昨晩、BS- NHK 新日本紀行は、「鉄道で旅する松本清張小説」だった。 もう、暗すぎて、ネガティブすぎて、寂しすぎて、ドストライクだった。 「砂の器」 「ゼロの焦点」 「点と線」の紹介を中心に、舞台となった土地を、鉄道で巡る。 昭和の明が田中角栄ならば、昭和の暗は間違いなく松本清張だろう。 ハンセン氏病、戦争直後の赤線つとめ、GHQベイビー、 事件の背後を追っていくと、必ず、触れられたくない人間の過去が少しずつ露になっていく。 暗すぎる。 どうしょうもなく寂しすぎる。 舞台となる土地も地理・伝承に忠実に描かれており、鉄ちゃんならずとも、時刻表片手に旅したい、そんな旅情に誘われてしまう。 烈風吹きすさむ奥能登金剛の絶壁、自殺願望者を思い留めるために佇んでいるような民宿、実際に番組で紹介されたのだから、もう、どうしょうもなくやるせない。 「砂の器」のポイント、島根県奥出雲の亀高、何故かここでしか使用されていない、東北なまりのズウズウ弁、今も、本当に使用されていることを知り、驚いた。 山陰やら奥能登やら、寂寞感でどうしょうもない。 日本映画史に燦然と輝くネガティブ映画、野村芳太郎監督の「砂の器」を見返したくなった。 土曜の朝、窓の外は明るいのに、自分の心は暗くなっている。松本清張~~~ どうして、こんなにディープで寂しんだ。
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