石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

秋晴れの下、こうばるで稲刈り

2016年10月09日 | 川原

昨日の大雨が嘘のよう…爽やかな秋晴れ。

お、もうやってますね!

今日は「こうばる田んぼのオーナー」の稲刈り日です。

こーんな看板が立っていますが、

県にも国にも土地を売った覚えのない地権者は、今年も田植えをし、草取りをし、

大切に稲を育ててきました。

そんな地権者を応援して、一緒に農作業をお手伝いしながら、収穫したお米をゲットする…

それが「こうばる田んぼのオーナー」です。

今日は10人ほどのオーナーさんがやってきて、こうばるの皆さんに教えてもらいながら、楽しく稲刈り。

見るは易し、行うは難し。

私は昨年に続き2回目の経験ですが、皆さんのようにカマでスパッとは切れず、

相変わらずゴリゴリやって、笑われました。トホホ・・・

刈った稲は、5~6束ずつ稲藁で束ねていきますが、これがまた難しい。

私たちがやると、仕上げがゆるゆるに・・・。

 

ゆるゆると言えば、今日の田んぼもゆるゆる。昨日の雨で湿ったままです。

泥濘に足を取られたり、短い靴では歩けないほど水が溜まっているところも。

その歩きにくさに、田植えの時のことを思い出しました。

あの時は一歩一歩がひと苦労だったな~

足が抜けなくて力いっぱい引き抜いた途端、

みごとに尻餅をつき、半身泥だらけになったっけ…

などと思い出すうちに、たしか私この辺で植えたよな~

このたわわに実った稲穂は、もしやあの時、私が埋め込んだ稲の苗かも…

そう思うとなんだか嬉しくなってニンマリ。

稲を刈る手にも力が湧いてきました。 

刈り取った穂先が水に浸からないよう、なるべく乾いたところに移動させ、束ねる作業中。

トン、トンと木槌の音。

それは木の棒をしっかり地面に打ち込む音でした。

☓印交差させたところに長ーい木の棒を横に掛け、ロープで固定します。

そうやって出来た稲掛けに稲束を二段に干していきます。

一段目を干すときは、稲束を七三に分けて、向きを交互に掛けていき、

二段目は半分に分けて干すのがコツだそうです。

こうばるの皆さんは、リズミカルに手早く美しく掛けていき、

触ってみると、稲もしっかり固定されていますが、

私たちがやると、デコボコ、ふらふら。

何事も経験ですね~

経験の積み重ねが美しいもの、素晴らしいもの、美味しいものを生み出すのですね。

 

経験の積み重ねとは、時間の積み重ねでもあります。

「こうばる」に流れた時は、美味しいお米だけでなく、

ここにしかない味わい深いものをたくさん生み出してきました。

こうばるの風景であり、暮らしであり、人々の生き方そのものです。

残したい。

失ってはいけない大切なものが、ここには詰まっている。

新米のおにぎりと漬物を噛みしめながら、その思いは深まるばかりでした。

 

中村知事や朝長市長にも、このおにぎりを食べてもらいたいな~

来年は一緒に田植えや稲刈りを経験してもらいたいな~

ここで。

そうしたら、きっと気づくはず。

石木ダム?早くストップしなくっちゃ…と。

 

 


山本太郎参議院議員、こうばるへ!

2016年08月09日 | 川原

今日の最高気温は36度。

猛暑日の昼下がり、こうばるの皆さんは大きな木の木陰に椅子を並べて、この方を待っていました。

この方とは、参議院議員の山本太郎さんです。

案内してくれた末次さんと一緒に、真剣な表情で岩下さんの話を聞いていました。

石木ダムは必要性の無いダムであること、

住民の合意無しには造らないとの覚書を交わしたのに、それを無視して進めていること、

私たち反対住民の土地に対する強制収用が始まっていること、

収用された土地の補償金も受け取っていないのに税金がかけられていること、

等々の話に驚く太郎さん。

他の地権者の皆さんからも訴えかけました。

強制収用されても私たちが動かなければ行政代執行をかけるしかない。

そこまで県はするのか。

一番良い解決方法は、事業認定を国が取り下げること。

長崎県は土建行政をやってきた。国交省や関係する国会議員との結びつきが強い。

知事の一存では動かせないのだろう。

国を動かせる政治家の力を借りたい。

長崎県の無茶苦茶な流れを止めるには「天の声」しかない。

私たちも頑張るが、国交省を動かす政治家の力が欲しい。

そういう声があちこちから上がってきたところで、残念ながらタイムリミットとなりました。

太郎さんは末次さんに促され、席を立ち、

「ダムのことは不勉強なので、これから勉強させてもらいます」と言って、

次の会場の佐世保に向かいました。

 

中途半端に終わって、地権者の皆さんには大変申し訳なかったのですが、

でも、太郎さんも末次さんも本当にタイトなスケジュールの中、こうばるに足を運んで下さいました。

これ以上の時間オーバーはできませんでした。

今日の訪問がきっかけとなって、いつか本格的にこうばるを訪ねてくださることを切に願っています。

 

さて、アルカスSASEBOのイベントホールは、ほぼ満席。

政治セミナーというと男性が多いのかと思っていたら、

けっこう若い女性が多くて意外でした。

山本太郎さんの話が聞けるからか、

それとも主催者の末次精一さんの後援会は、若い女性が多いのか・・・?

 

その末次さんの開会の挨拶では、

この国をおかしくしているのは既得権益。

わずか1%の人々の利益を守るために国が動いている。

既得権益を是正していかねばならない。そのために私は闘い続けます…と。

いよいよ太郎さん、登場です。

長崎への思い、オバマ大統領の広島訪問について、安保法制について等々幅広くいろんなお話をされました。

その後の質問コーナーで、なぜ芸能人を止めて政治の世界に入ったのか?と問われると…

 きっかけは、あの原発事故です。

僕はわりと環境問題には関心があったので、事故の10年程前から、

サイト上で原発の危険性はある程度知っていた。

でも、その危険性をカバーする技術力があってやっているのだと思っていた。

よく5重の壁とか言いますよね。そういう説明を信じていた。

でも、2011年、事故が起きた。ヤバイと思った。

時々デモに行ったけど、カメラを見つけると顔を背けて映らないようにしていた。

芸能人だから。仕事がなくなると思ったから。

しかし、5月、文科省が子どもの被ばく限度を、年間1mmシーベルトから20mmシーベルトに変えた。

チェルノブイリでは、今でも年間5mmシーベルトで避難区域になっているのに…。

その時、ほんとにヤバイと思った。

もう隠れるのは止めて、前に出ようと思った。

そしてカメラの前に出るようになったら、ほんとに仕事がなくなった。

と語り、その結果に満足しているように感じられました。

 

石木ダムの話が全く出なかったのは残念ですが、

ダムのこと何も知らないとおっしゃる太郎さんにその話を求めるのは酷ですし、

生半可な知識で政策を語るような方でないってことがよくわかりました。

 

原発問題同様に、ご自身が気付き、学び、本当に実感された時には、

きっと強く、発信されることでしょう。 

 

今気づいたのですが、早速ツイッターで発信されていました。

 https://twitter.com/yamamototaro0/status/762961492580806656

 

 


ピースボート再びこうばるへ!

2016年08月05日 | 川原

午前11時、阻止行動をやっているゲート前に1台の大型バスが!

長崎県営バスから降り立ったのは…

ピースボートのご一行様。

春のツアーでも「こうばる」を訪ねてくださいましたが、お客様にとても好評だったそうで、

今回もオプションコースとして募集したら、予想以上の参加者だったとか。

まずは、地元案内役の岩下さんの説明を聞き、

続いて、ゲート前で座り込みをしている人たちのもとへ。

皆さん、興味津々でいろいろ質問していましたよ。

最後は、ゲート前で記念撮影。

権力に負けない長年の闘いの現場を見て、元気をもらったとおっしゃってました。

とはいえ、今日もうだるような暑さ。

炎天下を歩きながら説明を聞くのは、本当にお疲れだったと思います。

 

お昼の会場に到着した時には、その涼しさに皆さん大歓声。

流れる水に素足を浸し、一休み。

そして、そうめん流しの始まりです。

今回のこうばるへのツアー客の半分は韓国からの方で、

聞いてみたら、韓国ではそうめん流しなどないとのこと、初めての体験に大喜び。

こちらは、その韓国の通訳の方。

本当に楽しそうに、そうめんを追いかけていました。

 

そうめん流しが終わると、各テーブルには、こうばるの皆さんも加わって、

賑やかな談笑の輪が広がりました。

やっぱり、若者は若者同士で話が弾んでいます。

シールズの奥田さんにはラッピングバスのコピーでお世話になったのですが、

実際にこの地を見て、歩いて、川に触れて、地元の人と語り合ってもらって、

本当に良かった・・・

 

そして、参加者の皆さんから「来て良かった」「今回のツアーで最高の場所だった」

との言葉を頂いて、こうばるの皆さんも大喜び。

初めは「社交辞令」との思いで聞き流していたのですが、

「ほんとよ!〇〇と△△と☐☐にも行ったけど、こんなに感動したとこはない」

「最高のオモテナシを受けて嬉しかった」

「この人は辛口で、めったに褒めないの。この人が言うのだから信じて!」

とまで言われ、ようやく「ほんとですか~?」とこうばるの女性たち。

連日の阻止行動で疲れているのに、様々な行事やお客様に追われる日々。

こうばるに関心を示し来てくれるのは嬉しいけど、

一方では、休みたいな~との思いも本音ではあるはず。

 

でも、こんな言葉を聞くと、

やっぱり頑張ってよかった、これからも頑張ろう!という思いがムラムラと…

そんな思いが笑顔に滲み出ていました。

 

ピースボートのスタッフの皆さん、ありがとうございました!

お客様にとっても、こうばる住民にとっても、私たち支援者にとっても、

元気が湧き出るひとときでした。

 

また、お会いできることを楽しみにしています。

 

 

 

 

 


当たり前の暮らしを求めているだけ…

2016年06月16日 | 川原

今日の長崎新聞「声」の欄にこんな投稿記事がありました。

 

学生さんの正直な実感が伝わってきます。

石木ダム問題について少しは知っていた。

それはテレビニュースで何度か見ていたから。

その印象として残っていたのは、

鉢巻をして座り込む姿、必死の形相、怖い人たちかも?

でも、実際会ってみたら、

優しい笑顔、私たちと変わらない当たり前の生活を送っている人たちだった。

そして学生さんは思いました。

その当たり前の生活を守るため、ある時は心を鬼にして闘っているのだ

学生さんは石木ダムの是非については一言も触れていませんが、

「より多くの人にそのことを知ってほしい」と結んでいます。

 

この思いは、演劇「濁る水」の中でも感じました。

そして、いま、撮影が進んでいる映画「ほたるの川のまもりびと」の中にもしっかり流れています。

予告編を是非ご覧ください!


今年も雨のち ほたる祭り

2016年05月29日 | 川原

いつものように、ほたる祭りの日は、川原公民館全体が調理場と化します。

こうばる住民13世帯だけでなく、住民の友人や支援者も手伝います。

県外で暮らす子や孫もやってきます。

Uちゃんも毎年大活躍。

子どもとは思えないテキパキとした仕事ぶり。

う~ん。まさに「こうばる」ウーマンパワーのDNAを受け継いでるな~と感心するばかり。

 

一人黙々と山菜おこわを混ぜているのはサカエさん。

年々こうばるのおばあちゃんたちのお手伝いが少なくなり、今年はついに一人です。

私が初めて手伝わせて頂くようになった7年前は5~6人の方がいらっしゃいました。

お餅の丸め方、あんこの包み方など教えて頂きましたが、私は少しも上達せず…。

ただただおばあちゃんたちの手早くきれいな出来栄えに見とれるばかりでした。

 

私は今年もアンコを丸めましたが、こうばるでは、この餡も手作りです。

前日に各家庭で作ってきたものを持ち寄ります。

13世帯それぞれの色、味、固さが違います。

軟らかいものもあれば、硬めのものも。

それらを混ぜ合わせて、ちょうど良い硬さにして丸めます。

(こうばるの団結の秘訣はこれかな?)な~んて思いながら、こねこねしてました。

 

夕方には雨も止み!祭り会場は例年通りたくさんのお客様!

田植え前の水を張った田んぼにも、祭会場の灯が映っています。

(川棚町出身東京在住のMSさん撮影)

テントの中では食べたり飲んだり、

金魚すくいや、ホタル籠作り、そして、こんなコーナーも。

(同じくMSさん撮影)

 

また、おやじバンドや和太鼓の演奏、シンガーソングライターのお坊さんの素敵な歌など、

楽しいライブも聴けました。

そして、一番会場が盛り上がったのが、うたごえ。

長崎市からやってきた「うたごえ」のオジサンやオバサンと一緒に歌っている地元の子どもたち。

♪ こーこーはこーおばるー ほーたるのさとー ♪

の「こー」と歌っているところ。

大人顔負けの大きな声で、とても上手に歌ってました。

 

  ここはこうばる 蛍の里

  自然を守る 人が住む

 

この歌に込められた意味など知る由もなく、

でも、一生懸命に歌う姿が、私たちの胸を打ちます。

この子たちのためにも、こうばるを守らなければ…

という気持ちが新たに湧いてきます。

 

こうばるの人々のおかげで、石木川の清流は守られています。

清流のおかげで、こうばるのゲンジボタルは今年も元気に光っています。

生命を謳歌するように、今年もたくさん舞っています。

 

東京の高尾山からやってきた友人たちがいいました。

 光が大きいねー、高尾山もゲンジボタルだけど、こんなに大きくないよ。

 こうばるのホタルは栄養がいいのかな~?

かもしれない!その栄養はきっとビタミン愛だよ、石木川を愛する人たちの。

 

また昨夜は、演劇「濁る水」を作り演じてくださったステレオアートの皆さんも来てくださいました。

予期してなかったので、とても嬉しかったです。

 

友人たちとホタルを見ていたら、劇のラストシーンのように、ホタルが同期していました。

1つ1つの光は小さいけれど、一斉に光ると、とても明るい。

私たちの声も同期すれば、きっと大きく響くでしょう。

せーの!

     石木ダムは要りませ~ん!