「トビタケ、なくなったわ。あと(残っているの)は、イタドリだけ。」
夏の食卓とともに、マタギの弁当を豊かにしてくれていた常備菜だったが、スイ皮漬けがなくなり、アケビがなくなり、とうとう、トビタケの炒め煮もなくなってしまったようだ。(年中無休のフキノトウ味噌は健在なんだけど、これはカウントされないようです)
「了解。何か作っておく。」
とか言っておきながら、最近、冷凍庫の点検作業が続いていたものだから、食材の目星は付いている。
まずは、アケビの味噌煮ですね。冷凍庫に一袋保存してあったので決定です。
いつも戴いてくる山のアケビが不作っぽいので、本年度の収穫に関しては心配ではあります。ただ、ここにきてようやく、最低気温が20℃を下回る予報が出てきたので、山葡萄だって色づいてくるだろうし、マイタケだって顔を出し始めるはずだ。アケビだって、同様に色づき始めるはず。少しは収穫できるという皮算用で見切り発進の調理をします。
こちらは、即座に調理できてしまいます。
県民食再び。また暫く楽しめます
下ごしらえが出来ているので、あっという間に出来上がりました。
さて、もう一品なんですが、素材は決まっているんですよ。
冷凍のタラコ
この冬に石巻から送られてきて、食べ切れずに保存したものです。
こちらも、下ごしらえは、してあるようなのですが、どうやったのか覚えていない。アケビと同様に加熱処理してあることは確かなんだけど、こちらには調味料が染み込んでいる感じ。
これは、完成品か?それとも、薄く味付けしただけのものか?
記憶が残っていない。仕方がないから、当時の自分の思考を想像してみる。
このタラコ、他の材料である糸コンやニンジン、ゴボウなんかが入っていない。ということは、半年前のマタギは、解凍した後に、別の食材を加えて再び加熱調理することを考えたはずだ。だとすれば、もう一度調味料を加えて料理ができるように薄味にしているに違いない。
・・・認知症のマタギには困ったものだ。すっかり忘れてしまった自分自身の心理と行動を推理して調理を進めようとしているんだから。
薄味のはずだ、ということを前提に調理を開始しました。
・糸コンを食べやすい長さに切って湯がいておきます
・ニンジン1/3本を千切りにしたんだけど
・タラコに火が通っているなら、ニンジンにも火を通しておくべきでしょう
・タラコに「250(g)」と書いてあるから、普通なら酒醤油みりん各40gなんだけど
・酒30、醤油みりん各20gを用意しました
・糸コンとニンジンを軽く乾煎りしたら
・タラコと調味料も加えて加熱
・調味料が少ないから、水分が飛ぶのも早い
・消火後蓋をして、じっくりと冷まします
※具材に味が染み込むのは、冷める時だから、この時間を大事にします
はい、出来上がり!
なんと、味付けは文句なくぴったりでした。つまり、半年前のマタギは、半分の調味料で下味をつけて保存していたわけね。ああ~、よかった。
あとで、過去の記録を見つけ出したので、読み直してみたら、やっぱり、ほぼ半量の調味料で下味をつけていることが分かりました。
半年前の自分は、今の自分と同じような考え方をしていたということが分かりました。
このことがめでたいかどうかは分からないけれど、美味しい常備菜ができあがって良かったです。
山の恵みに海の恵み、その両方に感謝していただきたいと思います。
それからもう一つ。これだけ記憶が飛ぶんだったら、やっぱり記録をきちんと残しましょう。
あらためて、このブログ(日記)の意義を再確認することができた気がします。