石木川まもり隊

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ここにダムは要りません

どんなことをしてでもダム継続!?

2012年02月06日 | ふむふむ、なるほど

10日ほど前の記事ですが、京都新聞に掲載されたダム関連の記事をご紹介します。

「官僚たちの八ッ場ダム」

文字が小さくて読み辛いと思います。こちらにpdf版もあります。

http://www.ookawaramasako.com/wp-content/uploads/2012/01/

 

筆者は、宮本博司さん。

元国交省官僚で河川行政一筋に取り組んできた方。

淀川水系流域委員会の委員長でもありました。

その宮本さんが、こう言っています。

官僚たちにとって八ッ場ダムは、

何年かかろうが、どんなことをしてでも継続しなければならない」事業だったと。

だから、大臣が中止宣言をしても従うわけがない。

大臣の言葉は「とりあえず神棚に上げておいて」、官僚たちは粛々と準備を進めた。

水没住民に対して、

「ダム建設が中止になれば生活再建ができなくなる」と発信し、

住民を怒らせ、自治体首長に中止反対の声をあげさせる…

それは優秀な官僚たちにとって「お手の物」のことだと。

そして困った大臣の中止宣言を神棚から下ろす仕掛け、それが有識者会議だったのです。

 

<今後の治水のあり方に関する有識者会議>

「ダムに依らない治水を目指す」といいながら、大半をダム容認の御用学者で占め、

会議は非公開で行われ、まとめられた検証手続きは、目標とは正反対のもの。

この手続きに沿って、八ッ場ダムだけでなく検証対象となった全国各地のダムが、

検証の結果、「事業継続」「ダム案が最良」「やはりダムしかない」などとお墨付きをもらっている。

石木ダムもまさにその一つです。

長崎県は昨年7月、事業継続の方針を国に伝えました。

なぜかまだ有識者会議にはかけられていませんが、そのうち・・・

 

宮本氏はこう結んでいます。

その結果、住民の命を守るために優先的に実施されなければならない対策が後回しにされ、

無残に川の命が奪われていっている。
 
八ッ場の結末は、

八ッ場を超えた極めて深刻な問題であることを重く受け止めなければならない。

皮肉にもダム建設に批判的であった民主党の政権時代に、官僚の思うがままに、

ダム建設に強力なお墨付きを与える仕掛けをつくってしまった私たち世代は、

子供や孫に顔向けできない大きく、取り返しのつかない罪を犯した。

慙愧に耐えない。(樽徳商店代表取締役)

 

かつて官僚であった宮本氏の言葉だからこそ、深く強く胸に響きます。

 

ところで「樽徳商店」って?と思い調べて見ると・・

宮本氏が官僚を辞めて継いだ家業のお店の名前。

明治5年の創業、元々は酒樽のお店だったのですが、

時代の変遷と共に、ポリ容器や科学機器、包装資材を扱う商店に変わっていったようです。

で、宮本氏の夢は、本物の木の樽の復活だとか。。。 

  


田んぼダム

2012年02月02日 | ふむふむ、なるほど


毎日新聞 2012年2月1日 新潟版の「田んぼダム」の記事をご紹介します。

「田んぼダム」ってご存知ですか?

私は初耳だったので、検索してみたら、次のように書かれていました。

たんぼからの排水量を調整し、たんぼの水位を上げて、雨水などをダムのように一時的にたんぼに貯め、水路や川の水量を急激に増やさないようにするための取り組みを「たんぼダム」と言う。

平成14年度に新潟県の旧神林村(村上市)から取組が始まり、新潟大学農学部の研究も進み、県内では近年かなり注目されているようです。

水源連のMLの中で、「環境会議・諏訪」の塩原氏は、次のようにコメントしていました。

「田んぼダム」という発想はとても大切なことだと思います。
井上ひさしさんが言っていましたが、日本では(その当時)田んぼはダムの2倍の貯水量があると。
これを有効に使えば(理論的には)ダメなどいらなくなるはずです。

では、以下が記事の本文です。



「減災」を考える:新潟・福島豪雨から半年/下   田んぼダム /新潟


◇排水制限で洪水防ぐ 道路も活用「多重防御」

既存の構造物を利用し、水害を減らしていこうとする取り組みが進んでいる。その一つが、豪雨時に田んぼから流れ出る水の量を制限して水をため、周囲への洪水被害を防ぐ「田んぼダム」だ。

田んぼダムは、元々旧神林村(現村上市)で行われていたもので、ここ数年で他の市町村にも広まってきた。県によると、現在、同ダムとなっているのは、県全体の田んぼの耕地面積の約6%にあたる9203ヘクタール。東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせた面積(100ヘクタール)の92倍に上る。

方法は、田んぼの排水口に板をつけ、すき間や板に開けた穴からの排水のみに絞るという、いたってシンプルなもの。稲への影響も少なく、「白根郷土地改良区」で、4年前から普及に取り組む河内一男理事長(69)は「誰でも簡単に取り組めるのがメリット」と話す。

新潟市南区と加茂市の一部にかかる白根郷は堤防に囲まれた低地の輪中地帯。総面積は7460ヘクタール。このうち田んぼの面積は4500ヘクタールで、排水は、通常時から、排水路を通じ近くを流れる中ノ口川へポンプでくみ出している。

ダムとなっているのは、田んぼの約62%にあたる2795ヘクタール。昨夏の豪雨時には、中ノ口川の氾濫を防ぐためにポンプが止められ、郷内で水があふれる被害が発生することが懸念されたが、最大で約1000万トンをため、緩やかに水を流すことができたという。

「これがなければ、浸水被害はさらに広まっていただろう」と同改良区の外石満計画課長(54)は分析。河内理事長は「今回豪雨の検証を踏まえ、この手法をまだ実施していない白根郷の人たちにも定着させていきたい」と意気込む。

□ □

豪雨が続いていた昨年7月29日午後5時ごろ、三条市下大浦の同市下田下水処理センター前。男性職員(33)は、目の前にある約1メートルの高さの道路が、田んぼからあふれた水をせき止めている光景を目にした。

県は今後、こうした一定の高さのある道路を補足的な堤防の「二線堤」としてとらえ、整備を進めていく方針を決めた。県の豪雨対策検討委員長を務めた金沢学院大大学院の玉井信行教授(河川計画)は「川は川、道路は道路と縦割りになっていたところを連携させたい」と話す。

東日本大震災で津波の被害を受けた仙台市沿岸部では、南北に走る有料道路「仙台東部道路」が、堤防の役割を果たし被害の拡大を防いだ。玉井教授は「役立つものがあれば活用していき、『多重防御』を図ることが重要だ」と指摘する。【畠山哲郎】


http://mainichi.jp/area/niigata/news/20120201ddlk15040056000c.html