イッツ アンタッチャブル!
冷凍庫の中がお宝の山であることは確認できた。そして、利用できる食材は、積極的に利用しているつもりだ。そんな中で、これには手を出せないという食材が存在することも分かってきました。分類すると2種類になるようです。
1つ目が、季節的にタイミングが合わないもの。
例えば、春を告げる山菜のコゴミ。今戻しても悪くはないんだけれど、やっぱり、この時期は、夏野菜を優先的に使用すべきでしょう。みたいな感じ。
2つ目が、マタギ本人が怖くて手を出せないもの。
これは、細かいことを言うと、更に2つに分類されるんですが、今回は、そのうちの一つ、調理自体が難しくて怖い食材です。
その代表が、栗。マロンちゃんです。
これは、本日の戦いの後に残ったもの
下ごしらえさえ出来てしまえば、モンブランをはじめとしてスイーツ界の頂点に立つような美味しいお菓子が作れるんですけど、そこに辿り着くまでの道のりが険しく厳しくて、足がすくんでしまうんですね。
しかし、遂に9月に入ってしまった。栗の収穫時期も間近に迫ってきている。これは、やってみるしかないでしょう。
作るのは、栗の渋皮煮
たまたま今日もお休みなので、時間がたっぷりあります。今日やらないで、いつやるという状況でもあるので挑戦してみます。
下ごしらえ・調理の部
繰り返しますが、一つ一つの工程が簡単ではありません。超丁寧に作業しました。
鬼皮むきからです。
・栗を5個ずつ熱湯に5分。鬼皮を柔らかくします
・包丁の根元を使って、殻を剥いていきます
※すごく熱いので、手袋をはめて栗を持ちます
※ここで、渋皮に傷がついて、実が見えたらアウト
※写真上部、真ん中が成功作。右側が失敗作
ここまでで12個が生き残りました
不器用なマタギにしては、上出来な方です。第二ステージに進みますって、何だか『筋肉番付のサスケ』にチャレンジしている気分。
アク抜きの部
・沸騰したお湯に重曹を小さじ1ほど入れたら栗を投入
・10分ほど茹でるんですけど、火力は弱火
※もう一つ鍋を用意して、加熱開始、アク抜き2に備えます
・アク抜き2のスタート
※2回目以降は重曹は使いません
※アク汁の色が繰り返すたびに薄くなっていきます
・4回目で止めました。しかし・・・
ここでも脱落者が多数生じてしまいました。
見事、2つの壁を乗り越えた勇者たち
皮の汚れ落としの部
・皮に残っている黒っぽい筋を、竹串で丁寧に外していきます
※ちょっと美白になったでしょ
最終、味付けの部
・栗の重さの60%の砂糖を2回に分けて煮詰めながら染み込ませていきます
※水が浅めなので、時々転がしながらじっくりと
※ここまできて、脱落者を出すわけにはいきません。優しく優しく
・水分があらかた飛んで、水飴状になってきたら完成です
瓶詰めにして冷蔵庫で保管しましょう
ああ~、予想通り、厳しい道のりであった。結局、全てのハードルを乗り越えたのは、1/3。このサバイバルレースを乗り越える確率を上げるのがマタギの役割であることは分かっているのだが、どうすればいいのか、現状では分からん。
むしろ、当面は、成功作品を美味しく食べることと、途中で脱落してしまった栗たちの活かし方を考えることの方が先かもしれませんね。
それにしても、やっぱり、渋皮煮は一筋縄ではいかん。今回残った栗と、来月の収穫とで、また挑戦の機会が巡ってくると思うんだけど、とにかく、優しく丁寧に栗と向かい合っていきたいと思います。