石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

県立美術館に「川原」の写真

2016年08月30日 | お知らせ

一週間ほど前のこと、こんな招待状をいただきました。

今年のホタル祭りに初めて川原を訪れ、この美しい里と人々の暮らしをダムの底に沈めてはならない!との思いを強くしたそうです。

その思いを込めた写真を「県立美術館」に展示することが、私にとって県へのささやかな「抵抗」だともおっしゃっていました。

 

会場に着くと、若いお二人が、その写真をじーっと見つめていました。

邪魔しないよう少し遅れてゆっくり近づいていくと、お二人は、このメッセージを読んでいらしたようです。

 

黒﨑さんの眼を引いた川原の風景。

 

 

そして住民手作りの「ほたる祭り」に集い、楽しむたくさんの人々の笑顔。

 

こちらが写真を撮られた黒﨑さん。

JRP(日本リアリズム写真集団)の会員で、これまで『被爆者』『みのり園』(身障者施設)『諫早湾』などをテーマに撮影を続け、数々の賞を受賞され、県展などの審査員も。

写真展は9月4日までやっています。

お近くの方、良かったら覗いてみませんか。

 

今回の写真展は「第50回JRP長崎支部写真展」なので、黒﨑さん以外の方の写真も…

その中で印象的だったのは、松尾弘さんが撮られた古い白黒写真。

1967年の沖縄。「銃剣とブルドーザー」で土地を強制収用された住民たちの抵抗の姿。

「喜屋武 土地を守る会」の旗のもと、すっくと立っている男性の姿が川原住民と重なります。

 

白い点々はヘルメットでしょうか。人の頭です。すごい数!

沖縄ではありません。

ここは、なんと佐世保!

米海軍原子力空母エンタープライズがやって来た時の、あのエンプラ闘争の1コマだそうです。

佐世保にもこんな時代があったのですね・・

市民が、自分たちの暮らしを守るため、日本の未来を守るため、こんなにたくさん・・

 

あの頃と今とでは、何が違ってしまったのでしょう・・・ 

 

 


収用委員会、審理終了?

2016年08月27日 | 強制収用

8月25日に開かれた県収用委員会についてのテレビニュースです。

・今回も地権者側が欠席したので、県側だけの参加だった。

・梶村会長が審理の打ち切りを示唆した。

この2点について、各局が同じように伝えていました。

ただ、「収用委員会」についての説明がビミョーに違っていました。

このNBCニュースでは、

「収用委員会の審理は、公共事業をめぐる土地の収容が妥当かどうか、事業者と地権者双方から意見を聞くために開かれる手続きです」

と解説していますが、これは明らかに間違っています。 

長崎新聞の説明のように、

収用委員会とは、「土地家屋を強制収用する際の補償金などについて審理する場なのです。

「収用が妥当かどうかを審理する」場ではありません。

 

認定庁(石木ダムの場合、国土交通省九州地方整備局)が、事業認定(これは公益性の高い、必要な事業であるとのお墨付き)を与えた時点で、あまりにも短絡的に、収用は妥当と解釈され、収用委員会で決めるのは補償額や明渡し時期などに限定されてしまいます。

土地収用法で、そのように定義されています。

 

それでも石木ダム予定地の地権者の皆さんは、誠心誠意訴えれば、収用委員会の皆さんも、事業認定そのものがおかしかったことに気付き、県に何か提言して頂けるのではないかと考え、はじめの頃は収用委員会審理に出席していました。

しかし、収用委員会は事業認定には関知しないとして、地権者の訴えには何ら耳を貸さず、あっという間に4世帯の農地の強制収用が決まってしまいました。

土地収用法という法律は、あくまでも行政のために作られた人権侵害の法であることを悟り、それ以後はもう、出席しないことにきめたのです。

そういうことがテレビニュースからは伝わってこないのが残念です。

 

ニュース後半で、「住民らは、審理が開催されれば家屋の収用につながるとして出席を拒否」と、地権者の気持ちを伝えてはいますが、冒頭の収用委員会の定義が不正確だったので、「審理が家屋の収用につながる」というのが地権者の思い込みで、客観的事実ではないように聞こえてしまいます。

これまで深い関心を持って取材してこられたNBCさんだけに残念です。

 

前回の裁決は農地だけでしたが、今回は家屋が入っています。

審理を終え、裁決されれば、生活の場である家屋が奪われるのです。

その決定に向かう審理の場に、どうして地権者の方々が参加することができるでしょう?

 

収用委員会の皆さんにも今一度考えてほしい。

委員の皆さんの仕事は、収用する土地や家屋の補償額を決めることですが、その審理には、起業者と所有者双方から意見を聞かなければなりません。

しかし、所有者=地権者は出てこない。

そこで、欠席するのは地権者の勝手だからと、県側の言い分だけを聞いて裁決するのでしょうか?

そうすれば簡単かもしれませんが、あまりにも責任重大です。

今回、4世帯の家屋や宅地まで収用裁決してしまったら、残り9世帯についても同様の裁決をしなければならなくなります。

つまり、13家族54人の暮らしを委員の皆さんがが破壊することになります。

死刑宣告のようなものです。

そのような責任が負えるでしょうか?

 

できないものはできないと言ってほしい。

「双方の意見を聞かなければ補償額は決められない」と。

なぜ地権者はでてこないのか?

それは事業認定に納得していないから。

その取り消しを求めて裁判まで起こしている。

もしも事業認定が間違っていたということになれば、

強制収用などやってはいけないこととなる。

収用すべきでない土地の補償額を決め、その結果強制収用や行政代執行がおこなわれたら、取り返しのつかないことになる。

だからせめて、裁判の結論が出るまで、この審理は延期すべきである。

「審理終了」ではなく「審理延期」あるいは「審理中断」・・・ 

というような意見が、次回収用委員会で出されることを、密かに、

そして心から、願っています。


八ツ場ダム事業費720億円増額

2016年08月23日 | 他ダムのこと

今月12日、国土交通省関東地方整備局は、

「八ツ場ダムの建設に関する基本計画」の変更について

記者発表しました。

何が変更になったかというと、事業費です。

これまでの約4,600億円が、約5,320億円に見直されました。

つまり、720億円の増額です。

八ツ場ダムの場合、事業費の増額は3回目のようです。

1986年の基本計画策定時には、事業費は約 2,110 億円でしたが、

2004年に約 4,600 億円に倍増され、

今回の変更約5,320億円で、当初の約2.5倍の金額になりました。 

8月12日付の日経新聞には「計画のずさんさが改めて浮き彫りになった」と書かれています

 

それにしても、720億円!

石木ダムが2つ半も造れる金額です。

なんでそんなに増額するの?と思いきや、

「変更に至った理由」として、このように書かれていました。

事業が終盤を迎え、基礎掘削が概ね完了したことにより、事業の詳細な内容が概ね確 定したことから、コストの精査を行いました。 コスト縮減の工夫をしてもなお、前回計画変更以降の状況変化により、基本計画に定 める「建設に要する費用の概算額」(事業費)を変更する必要が生じたため、今般、基 本計画の変更を行うものです。

要するに、これまで示していたのは概算額であり、

コストを精査してみたら、誤算でしたーってこと。

で、その主な要因は、

地滑りなど安全対策(141億円)

地質条件の明確化等による変更(202億円)

公共工事単価の変化(233億円)

と書かれていますが、

②については、要は、地質を見誤っていたということでしょう。

そして、①も②も、地元をよく知る市民から強い懸念が示され、ここはダムの適地ではないと指摘されていたにも拘わらず国は工事を強行し、その結果、対策費が加算されていったのでしょう。

国交省は自分たちの認識不足、見込み違いによる誤算のツケを平気で国民に押し付けるんですね~

これからもっと増えるかもしれません。

③の工事単価の変化というのは、

建設資材や人件費の高騰、そして消費税の増税などのことで、

これは八ッ場ダムに限ったことではなく、当然石木ダムにもあてはまること

 

なのに、長崎県は全く工事費の変更については口にしません。

なぜ?

長崎県だけは資材が安く購入できる?人件費も以前のままで大丈夫?

そんなわけはありませんよね。

今はただ口にしないだけ。

公表の時期を選んでいるのでしょう。

おそらく、工事がある程度進んでからおもむろに…

ここまでやったらもう後戻りはできないな~

と県民が感じてくれる時期を測って発表するのでしょう。

 

今回の八ッ場ダムのケースを、少しでも多くの長崎県民に伝えたいですね。

 


茶色のダム湖~二風谷ダム

2016年08月19日 | 他ダムのこと

この写真を見て、一瞬、大雨による被害?と思ってしまいました。

どこかの堤防が決壊して、田畑が冠水してしまったのか、

あるいは、その畑の水が泥水となって川に戻ってきたところなのか…とか。

 

でも、違いました。

これはダムです。

洪水時でもなんでもない通常のダムです。

青色でも緑色でもない茶色のダム湖。

北海道にある二風谷ダムといいます。

アイヌの人々の暮らしと文化を犠牲にして造られたダムです。

 

そして、このダムは、完成後たった5年で堆砂容量を超える土砂でいっぱいになったそうです。

これ以上、土砂を溜め込まないよう、その上流に新たに平取ダムの建設を進めています。

そのダムができても、やがてそのダムも土砂でいっぱいになるでしょう。

大地も水も封じ込めようとする人間の傲慢さ。

 

今や清流「沙流川」は、泥の川となってしまいました。

もちろん魚業への被害も甚大です。

詳細はこちらをごらんください。

http://protectingecology.org/report/6462

 

二風谷ダムが完成したのは1997年。

10年後の2007年には1268万㎥の土砂が堆積してしまったそうです。

それは国交省の試算では230年で堆積するといわれていた量です。

 

国の予測や判断なんて、そんなものかもしれません。

石木ダムの治水効果や利水の必要性だって、全くいい加減なものなのに、

国交省は2013年、事業認定というお墨付きを与えてしまいました。

それを錦の御旗として、見直しもせず、ダム建設を強行しようとしている長崎県と佐世保市。

そして、住民の家も田んぼも生活も文化も、みんな水の底に沈めてしまおうとしています。

 

石木ダムの事業認定は取り消されるべきです。

国は恥を知るべきです。

自分たちの判断が間違っていないと言うのなら、

あんなに無惨な姿になってしまった沙流川を、まず清流に戻してください!

 

 


山本太郎議員視察の記事

2016年08月10日 | 報道

今日の長崎新聞です。

昨日8月9日は長崎県内のメディアにとっては特別な日。

新聞記者の皆さんは原爆関連の取材で大忙し。

こうばるにやってくる余裕はありませんでした。

唯一、長崎新聞の記者さんだけが、太郎さんの言動をしっかり見つめていました。

さすが地元紙!

おかげでスクラップ帳に残すことができました。