石木川まもり隊

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ここにダムは要りません

市民報告集会~再評価の実態と問題点~

2013年02月28日 | 石木ダム事業再評価

今回は、集会の告知記事がどこにも掲載されなくて、

人が集まってくれるかな~とやや心配でしたが、

開会予定時刻になる頃にはほぼ満席となり、Y子さんの司会で始まりました。

 

まずはじめに、山下市議から、

今おこなわれている再評価の概要と、石木ダムの進捗状況、石木ダム反対の意義などについて

パワーポイントを使って、わかりやすく解説していただきました。

 

その後バトンタッチして、私からは、

佐世保市が今おこなっている再評価のどこがどう問題なのかについて、

具体的な話をさせていただきました。

 

主なポイントとしては、

1.過去3回の再評価においては、再評価のための第三者委員会を設置して審議してきたのに、

  今回は再評価委員会を設置せず、常設の「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」

  に諮問した。  安直な間に合わせの委員会である)


2.しかも、同委員会の委員8人中4人は明らかな石木ダム推進派で、第三者委員会とは言えない

  3人は「石木ダム建設促進佐世保市民の会」構成団体の役員で、

  1人は「石木ダム建設促進川棚町民の会」で、町の活性化には石木ダムが必要と講演した人


3.平成16年度の委員会においては、再評価のやり方に対する大きな問題意識が示された。

  「説明を受ける資料はすべて事業者側が出して、それで判断するとなっており、

   委員が反対や中止などの意見を言うためには、

   事業者の出した資料を否定する資料を自分で作らないといけないから、

   (それは現実的には無理で)事業者が出した資料に沿った結論にしかならない。

   こういう再評価委員会のあり方は、考えてもらわないといけない。

   いろいろなデータ(事業者側とは別のデータも含め)は公開して、ちゃんと伝えて欲しい」

   貴重なご意見と受け止め、「市民の手による石木ダム検証」の資料を提出したが、

   今回の委員の方々は一顧だにしなかった(完全無視!)


4.前回(19年度)の再評価においては、実現の可能性について疑問が投げかけられた。

  「当該事業に着手以来すでに30年が経過し、今後、進捗のないまま年を重ねるにも限度がある、

   どこかの時点で実現の可能性を判断し、場合によっては、別の道を探る必要があるとの意見も

   一部委員にあるので、重要な意見として特に付記する」

   この意見を無視したまま5年間が過ぎ去ったので、

   今こそ実現性をしっかり判断しなければならなかったのに、今回もその検証はされなかった。

 
5.第1回委員会(1月22日)の問題点

  ・非現実的な水需要予測(26~27年度に2万トン近く急増している)

   信ぴょう性のある根拠は何もなく、ただ4万トン不足するというための数合わせにすぎない

 

    

   
   

 この点をよくわかっていただくために次の3つのグラフを掲げました。
 

    

このグラフでわかるように、佐世保地区の給水人口はどんどん減っていきます。

人口が減るってことは、水の使用量も減るはずなのに・・

    

あれれ?生活用水は今より少し増えて、以後は横ばいです。

業務・営業用水は平成30年度まではぐんぐん増えて、以後は横ばいですね。

どうしてでしょう?

平成29年度が石木ダム完成予定年度だからかな~

それまでに、水需要を増やさなければならないからかな~

そして、問題はこれ!
 

    

この異常な急増。

工場用水が1年間で3倍も!?

これについての詳しい話は、時間の関係で省略し、


6.第2回委員会(2月21日)の問題点

  ・14の代替案を抽出したが、うち13はことごとく可能性を否定

  ・海水淡水化だけを代替案として検討したが、漁業への影響やコストの問題等で、

   石木ダム案よりも劣ると結論づけた

  ・ため池の活用や水利権の転用など可能性はいろいろあるのに、すべて無視

  ・費用対効果も渇水になった場合の被害額を大きく見積もることにより、利益を過大に算出

   既存水源能力を77,000トンに設定したことが原因で、今有る水源の切り捨ては大問題

  ・だから石木ダムしかないという再評価案を今回もあっさり承認

 

などをかいつまんで話して、私からの話を終了しました。

 

その後、質疑と意見交換の場では、これまでになく活発な質問や意見が出され、

司会のY子さんは、交通整理がたいへんでした。

 

一番関心が高かったのは、やはり工場用水についてで、

「今回の工場用水の急増の原因はSSKにあると聞いたのだが・・」との質問があり、

こちらのグラフを提示しました。

    

 

SSKの経営方針転換により、修繕船の売上を2倍に伸ばす予定だということ、

修繕船は船体の洗浄に水をたくさん必要とするそうで、

でもなぜか給水量は2倍ではなく5倍近く膨らんでますね~と言うと、

「そんなことは有り得ない。今、修繕船の受注も大変で2倍などとんでもない」

「2倍どころか、株価も低迷、潰れるんじゃないかとの噂も・・・」

「水は節水に心がけているし、そんなに何倍もの水道代は払えないはず」

等々、SSKのOBさんたちが口々に証言してくださいました。

 

そこで、私は、その日入手したばかりの、三菱重工長崎造船所の水事情について紹介。

同造船所では、水道用水の使用は飲料用のみ。

あとはすべて工業用水と再生水でまかなっている。

井戸水を、工業用水、風呂、トイレなどに使用し、

使用した水を回収し、3次分解して再生水として使っている。

 

みんなたいへん感心して聞いていましたが、

「船の洗浄は再生水ではできない、塩分を嫌うので、真水でないと・・」

と、またもやSSKの方。

 

しかし、今日、電話で聞いた三菱関係者の情報では、

「船を洗浄した汚水が港の水質を悪化させるというので、

最近では沖合に停泊させ、海水で洗うようにしてるそうですよ」とのことでした。

 

う~ん、素人にはなかなか判断が難しいですね~

同じ造船所なのに、どうしてこうも違うんだろう?

SSKは米軍や自衛隊艦船の修繕をするので、うるさいのだろうか?

あくまでもかってな推測ですが・・・

 

その他の意見としては、

・こんないい加減な再評価をされて、市民としては、訴えるべきではないか。

・石木ダムができたら、水道料金はどれだけ値上げされるのか。

・もっと多くの市民にこのような情報を伝えなければ…。討論会など企画して欲しい。

・石木ダムについて何もわかってない議員が多い。議員との意見交換会などもやるべき。

等々、背中を押されるような助言もたくさんいただきました。

 

たいへん有意義な集会となりました。

ご参加の皆さん、本当にありがとうございました。