
ナンヨウカイワリ
- Carangoides orthogrammus ( Jordan and Gilbert,1882 ) -
今日のお魚は、かなりマニアックだと思います。
アジの仲間で、名前を、ナンヨウカイワリといいます。
まさか、こんなお魚を、量販チェーンの魚屋さんで入手できるとは、思ってもいませんでした。
わぁおぅ! っと、思わず三歩後退りしちゃいました。(笑)
ビックリしたわぁ。
最初、「イトヒラアジだ !」 、って思ったの。
随分前ですけど、一度だけ味わってとても美味しくて印象に残っている「イトヒラアジ」にそっくりだったので。
魚屋さんを出て、お家に戻るまで、嬉しくてスキップしながら帰ってきたのよ。(爆)
家に戻り、記念撮影。そして、なじみ深いお魚ではないので、一応図鑑を開き、ネットの画像も確認する事にしたの。
思い込みでアップまで雪崩れ込むと思わぬ勇み足も良くあるもの。
過去にも、恥ずかしいミスを何度も演じているので、思い込みは厳禁。こんなところは慎重にしないとね。
誤情報をネットに撒き散らす震源地にはなりたくないですからね・・・。
案の定・・・、イトヒラアジではありませんでした・・・・。
良く似ているけど、側線、稜鱗 ( ぜいご )が違うし、背びれ基に斑紋も無い・・・、何と言っても表情が別物・・・。
イトヒラアジは口先が丸く優しい顔立ちで、エボダイみたいな丸い顔。
それに対して、このお魚は、口先が尖り、別種であるのは一目瞭然。
テンジクアジとか、クロヒラアジとか似たタイプも、明らかに異なるポイントが認められ迷路に踏み込む事に・・・
日本近海に魚は4000種もいるので、どの種なのか絞り込むのはかなり難しいわね。
でも、どうみてもアジ科のお魚であるのは、わたしでも理解できる。
そこでアジ科から当って行く訳なんだけど、ブリやカンパチだってアジなんだから、かなり範囲は広いんですよね。
程なく、ひとつの種類に行きあたる。「ナンヨウカイワリ」。
直感で、「コレだな」、っと思ったわ。
そしてひとつひとつ特徴を当り、自分としては「ナンヨウカイワリ」に間違いないと言う確信も持てました。
でも、わたしの確信というのは、とってもあやふやで、頼りにならないものなのよね。(^_^;
特に、一番気になったのは、南洋と名付けられる様に、南の魚であると言う事。
国内だと、普通は、沖縄や小笠原諸島辺りに暮らす魚なの。
黒潮にのって土佐沖、東海沖あたりまで来る事もあるようですけど。
この魚が水揚げされたのが、岩船漁港。
新潟の最北端、もう山形との県境に近い村上市というのが、妙に気にかかるの。
対馬海流にのって、はるばるこんな北まで旅してきたお魚なんでしょうか?
地球温暖化の影響とはいえ、余りにも北方過ぎるように感じずにはいられません。
海は繋がっているけど、ものには程がある、って気がしてならないのですけどねぇ・・・。
そこで、信頼できる`教授`にメールして、写真を確認して頂くことにしたの。
現物を確認してみないと何とも言えない、現物を確認しても生物学的なかなり高度な判断が必要、としながらも、
消去法的に可能性のある種類を除外して行くと、「ナンヨウカイワリ」に行きあたる、という意見を貰えました。
教授にそう言われると安心できるというものです。
ご指導、ご協力ありがとうございました。 m(_ _)m
その後、指摘されたポイントなどを自分なりに再確認して、「ナンヨウカイワリ」として公開する事に到りました。

ナンヨウカイワリのお刺身
さあ、まずはお刺身で味わいましょう。
アジ科の魚は、どれも美味しいし、平たいアジは、シマアジ始め極上、というイメージがあり期待感は募ります。
やや小振りな魚で、平たいので魚肉はさほど沢山取れないけど、いつになく慎重に捌いたわ。

ビジュアル的には、とても良い感じ。
これ見よがしの派手さは無いけど、いかにも美味しそうで、お刺身好きな人は、思わずうっとりするような色合いですね !
今回は、皮付きで、バーナーで軽く炙ってみました。

これは、美味しかったわぁ~。
物凄くさっぱりした爽やかな旨味がある魚肉でした。
噛心地も、腰のしっかりした、シコっとした素敵な食感。
シマアジなどの、こってり濃厚に脂ののったのとは別方向に感じます。
以前食べて、印象に残っているイトヒラアジも、こんな感じの素敵な味覚だったな、なんて思い出されます。
一つだけ気になったのは、皮目にややエグ味があり、若干の磯臭さみたいなのも感じました。
しかし、これも個性のひとつと考えて良いくらい、僅かなものなんですけどね。
皮を引いた方が良いかは、今回は試せませんでした。

良いお魚に出逢えて、とても嬉しかったわ。
しかも、期待通り、いえ、期待以上の美味に舌鼓をうちました。
ナンヨウカイワリ、とっても素敵なお魚でした !
次に、このお魚に出逢えるのは何時になるでしょうか?
10年後くらいには、二度目の出逢いに恵まれるでしょうか・・・。
ひょっとして、わたしの魚食人生で、ナンヨウカイワリを味わうのは、これが 「 最初で最後 」 かもしれない。
そんな事も、考えてしまいます・・・・。
御馳走様でした。 m(_ _)m
鶲さん、久々の場外ホームランだなぁ
派手さは無いけど、玄人好みの恰好良い魚だなぁ。
このタイプのアジは、間違いなく絶品、羨ましい!
岩船で揚がるなら、うちの方でも間違って獲れる事もあるのかなぁ
何時も思うんだけど、鶲さんの刺身の切り方はとても個性的だね。
逆側に角度を付けて、エッヂを立ててるから、とてもシャープな印象になるね。
基本的な刺身の切り方なんて無視して、自分流を貫くところがイカしてますよ!
お皿に平らに寝かせて盛り付けずに、立たせて盛り付けも立体感が出るし写真的に映えてます。
今日は、珍しく褒めておきましょう。(笑)
しっかし、旨そうだなぁ。
くやしい~、ちょっくらジェラシー感じて鱒。
このタイプの南の魚には縁が無いわね。
熊本の養殖シマアジは、お金を出せば買えるけど、高くてねぇ。。
さっぱりしていて美味しそうな感じね。
わたしもスキップして魚屋から帰ってくるくらいのモノと出逢いたいものだわ。
昨日は復興支援で気仙沼に行ってきました。
大量に魚介を買ってきて、これから食べまくるのよ。
支援に行ったというより、買い出しに出かけて来たような感じね。(笑)
一度くらい味わってみたい魚ですね。
僕の暮らす越前を素通りして越後の外れまで行っちゃったんですね。
我が家の近辺で揚がれば、僕が買ってスキップしながら帰宅できたのになぁ。(笑)
ひと月早いクリスマスプレゼントでしたね。
あくまで想像ですが、小西氏がわざわざ新潟と山陰を追加したということは、この辺りでの釣獲/漁獲の報告が多くなっているのかも知れませんね。
こんばんは。南方の人には普通のお魚なんでしょうけど、うちのほうではまず出逢えないお魚なんですよね。
しっかり値段の付く、アオダイとかウメイロなんかは入荷があるけど、地味なヒラアジ系は、
余り商売にならないので仕入れもしないんでしょうね。
お刺身の切り方は自己流で恥ずかしいわ。勉強しなくちゃね。(^_^;
復興支援ですか? 良い心がけですねぇ、流石です!
沢山買い出ししてきて楽しみですね、冷え込んでくるとお魚は急に美味しくなるわね。
そろそろ大好きなメバルを買う時期が近づいてきたわ。楽しみね。
それで、次のスレッドの通りになってしまったので、お留守番宜しくお願いしますね!
こんばんは~ 怪我の具合は如何ですか?
下のコメントで教授が書かれてますが、越前も可能性がありそうですね。
美味しい南の魚が北上してくるのは嬉しいけど、今まで住んでいたのが更に北に移ってしまうのも困りものね。
やっぱり温暖化の影響は確実に出つつあるみたいですね。少し心配だわ。
ありがとうございました。おかげ様でスッキリしてアップできたわ。 m(_ _)m
「わざわざ新潟と山陰を追加」ですか、そういう報告があるって事なんでしょうね。
今回の岩船の水揚げが、単なるイレギュラーではなくて、少なからず漁獲され始めているのかもしれないですね。
新潟で水揚げがあれば、うちの方でも今後入手のチャンスも生れてくるので、楽しみです!
ヒラアジ系統の種類がどんどん獲れるようになるとうれしいのですが、温暖化の影響はちょっと心配ですよね。
気付いてみたら、キンキあたりが北上して、日本近海から姿を消していた、なんて事にならないとよいけれど・・・。
( FinF2010さんところをブックマークに追加しておきました。 )
思ってた魚がここにいるとは(笑)
それでもナンヨウ。
塩谷魚店
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