石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

収用委員会、そんなに急いでどこへ行く?

2016年10月12日 | 強制収用

今日は収用委員会が開かれ、第3次裁決申請に関する2回目の審理が行われました。

が、もちろん今回も地権者側は欠席です。

今回対象となっているのは、4軒の家屋を含むおよそ3万平方メートルの土地で、県側が土地の補償額などを説明しただけで終わったようです。

NBCニュースによりますと、

なぜ会場が野球場内の会議室になったのかと問われ、県収用委員会の梶村龍太会長は「会議室が他に空いていなかったため」と答えたようです。

(場所が無くても、どうしても今日開きたかったってこと?何をそんなに急いでいるのかな?)

KTNニュースによりますと、

今後は審理する件数が多いことから、収用委員会のメンバーが手分けして審理を開くことにしていて、14日は別の土地の審理が開かれるそうです。

(やっぱり急いでいますね~)

またNHKニュースによると、

梶村会長は、「地権者側には審理に出席して主張してもらいたい。私たちが現地に出向くことも考えている」と話していたそうです。


収用委員会の次の審理は、14日だそうですが、今度はどこでやるのかな?

 

ところで、今日は遠方からやってきた友人Nさんと水道局へ行くことになり、

バス停でバスを待っていると、

こーんなバスがやってきて、初めて見たNさんは大興奮。

乗るときは時間がなかったので、降りてすぐカメラでカシャ!

私もつられてパシャ!

バスが去って行ったので、いざ、水道局へ、と前を見たら、

ん?何かヘン。どこかヘン。何か足りない…

そう!いつものアレが無い!

コレです。

数年前に撮った写真ですが、私が佐世保に移住してきた8年前からずっと変わらず、

この場所に、この懸垂幕がありました。

それが無いなんて…どーゆーことでしょう? 

 

用件が終わった後で、ワクワクしながら尋ねました。

いつもの懸垂幕ありませんよね?

もう外すことにしたのですか? 

水道局職員曰く、

え?そうですか?ありませんか?

気が付かなかったな~ 

そう言えば・・・この前、台風が来るから外すとか言ってましたから、

そのままになってるのかな?確認しときます。

 

ガクっ! 

確認しなくていいので、ずーっとそのままにしといてください!

あの懸垂幕に怒っている市民はたくさんいるのですから。 

 

そう、そう、懸垂幕はありませんでしたが、電光掲示板はいつものように点灯していましたよ。

今日の貯水率です。

なんと、 99.5%

それを見たNさんが言いました。

こんなに水あるのに、やっぱりダム造るの?

お金がもったいないよ。

それよりさー、この水道局の建物を建て替えた方がいいんじゃない?

地震がくると危ないかも…

エレベーターも無いしさ、職員の人も可哀想。。

 

同感です! 

 


収用委員会、審理終了?

2016年08月27日 | 強制収用

8月25日に開かれた県収用委員会についてのテレビニュースです。

・今回も地権者側が欠席したので、県側だけの参加だった。

・梶村会長が審理の打ち切りを示唆した。

この2点について、各局が同じように伝えていました。

ただ、「収用委員会」についての説明がビミョーに違っていました。

このNBCニュースでは、

「収用委員会の審理は、公共事業をめぐる土地の収容が妥当かどうか、事業者と地権者双方から意見を聞くために開かれる手続きです」

と解説していますが、これは明らかに間違っています。 

長崎新聞の説明のように、

収用委員会とは、「土地家屋を強制収用する際の補償金などについて審理する場なのです。

「収用が妥当かどうかを審理する」場ではありません。

 

認定庁(石木ダムの場合、国土交通省九州地方整備局)が、事業認定(これは公益性の高い、必要な事業であるとのお墨付き)を与えた時点で、あまりにも短絡的に、収用は妥当と解釈され、収用委員会で決めるのは補償額や明渡し時期などに限定されてしまいます。

土地収用法で、そのように定義されています。

 

それでも石木ダム予定地の地権者の皆さんは、誠心誠意訴えれば、収用委員会の皆さんも、事業認定そのものがおかしかったことに気付き、県に何か提言して頂けるのではないかと考え、はじめの頃は収用委員会審理に出席していました。

しかし、収用委員会は事業認定には関知しないとして、地権者の訴えには何ら耳を貸さず、あっという間に4世帯の農地の強制収用が決まってしまいました。

土地収用法という法律は、あくまでも行政のために作られた人権侵害の法であることを悟り、それ以後はもう、出席しないことにきめたのです。

そういうことがテレビニュースからは伝わってこないのが残念です。

 

ニュース後半で、「住民らは、審理が開催されれば家屋の収用につながるとして出席を拒否」と、地権者の気持ちを伝えてはいますが、冒頭の収用委員会の定義が不正確だったので、「審理が家屋の収用につながる」というのが地権者の思い込みで、客観的事実ではないように聞こえてしまいます。

これまで深い関心を持って取材してこられたNBCさんだけに残念です。

 

前回の裁決は農地だけでしたが、今回は家屋が入っています。

審理を終え、裁決されれば、生活の場である家屋が奪われるのです。

その決定に向かう審理の場に、どうして地権者の方々が参加することができるでしょう?

 

収用委員会の皆さんにも今一度考えてほしい。

委員の皆さんの仕事は、収用する土地や家屋の補償額を決めることですが、その審理には、起業者と所有者双方から意見を聞かなければなりません。

しかし、所有者=地権者は出てこない。

そこで、欠席するのは地権者の勝手だからと、県側の言い分だけを聞いて裁決するのでしょうか?

そうすれば簡単かもしれませんが、あまりにも責任重大です。

今回、4世帯の家屋や宅地まで収用裁決してしまったら、残り9世帯についても同様の裁決をしなければならなくなります。

つまり、13家族54人の暮らしを委員の皆さんがが破壊することになります。

死刑宣告のようなものです。

そのような責任が負えるでしょうか?

 

できないものはできないと言ってほしい。

「双方の意見を聞かなければ補償額は決められない」と。

なぜ地権者はでてこないのか?

それは事業認定に納得していないから。

その取り消しを求めて裁判まで起こしている。

もしも事業認定が間違っていたということになれば、

強制収用などやってはいけないこととなる。

収用すべきでない土地の補償額を決め、その結果強制収用や行政代執行がおこなわれたら、取り返しのつかないことになる。

だからせめて、裁判の結論が出るまで、この審理は延期すべきである。

「審理終了」ではなく「審理延期」あるいは「審理中断」・・・ 

というような意見が、次回収用委員会で出されることを、密かに、

そして心から、願っています。


9世帯の家屋を含む土地の裁決手続き開始

2016年07月29日 | 強制収用

7月28日の長崎新聞の記事です。

7月26日付で、県収用委員会は、石木ダム建設予定地の9世帯の家屋を含む未買収地約9万㎡の裁決手続きを開始したということです。

つまり、これで、こうばる13世帯の家屋の全てが強制収用のための手続きが開始されたということです。

何が何でもここにダムを造る。

住民がどんなに反対しても、お上が決めたことは絶対なんだ、従うしかないのだ、反対すればこうなるのだと言わんばかりの強引さです。

なりふり構わず、わき目もふらず、ブレーキの壊れた列車のように、引かれた線路の上をひた走る長崎県。

この異常さに何故気づかないのか?

どうすれば気づくことができるのか・・・

 


県「裁決申請」 全ての土地の収用に向けて

2016年05月11日 | 強制収用

石木ダム事業で県「裁決申請」 収用対象 全てが手続きへ

NBCニュース

 

長崎県は11日、ついに残り9世帯の家屋や土地を強制収用するための「裁決申請」を行いました!

これで、こうばる13世帯全部の土地を強制収用するという意志を明確にし、そのための手続きに入ったのです。

 

今回新たに収用採決を申請した土地はおよそ9万平方メートル。

そこには、あの川原公民館も含まれています。

川原住民の会議室であり、集会所であり、宴会場であり、イベント会場でもある、名物公民館です。

 

毎月5団体による連絡会議もここでやります。昨日もやったばかり。

先月はピースボートのお客様がやってきましたが、どんなお客様でも、団結料理で大歓迎。

知事や国会議員がやって来た時も、ここで意見交換。

こうばる住民の、笑いと怒りがいっぱい詰まった心臓部なのです。

 

そんなこと、県は「知ったこっちゃない」と言わんばかり。

何が何でも造る!ということのようです。

現在審理中の4世帯の家屋を含む、およそ3万平方メートルの土地も、まもなく裁決が出るのでしょうか?

 

記者会見で県土木部の吉田慎一次長は、

「歩み寄れる部分を模索するなかで、もしかすると一度に解決することも淡い期待を持っている」

と語ったようですが、本気でそんなことを考えているなら、よほどおめでたい方ですね~

というか、学習能力、理解力、推察力の乏しい方と言わざるを得ません。

 

こうばる住民の覚悟のほどがなーんにもわかってない!

半世紀の時の重みもなーんにもわかってない!

闘いはこれから・・・

 


収用委員会、場所を変えて強行

2016年03月16日 | 強制収用

今日は7回目となる収用委員会の日。

会場は長崎振興局の2階会議室。

会議室前には朝から地権者や支援者たちが集まっていました。

下で待機する収用委員たち。

一度だけ会長たち数名が階段の途中までやってきて、

「委員会を開催させてください」「補償に関する意見を聞かせてください」と懇願。

もちろん通すはずもなく、数分で諦めて下りて行きました。

そして、10時過ぎ、委員の入場を妨害され審理が開けないとして、

「午前の会議は中止します」「午後は予定通り」と言い残し去って行きました。

 

そして2時間半後、再び現れた県職員を見下ろしていたら・・・

 

一人にこやかな表情の職員が・・・。そして何人もの地権者が声をかけます。

「あんたには苦しめられたけんねー、黙って行ったらいかんよ。一緒に飲もうでー」

「もうすぐ桜も咲くけんで」

「いやー、静かに行かせてくださいよ」

地権者と軽口をたたき合っているのは、石木ダム建設事務所長の古川氏。

6年間も所長を務め、この春定年退職する彼を温かく追い出そうとする地権者の皆さん。

 

心の中がほんわかしてきたところへ、

収用委員会から突然、会場変更の通告。

2~3人の職員以外は、古川所長も含め皆、引き揚げていきました。

なるほどね~

そういう手があったんですね~

どうしたら会場に入れるか?

ここでと言っておいて、離れた場所に急きょ変更する。

反対派が駆けつけても、その時すでに遅し。委員は会場入りしてしまってる。

とこういうシナリオだったんですね~

怒って詰め寄る地権者たち。

妨害される以上仕方がないと説明する職員。

 

確かにそうですよ。

妨害していますよ。収用委員会が開かれないように。

でも、それは当然でしょ?

「審理」の開催は家屋の収用につながるのですから。

審理は収用が前提で、その補償額と明渡し時期を決めるためのものですから。

地権者が協力できるわけないじゃありませんか。

 

私たちは職員の方々に恨みはないのです。

でも、協力はできないのです。

必要のないダムのために土地を奪うような行政の横暴は許せないからです。

 

地権者の女性たちが2人の職員を取り囲んで訴えていました。

うったちはね、安心して暮らしたかと。

お金は何も要らんと。

少ない年金でゆっくり暮らしたいだけ。

あんたは何年生まれね?昭和46年?

あんたの人生以上の長い間、うったちはこがん闘いば続けとっとよ。

自分たちの生活を守るために。

そうやって闘いを続けながら、何人死んでいったか知らんやろ?

 

一職員に言ったところで何がどうなるものでもないのはわかっている。

わかっているけれど、言わずにはおれない想いが、彼に伝わったでしょうか?

無表情だったけれど、たぶん心に刺さったはず・・と思いたい。

この地権者の思いを少しでも理解して、何らかの形で知事に伝えてほしい。

直接伝えてほしい。

 

地権者の妨害をどうかわすか、防ぐか、なんてことを考える前に、

なぜ地権者がここまで妨害を続けるのか、

その意味をまず考えるべき!

 

結局今日は、地権者欠席のまま審理は開かれ、県側は、2世帯の家屋の明渡補償額を提示。

裁決から180日以内に家屋を明け渡すよう求めたそうです。