石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

地権者 草刈交渉

2014年05月28日 | 活動

5月27日、川原公民館にて、地権者と県側の交渉が急きょ持たれることになりました。

テーマは「草刈」

実は5月19日の県庁での話し合いの最後に地権者から草刈要望が出されていました。

県が買収済みの用地の草刈は、これまで年に3回おこなわれていたのに、今年はなされていない。

草刈りをしないと、田植えができない。早くしてほしいというものでした。

 

それに対して、2日後の21日付で県はこのように回答してきました。

 

 

つまり要点はこうです。

1.草刈は協定に基づくものではなく、これまで任意に対応してきた

2.地権者による3月6日の県職員への阻止や、今後の工事への阻止予告等を考えると

  草刈り作業にも支障が出そう

3.予算の問題

4.石木ダム以外の他の管理地とのバランス(他所では年に1~2回か2年に1回)



などの理由から、「これまで通り実施していくことは難しい」と答え、

逆に、県側からのクレームさえ述べています。

これには、地権者も呆れ、即交渉することになりました。

なぜなら、もうまもなく田植えの時期です。

今週末のホタル祭りが終われば、すぐに始まるのです。余裕はありません。

 

県側からは石木ダム事務所の所長、建設課長、用地課長など5人がやってきました。

所長の説明によると、

 

・買収地内の管理義務は確かにあるが、草刈りをしなければならないという法的な規定はない。

・が、全くしないと言っているのではない。

・確かに平成13年度から年に3回という暗黙の了解でやってきたのに、何故今年は違うのか、

・それは、回答書にもあるように、阻止行動、予算、他とのバランスなどが要因。

 

これに関して地権者は大いに反論しました。

阻止行動について

・3月6日のことは阻止行動ではない。県の職員に説明を求めただけ。

・私たちが説明を求めて何回県庁に行って対応してくれないので、やってきた県職員に求めた。

・3月6日以前に、今年度予算に草刈の予算は計上していないではないか。

 以前から決めていたことであり、あの日の出来事を理由にするのはおかしい。

 

予算について

・年間約500万円の予算が必要というが、それこそ石木ダム地域対策費を使うべき。

 草刈は米作りをする農家にとって、必要最低限のこと。

・買収済み世帯には新たに1世帯200~300万円も渡していて、こちらに使うお金はないのか?

・佐世保市は草刈するなら応分の負担の用意はあると言っている。

 

他とのバランスについて

・税金を使ってやるので他とのバランスを考えねばと言うが、ここは他と違う。

 それがわかっているから今まで3回やってきたではないか。

 今年に限ってやらないというのはイヤガラセとしか思えない。

・そうじゃないなら、今まで通り年3回やってほしい。

 

所長の方から年に3回やる理由を問われ、地権者は、

・春=田んぼに草の種が飛散しないよう、必ず田植え前におこなう

・夏=虫の被害を防ぐため

・秋=イノシシ対策

と説明。(私も知らなかったので勉強になりました)

 

また、地元の人はもっと頻繁にやっている。

しかし、そこまで無理は言えないので、最低3回やってほしということ。

それができないと言うなら、

ヤギを飼う(ヤギが草を食べ、イノシシも出ないらしい、他所での実践例あり)とか、

昔のようにコスモス畑にするとか、除草マットを敷くとか対策を考えたらどうか。

今回草刈ができずに田植えもできないことになったら、どう責任をとるのか?

 

との追及に、

「今回は早急に取り組むが、年に3回という約束はここではできない」と所長。

 

地権者から、

「よっぽど河川課長から釘をさされとるんやろうね。

 しかし、あんたは県職の中で地元の事情を一番知っているでしょう?

 あんたの一言でどうにかならんとね?」と言われ、

所長は「ならんけん、ここに来とるとです」と。

 

そして、

・3回については検討課題にさせてもらう

・今回の草刈に関してはすぐに取り組むが、手続き2~3日はかかる

・場所の優先順位をつけて、なるべく田植えに支障のないよう努力する

ということを約束して、解散となりました。

 

それにしても、長崎県は、河川管理者としてだけでなく、

買収した土地の管理者としても失格と言わざるを得ませんね~

周辺住民にこれだけ迷惑をかけているのですから。

 

住宅街に住むゴミ屋敷の住人と似たようなものですよね・・・

 

 


5月24日の記事

2014年05月24日 | 報道

今日の記事を添付します。

昨日の水道局による第3回説明会についての記事は長崎新聞だけでした。

 

今日の西日本新聞には、ブックレットの記事がありました。

これをきっかけに、また注文があるといいな~

 

 


佐世保市民は「受忍の限界」?!

2014年05月24日 | 活動

昨日は佐世保市水道局による第3回説明会。

今回の質問は、24年度石木ダム再評価で示された新たな水需要予測の中の生活用水についてです。

 

将来の需要予測をたてるためには、まず過去の実績値のデータ分析をしますが、

その分析結果の表現に私たちは疑問を呈しました。

少ししか減ってないのに「激減」と書かれていたり、

横ばいなのに「増加」と書かれていたり、

表現が恣意的ではないかと指摘しました。

はじめ水道局は色んな説明をしながら、水道局の立場から見るとそのような見解になる。

決して恣意的なものではない、と答えていましたが、

その数値を水道局自身がグラフ化したものを見せ「これでも増加していますか」と問うと沈黙…。

 

続いて、

生活用水が全国平均より少ないのは市民が我慢をしており、一般的な受忍限界を超えている

という表現について、市民の意識調査をしたのかと弁護団が尋ねました。



水道局自体はおこなっていないが、

市がおこなっている意識調査の中の水に対する不満度があり、

平成19年度には14.1%、平成24年度には11.5%あった

としながらも、

その不満の要因は「水不足が心配」だけでなく「水道代が高い」とか「水が美味しくない」

とかも入っている

とのことで、全く根拠になり得ません。

 

ここで「石木川まもり隊」がおこなった街頭アンケートについて紹介し、

「水不足で困っているか」の問いに、9割以上が「困っていない」と答えたことを伝えました。

手元に資料がなかったので、94%という正確な数字を言えなかったのが残念!

 

また、Mさんご夫婦が

我が家では井戸水も使っているので水道の使用量は一般家庭の半分ほどです

うちの近所はほとんど井戸水を使っています」などと証言し、

ここでも「受忍の限界」という表現の不適切さが浮き彫りになりました。

 

明らかに意図的、恣意的な分析がなされ、

その結果としての需要予測は現実とは大きく乖離したものですが、

それを確認しても、県の時のような怒りの声はあがりませんでした。

なぜでしょう?

 

それは、水道局長はじめ職員の皆さんの発言の中に、

地権者の皆さんに申し訳ないという思いが、なんとなく感じられる。

口先だけでなく、そんな思いがにじみ出ている、伝わってくるからでしょうか。

県とのやりとりでは、ヤジを飛ばしっぱなしのMさんも、昨日は一言も無し。


地権者の話を真剣な眼差しで聴く水道局の皆さん

 

最後に地権者のお一人からこんな発言がありました。

「ここに来ると、水道局の職員の皆さんは誰もが私たちに挨拶をしてくれる。

 県の対応とは全然違う。県は挨拶もせんですよ。

 座ることもできない狭い部屋に押し込められて申し入れしたこともありました。

 皆さんも県に圧力をかけられているんじゃないですか?

 圧力に屈しないでください!」

 

会場からは拍手がおこり、ちょうど終わりの時間となりました。

 

次回もまた、実りある説明会となりますよう…



 


第3回 佐世保市水道局説明会

2014年05月21日 | お知らせ

お知らせします。

佐世保市水道局による第3回目の説明会が開かれます。

 

4月25日付第3回公開質問状に対する回答が5月16日付で送付されてきました。

各質問に対する具体的な数値や資料などは添付されていませんでしたが、

たぶん、説明会の中で提示していただけるのだろうと思います。

 

地権者も弁護団も、過去2回の説明会が「建設的・創設的な協議の場」だったと捉えています。

今回も、さらに有意義な場となるよう期待しています。

 

日程は以下の通りです。

 

日時:5月23日(金)15:00~17:00

場所:佐世保市水道局本庁舎4階会議室

 

市の水道政策に関心のある佐世保市民の皆さんだけでなく、

石木ダム問題に関心のある県民の皆さんも、

ご一緒に、水道局の説明をじっくり聴いてみませんか?

 


新聞テレビも伝えています 「中村知事 面談応じず」

2014年05月20日 | 報道

今朝の長崎新聞です。

 

西日本新聞はカラー写真入りで報じています。

 

読売新聞

 

毎日新聞

 

朝日新聞

 

NIB長崎国際テレビは、昨夜のニュースで、次のように報じました。

個別か集団か 面会方法で議論平行線

 知事との面会は「個別で」とする県と「集団で」とする地権者ら。両者の話し合いは19日も平行線をたどった。石木ダムの建設に反対する地権者らが19日、県に抗議文を手渡した。
 県のもとを訪れたのは石木ダムの建設に反対する地権者や弁護団など約40人だ。反対地権者らは19日、県庁で知事との面会を求めていたが「個別で話をしたい」として県側が拒否していた。地権者らは「弁護団なども含めた集団であれば知事との面会に応じる」として、改めて日程調整を求める文書を県に送る方針だ。県側は「文書を受け取った上で対応を検討する」としている。
 
 
KTNテレビ長崎
 
「全員で面談を」石木ダムの地権者などが県に抗議

 東彼杵郡川棚町の石木ダム計画に反対している地元の地権者などが、「中村知事は公開の場での面会に応じるべき」として、きょう県に抗議しました。 
 抗議のため長崎を訪れたのは、石木ダムの計画に反対している13世帯の地権者や支援者などおよそ50人です。地権者・岩下和雄さんは「私たちのダム建設に対する疑問に対し、誠実に説明をしていただきたいと思います」と挨拶しました。 きょうは 抗議文などを、県の浅野和広・土木部長に手渡しました。 石木ダムをめぐっては先月21日、中村知事が「事業への理解を求め生活再建策を相談する」として、現地を戸別訪問しました。 これに対し、地権者側は「県庁に赴いて全員で中村知事と面会したい」と希望しましたが、知事は「地権者一人ひとりに会う」として公開の場で団体で面会することを拒否していました。岩下和雄さんは「私たちが理解する説明をしてくれないから、こういうことになっているんですよ。一人ひとりが聞いて、自分のことに理解できると思えないので、みんなでそのことについて話し合うこそ理解ができるんですよ」と県の担当者に訴えました。 話し合いで、県側は「知事は、それぞれの世帯ごとに違った事情があるので、個別に話を聞きたいと話している」と応えるにとどまり、議論は平行線をたどりました。浅野和広・土木部長は「できれば知事に会って頂いて個別にお話ができたらと思っていますけども、(団体で会うことについて)ご意見はご意見で、一回持ち帰らないといけないなとは思っています」とこたえました。 対する地権者側は「個別の事情に配慮してもらわなくても良い」として、今月23日までに知事との面会日についての書面を県に送る考えです。

KTNは動画ニュースも今なら見れます。
http://www.ktn.co.jp/news/

 

各社の報道はその通りなのですが、「平行線」という言葉に少しだけ「?」を感じます。

確かに昨日のやりとりだけを見れば「平行線」のようですが、過去の県との面談から比べると、完全な平行ではなくなったように思います。

前回まで対応していたのは川内企画監一人だったのに、今回は河川課長と土木部長まで出てきました。

そして、川内企画監は、「お答えは控えさせていただきます」として、一切の質問に答えない方針でしたが、昨日の部長の態度はそうではありませんでした。

地権者の方の具体的な疑問に対しては答える必要があるとの前提に立って、その役目は知事ではなく、担当部署の方でやりたい、というものでした。

私は、大きな前進ではないか?と期待しているのですが…