うと言われていることから変わりますよね。

○知事 これまでは、個別にお会いして、さまざまな生活再建等含めて相談をさせていただく機会をいただきたいと申し上げてきたんですが、なかなか応じていただけるような状況ではありませんので、そこは13世帯の地権者の皆様方が一緒だというお話であれば、そういった点も含めて考えて検討していかなければならないと思っています。

○記者(長崎新聞社) 皆さん集まった場に、知事が行かれるご意向もあるということでいいんですね。

○知事 (うなずく)

 


石木ダム説明会 ダムなしで洪水防げる

2014年06月22日 | 報道

今日の西日本の記事のタイトルにご注目!

昨日の説明会の核心を捉えていますね~

 

こちらは、朝日新聞の記事です。

浅野部長の言葉がきちんと紹介されています。

 

こちらは長崎新聞の記事。

 

宮崎記者は、この日だけでなく、前日にも石木ダムをめぐる記事を大きく掲載しています。

知事との「面談実現が焦点」と指摘。

知事もそろそろご決断を・・・!

 

NHK

石木ダム 県が地権者に説明

石木ダム 県が地権者に説明

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、建設に反対する地権者側の要請を受けて、長崎県は21日、現地で説明会を開きましたが、大きな進展はなく、地権者側は改めて知事本人の説明や新たなデータの提供を県側に求めました。
石木ダムをめぐっては、国が去年9月、地権者から土地を強制的に収容することが可能となる「事業認定」を行い、建設に反対する地権者との対立が深まっています。
21日は地権者側の要請に応じて、長崎県が現地で説明会を開き、はじめに浅野和広土木部長が「これまでの県の説明では十分ではなかった部分もあり、改めて説明をしたうえで、意見交換をしたい」と述べました。
説明会では、地権者側の弁護団がこれまでの河川改修によって、洪水被害は、ダムがなくてもある程度防げるのではないかとただし、県側は、河川改修が完全に終われば理論上は対応できることを認めました。
一方で、県側は、100年に1度の水害を想定するとダムが必要になると説明し、これに対し、弁護団からはそうした予測の根拠となる具体的なデータなどの提供を求めました。
また、地権者側は改めて知事本人の出席を求め、県側は、検討したうえで回答する考えを示しました。
06月21日 20時15分

 

NBC 06月22日
石木ダム 住民説明会

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム事業で県は、21日、事業に反対している地権者らに説明会を開きました。石木ダム事業をめぐっては県が強制的に土地を収用できる事業認定を受けたことから地権者は反発を強めています。これまで、地権者らはダムの必要性を中村知事、自らが説明するよう求めてきましたが内容が専門的であるとして土木部長らが地元へ出向き説明会を開きました。この中で、地権者らはこれまでに行われた河川改修によって治水目的のダムがなくても川棚川流域で過去に起きた4度の大きな洪水被害は防げるのではないかと指摘ー。県も、これを認めました。また、ダムの必要性の根拠となるデータなどを開示して説明するよう要請しました。地権者らは改めて知事との面会を求めており県の回答期限を来週いっぱいとしています。
 
 
KTN
石木ダム・4年ぶりに現地で県と地権者面会
 
県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム建設について、県はきのう現地で地権者に対する説明会を開きました。説明会は、きのう石木ダム建設予定地である川原地区で行われ県の担当者が地権者と意見交換を行いました。説明会では県の浅野土木部長などが治水面でのダムの必要性を強調したのに対し地権者側からは県の根拠を質す声が上がりました。過去の洪水被害により川棚川は改修などが進められていて、県側は過去と同程度の降雨ならば水害は防げると答えたものの、100年に一度の災害への備えを理由にダムの必要性を繰り返しました。地権者側は改めて治水の根拠となるデータを開示するよう求めるとともに知事出席の下で説明会を開くよう要請しました。
 

県説明会 in こうばる  

2014年06月21日 | 県市の対応

やっと県の方から川原へ説明に来てくれました!

石木ダム計画について、地権者の疑問に答えるために。 

土木部長に河川課長、河川課企画監、石木ダム建設事務所長など勢ぞろいです。

でも、大事な方が欠けています。

この事業の最高責任者である県知事です。

知事は、「地権者の皆様とお会いして話がしたい」と何度も言ってきた。

地権者も知事に是非おいでくださいと弁護士を通じて要望した。何度も。

でも、今日もやってこなかった。

冒頭そのことについての抗議と「次回は必ずおいでいただきたい」と要請した後、本題に入っていきました。

 

今回は県からの説明資料が用意されていました。

やっと前向きに説明する気になってくださったようです。

昨年度までは、「事業認定でダムの必要性が認められたんだから、今さら説明をする必要はない」

「石木ダム必要性の理由は認定庁の資料を見て下さい。県からは何も答えられない」

と門前払いを繰り返していたのに・・

大きな変化です。

やはり、土木部長というトップが代わったおかげでしょうか?

だとしたら、今回の人事異動は石木ダム問題にとって大きなプラスとなるでしょう。

この大事な局面において、話し合いのできる環境は何より大事です。

話し合うことによってのみ双方に理解が芽生え、打開の道が生まれるのですから。

 

で、今回いくつかお答え頂いた中で、とても重要なことがわかりました。

下の表をご覧ください。

これは過去の水害の被害状況を示した表ですが、

平成2年の洪水以後、川棚川の河川改修をおこなった結果、流下能力が増えたので、

いま仮に平成2年7月2日と同じ雨が降っても、洪水の心配はない

とのこと。素晴らしい!

でも、これは過去2番目に大きな洪水でしたから、1番大きい昭和23年の雨ではどうなの?

との質問に、「大丈夫とは言えない」という返事。なぜ?

この時の流量が山道橋付近で1000~1100m3/sだった。

現在の流下能力は1000m3/sなので、100m3ほど足りない。

でも、あと100m3くらいじゃない?足りない分の改修工事はしないの?時間かかるの?

と弁護団。

  いえ、たいしてかかりません。

でもやる気はないんでしょ?と地権者。

  やります。計画してます。

それはいつ?

いえ、具体的な時期はまだ・・・

とのことでした。

 

つまり、石木ダムがなくても、過去の洪水には耐えられるのだそうです。

過去川棚町に大きな被害をもたらした時と同じ規模の大雨が降っても、

あと少し残っている河川改修を済ませれば、大丈夫ということ。

それなら、莫大な時間もお金もかかる石木ダム建設は必要ありませんよね~?

 

いえ、過去の洪水には耐えられても、それだけでは不十分です。

100年に1回の洪水に耐え得るような河川整備計画を策定しており、

その場合石木ダム無しだと1400m3/sとなり・・・

 

その100年に1回ってのがおかしい。納得できません。

上流域では30年に1回の洪水を想定した対策で良しとしているのに、

石木川合流地点より以下では100年に1回の洪水を想定してするなんて・・・

同じ一本の川なのに!

やはりどう考えても、石木ダムを造りたいための数字合わせにしか思えません。