石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

立入調査の中止をおねがいします!

2014年12月25日 | 強制収用

え?

立入調査?

てことは、その後早い時期に再び裁決申請を予定しているってこと・・・・

ちょっと待って!今回対象となっている土地は宅地も含まれている!

それを、本気で強制収用しようってこと?

しかも、この時期に!

まもなくお正月を迎えようとしているこの時期に発表する?!

 

さらに今日の新聞にはより詳しいことが・・

この酷いやり方に呆れ、心から憤りを感じました。

私たち(石木川まもり隊+水問題を考える市民の会+山下千秋佐世保市議)は早速今日午前中、

朝長則男佐世保市長に立入調査の中止を求める申し入れをおこないました。

その文書(本文)は以下のとおり

 

報道によると、一部用地の裁決申請に続き、さらに一部用地の裁決申請準備にはいり、
来月中旬にも立ち入り調査を行う方針を明らかにしました。

佐世保市はこれらの手続きについては、県に委任していますが、白紙委任ではないとも
かねがね述べてきました。

今回の県の方針は、さらにもう一歩、強制収用に踏み込もうというものです。
私たちは反対地権者の強い決意をよく承知しています。このままでは、代執行による強
制収用という最悪の事態になりかねないことを危惧しています。
流血の事態をも想定せざるを得ません。

市民世論として石木ダム建設そのものにはまだ賛否が分かれるところはあるでしょう。
しかし、圧倒的市民の声は、「強制収用には反対」というものです。

ところが、今回の県の方針についても委任しているからと黙認することは、佐世保市も
また強制収用に加担したことと同じことです。

「強制収用までして石木ダムはいらないよ」という圧倒的市民の声に背くことです。
佐世保市長も任意の話し合い解決を望んできたはずです。
手続きも白紙委任ではなかったはずです。

いま、佐世保市長が県に対してとるべき態度は、「立ち入り調査計画を中止し、反対地権
者も納得のできるダム建設の必要性の話し合いを熱望しているのだから、話し合いに徹す
るべき」と意見を言うことです。

水道事業者には、本体工事等の着手前の適切な時期の評価を実施する責務があるとされて
います。いまこそ「再評価」すべきです。

 

申し入れ事項

1、2015年1月中旬予定の立ち入り調査は中止すべきと、長崎県に意見をあげること。

1、手続きの委任は、白紙委任を意味するものではないことを県との間で確認すること。

1、厚労省の通知にそって、いまこそ「着手前の再評価」をおこなうこと。

 

市長も副市長も不在とのことで、総務部長が対応しました。

ただ黙って聴いて、「市長に伝えます」と言うだけ。

立場上それはしかたのないこと。そう言うしかないわけで・・

だからこそ、せめて総務部長にわかってもらいたい!との思いで、私たちは皆一生懸命訴えました。

 

・先日おこなった署名活動でも、多くの市民が強制収用だけはしてほしくないと言っていた。

・行政代執行がもしもおこなわれたら、長崎県は日本中から非難されるだろう。

・佐世保の水のためにそこまでするとは、佐世保市民はなんて利己的なんだ!と思われるだろう。

・ダム建設着工前にはダム事業の再評価をしなければならないはず。
 市はまずそれをやって、ダムの必要性を今一度検討すべき。

・そして何より、正月明けの立ち入り調査など、住民を虐めるようなやり方は止めてもらいたい。

 

などと、素朴な市民の思いを伝えました。

総務部長以下5~6人の職員が立ち合っていましたが、どのような思いで聴いていたのでしょう。

個人的には理解してもらえたでしょうか。。

それを願いつつ、市役所を出ると、目の前の水道局の建物に掲げられた見慣れたメッセージが、

なぜかいつもより大きく見えました。。

 


今年最後の署名活動

2014年12月23日 | 署名活動

いつものアーケード街で、今年最後の署名活動をおこないました。

クリスマス前の休日とあって、人通りは多く、2時間で、364筆も集まりました。

寒い中、ご協力いただいた21人の皆様、ありがとうございました!

 

今回印象的だったことは、真剣に話を聴き、考えようとしていた人が3人もいたことです。

「・・・の署名にご協力をおねがいします」と声をかけても、ほとんどの人が知らん顔か、避けて通るか…

「ごめんなさい、急いでるので」「あ、もう署名しました」などと言ってくれると、こちらも笑顔になり…

「石木ダム?要りますよ、佐世保は水不足なんだから!」と言う人には資料を見せて説明したりしますが、

「それはあなたたちの考えでしょ?実際に仕事してる水道局の人が足りないと言ってるんだから足りないんじゃないの?」と疑いの目で見られたり、途中で遮られたり、

中には、「へー、そうだったの?それなら要らないね」と納得して署名してくれる人がごくわずか…

それが、これまでのパターンでした。

 

今回は、3人の方から「話を聞かせてください」と言われました。

「石木ダムねー、実は不勉強で何も知らなくて…教えてもらえませんか?」とおっしゃったのは40代ほどの男性。

こちらの話を一通り聞いた後で「じゃあ、どうして県はそれでも造ろうとしてるんですか」と突っ込んできたのは、70代ほどの女性。

自分からは何も言わないけど、興味津々で聞いているのが真剣な眼差しでわかったので「学生さんですか?」と訊くと「はい。やっと少しわかりました。ありがとうございます」と言ってくれた女子大生。

 

男性は、集会には行きたいと言ってチラシを受け取ってくれました。

こどものように「なぜ?」「どうして?」を繰り返していた高齢の女性は、意外にも署名をして「なかなか難しいと思うけど、頑張ってください」と声をかけてくれました。

女子大生にはこちらから「まだ署名はできないと思うから、家に帰って、この資料をじっくり見てくださいね。そして、この集会に来てね。ここでは弁護士の先生がもっとわかりやすく話してくれるから」と言うと、日時を確認して、「この日は行けそうもないけど、友達が行くかもしれないのでもらっていきます」と言ってくれました。

 

私の勝手な想像ですが、昨今のマスコミ報道のおかげかもしれない…

TV・新聞で頻繁に「石木ダム」のことが話題になると、気になるし、知りたいと思う。

「けんみんたより」や「水道だより」や「広報させぼ」を読むと、ダムは造るべきと感じるが、

ほんとのところどうなんだろう???

そんなモヤモヤを抱えている人が、増えているのかもしれないな~

 

そんな方は、是非こちらへ・・・

 

 


「不要ダム建設」の1つとして「SPA!」に紹介された石木ダム

2014年12月21日 | 報道

週刊「SPA!」12月23日号にこんな記事が掲載されています。

「不要ダム建設」が安倍政権で続々復活中

その例として、八ッ場ダム、平瀬ダム(山口県)、最上小国川ダム(山形県)、

そして、石木ダム(長崎県)について書かれています。

ライターの足立力也さんは、「このグラフはダムがいらないということを表す象徴的な例として入れました。誌面があればもっといろいろ載せたかったのですが…」とおっしゃっていました。

そして「八ッ場(首都圏)も一緒なので…」とも。

いずこも不要なダムを必要と言いくるめるためには、めちゃくちゃ過大な水需要予測を提示する、

それが共通の手法となっているようです。

 

その八ッ場ダムは、石木ダムとはケタ外れの予算。

無意味な事業に6千数百億円ものお金をつぎこもうとしているのですから他人事ではありません。

八ッ場は国営ダムなので、私たち国民の税金を無駄遣いする最たるものの1つですね~

 

平瀬ダムは石木ダムと同じ県営で、予算も350億円ほどと似通っていましたが、

安倍政権になって、総理のお膝元ということで、現在では740億円に予算が倍増!

治水効果がないので動きのなかったダム計画が急ピッチに動き出したようです。

 

「ダムがない清流」が最上小国川のブランドだった、そこに釣り客が大勢集まり地元経済に貢献してきた。

ダムができれば年間10億円もの損失になると近畿大学の研究チームは算出した。

 

などなど興味深い情報がいっぱいです。

関心のある方は、書店やコンビニで是非お買い求めくださ~い!

まだ売ってるのかな?こんな表紙です。

あ、SPA!から宣伝を頼まれたわけではありませんよー

ちなみに私はこれまで買ったこともありませ~ん。

でも、表紙からはイメージできない社会派記事もあちこちに・・・

意外でした。

 

 


佐世保市議会、全議員に聴いてほしい地権者の声

2014年12月17日 | 強制収用

今日で佐世保市議会12月定例会は終了しました。

私たちが提出した請願第65号(石木ダム建設計画地の収用裁決申請の撤回と断念を求める請願)については、

石特委員会同様、本会議でも不採択となりました。

ただ全会一致ではなく、賛成議員が4名(社民党3名+共産党1名)、過去3回の時と同じ結果です。

 

本会議では山下議員の賛成討論はありましたが、反対討論は何もありませんでした。

ということは、委員会で出された理由が、市議会全体の反対理由ということなのでしょう。

各会派に共通していたのは、

 ・すでに国によって事業認定されている=公益性が認められた事業である。

 ・県は法に則って手続きを進めている=法的瑕疵がない以上反対する理由がない。

 ・県は今後も最大限理解を得るべく努力すると言っている=それを信じ見守るべきである。

などの趣旨の意見でした。

 

しかし、「法に則って進められている」と言っても、その法は「土地収用法」であり、

土地収用法の上にある憲法には「則っている」と言えるでしょうか?

地権者の I さんは、それを委員に強く訴えていました。

公共の福祉に反しない強制収容は、幸福追求権を保障する憲法13条に違反することを理解して欲しいと。

 

委員会の委員だけでなく、佐世保市議会議員全員に聴いていただきたい内容でした。

I さんの御了解を得て、その意見陳述の原稿をここに掲載させていただきます。

 

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川棚の現地からやってきました。何の因果か物心付いた頃から石木ダム問題で苦しめられています。今、まさに人生の一大事、強制収用に直面しています。

専門家の方々の調査結果から、石木ダム計画は既に破綻していることがはっきりしました。必要がないダムのために苦しめられ、土地や家を取り上げられるこんなことが許されるでしょうか。私たちは何も悪いことはしていないのに、全くこんな理不尽なことがあっていいのでしょうか。

最近、マスコミが頻繁に石木ダム問題について取り上げますので、友人・知人が心配して、励ましてくれます。先日も佐世保の友人が電話してきました。彼は強制収用を危惧しておりました。彼は日本国憲法第13条を取り出して、憲法に規定されている権利が上位で、強制収用は憲法違反だから頑張れと言ってくれました。

憲13 :すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

ちなみに、今回強制収用されようとしている土地は、太平洋戦争(第二次世界大戦)中に日本海軍の強制収用を受けた土地であります。 

戦時中の強制収用は、明治憲法の下で行われたこと(強制収用)ですが、憲法13条をもつ現憲法の下でいとも簡単に行われてはならないと言っているのです。これが公共の福祉の名のもとで行われれば、法律による人権制限が容易に肯定されるおそれがあり、ひいては明治憲法における法律の留保の付いた人権保障と同じことになってしまうということです。

私たちが住む川原地区は13世帯60名の住民が一つの家族のような生活をしています。私たちにも個人として尊重され、生命、自由及び幸福追求の権利があるのです。日本国憲法の理念は、これが一番大事だとしています。憲法の根幹を成すものです。憲法第13条を理解できる人は、法を踏みにじる強制収用は絶対行ってはならないことがわかっています。

ましてや長崎県の知識人でもある中村知事は、「事業認定申請は話し合いを進展させるため」と言っていました。事業認定で私たちに脅しをかければ崩れると思っていたのでしょう。でも、私たちの反対が変わらないので、今度は収用裁決申請に踏み込みました。こうして、どんどんどんどん深みにはまり込んで引き返せない状況になっています。

その先に憲法第13条の壁があることを知らないのでしょうか。私はそんなことはないと信じていますが・・・。

 長崎県をこの呪縛(じゅばく)から解き放つすべはないのでしょうか。それには天の声しかないのでしょうか。いや、その前に議会人の皆様が、私たちが一貫して反対していること、その意思が変わらないことと憲法第13条をご理解いただき長崎県の暴走に歯止めをかけていただけるものと信じています。「石木ダムの強制収用を止めるのは今でしょ」と私は言いたいです。よろしくお願いいたします。

石木ダム計画地はいいところなんです。皆様は現地に来られたことがありますか。日本の原風景が残るところだとよく言われます。ダムは、先祖から引き継ぎ未来に手渡すべきこの素晴らしい私たちのふるさとを全て水の底に沈めてしまいます。究極の自然破壊です。そんなことは絶対許されません。

県民の方からよく「川棚町民は馬鹿だ」と耳にします。「川棚町のための水でもないのに、何でダムに反対せんとやろか。」という訳です。物言わぬ民・住民が多いのも事実だから、そうかもしれません。長崎県は一方的にダム建設を川棚町に押し付け、町民・住民同士を対立させ川棚町を疲弊させてしまいました。

佐世保市と川棚町は隣人同士です。仲良く暮らしていくのが当たり前です。長崎県と一緒になって川棚町民をそんなにいじめないでください。

 

 


収用委員会、現地調査と審理

2014年12月16日 | 強制収用

今日の収用委員会は、現地調査も審理も大勢の関係者(地権者&弁護団&支援者)やマスコミでいっぱいでした。

TV各局は夕方のニュースで一斉に報じていました。

例えばKTNでは、このように伝えていましたよ。http://www.ktn.co.jp/news/

東彼・川棚町の石木ダム計画をめぐり、県の収用委員会は、きょう建設予定地を視察し、買収が済んでいない土地の収用について審理しました。 
 石木ダムの建設予定地を視察したのは、県の収用委員会の委員を務める弁護士や不動産鑑定士などです。 委員は県側から説明を受けながらダム建設のため県が採決申請した土地や周辺の環境状況などを見てまわりました。 視察は5分程度で途中、収用予定地の近くに土地を所有する地権者が説明を加えようとしましたが県側の制止にあいました。 石木ダム建設絶対反対同盟・岩下和雄さんは、「私たちの意見も十分に聞いて、その上で判断してほしい」と話し、地権者の石丸勇さんは、「この農地を維持するためにどれだけの苦労があるのか、たった5分だけ見ただけで一方的な県の説明では分からない」と述べました。 
 視察後に開かれた審理で、県側は地権者への補償について説明しましたが、地権者側はダム事業に疑問があり、収用に反対していること、先祖代々受け継いだ代えがきかない土地であることを訴えました。 次回の審理は来年2月に開かれます。

 

ここに報じられているように、現地調査はほんとにあっけないものでした。

起業者である県の職員が収用予定の土地を指して何やら説明していますが、

メディアの記者やカメラが取り囲み、収用委員の全員がきちんと聞き取れてはいなかったはずです。

私のそばにいた方も委員のお一人でしたが、私には説明の声が聞こえませんでしたから。

また、仮に聞き取れたとしても、5分ほどの視察で何が理解できたというのでしょう。

何を調査したと言えるのでしょう?

現地調査とは形式に過ぎないものだと実感しました。

 

この調子では午後の審理も形だけのものに終わるのでしょうか…

と不安を覚えつつ、お弁当を食べて、会場へ。

審理開始前、1分間だけ撮影許可が与えられ、その後はメディアのカメラも退室。

録音録画は一切許されない状況で審理が始まりました。

 

まず県側から、手続きの経過や、裁決申請に至った理由などの説明がありました。

・文書や戸別訪問など100回以上にわたって事業への理解をお願いしてきたが、反対が根強く緒さえ見いだせない

・事業認定告示後も反対同盟など6団体からの公開質問状に対し、説明会を開いてきたが理解を得られなかった

・7月25日からの立ち入り調査も激しい阻止行動がおこなわれ、不測の事態を考慮して断念した

・解決の見込みがないと判断し裁決申請に踏み切った

 

まあ!ずいぶん手前勝手な説明だこと!と呆れていたら、

その後の所有者側からの意見陳述の際、平山弁護士は

・予告なしの戸別訪問や一方的なお願いはパフォーマンスにすぎない

・地権者側の質問に十分に答えていないし、説明会の実施もこのところ拒否されている

などの実態をきっちり伝えて反論し、本論に入っていきました。

・県側が示した補償額は、憲法29条3項に書かれている「正当な補償」に当たらない

・私有財産を収用するための要件「公共の福祉」とは言えない

・必要性なき事業によって地権者は全てを失おうとしている全面的な権利侵害である

 

続いて高橋弁護士からは、

・県が慣行水利権を不安定水利権と評価しているのは明らかなまちがい

・物には交換価値と使用価値があり、後者には一般的使用価値と主観的使用価値がある。

・所有者が手放したくないと言っている土地を無理やり奪うなら、そこには主観的使用価値を含めるべき

・その土地は所有者にとって、他の土地で交換できるものではない、先祖から受け継いだ代え難い土地である

 

魚住弁護士からは、石丸家の土地の評価に瑕疵があることが指摘されました。

その石丸さんの意見陳述は素晴らしかった…

収用委員も顔を上げて興味深そうに聞き入っていました。

・私は田んぼを作っている。その土地は先祖から受け継いだ思い入れのある土地で代替地を貰えばいいというものではない。

・お金が欲しくて言うのではないが、公衆用道路としてゼロ査定になっているところがある。

ここは田んぼの一部を道路にしたものだ。その先にお墓があるのでお墓にいくために道路を自分たちで造った。

ここを収用されたらお墓にも行けない。

・いわゆる赤道(あかみち=公図上で地番が記載されていない土地「無籍地」の一つで、 道路であった土地)だ。

戦前、この辺は人間魚雷の工場を造るために収用されてしまった。そのとき前の道がなくなってしまった。

・田んぼを作るには水が要る。周りの人がいなくなって(土地を明け渡し)今は私が一人で管理している。

その用水路がなくなれば、田んぼは作れない。

 

他にも数人の代理人からの意見陳述があり、それに対する反論はありますか?と訊かれましたが、

県側は、「この事業は土地収用法20条に基づいて認められたものです」と答えたのみでした。

つまり、県はその場で反論することができなかったのです。

そこで、

所有者からの意見書を来年1月16日までに提出、

それを読んで起業者からの回答を1月30日までに提出。

収用委員会から所有者への質問も同じく1月30日までに提出。

ということでまとまりました。

次回の収用委員会は2月です。

 

これで今日の目的達成です。

目的その1.ちゃんと話をきいてもらおう~

目的その2.審理を1回で終わらせない!

 

次回の目的は・・・それはヒ・ミ・ツ。