ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

冬の生牡蠣について

2013-11-06 12:09:19 | 日記・メモ (Weblog)
冬の生牡蠣について

 先日、胃腸炎に関連して生牡蠣のことを書きました。私は別に牡蛎をないがしろにするつもりはありませんし、私は生牡蠣が大好きです。コメントの中に生牡蠣が恐いと書かれておられる方がおられたため、牡蛎について書きます。もちろん、無理に生牡蛎を食べる必要はないと思います。

 生牡蠣でノロウイルス感染症になるのは事実ですが、最近は昔と事情が変わってきています。それは、以前は牡蛎による胃腸炎の一部がノロウイルスと判明していなかったため対応が取られていませんでしたが、最近はノロウイルスと判明したのでノロウイルスに対する対応が取られています。
 例えば牡蛎の名産地の広島県のホームページを読むと(以下URL)

http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/58/1291003977219.html

 「生食用かきの出荷シーズンには,県の指導に基づき,生産者団体や出荷者団体が毎週1回から2回,広島湾を7つの海域に区分して,かきのノロウイルス自主検査を行っています。」とあります。その結果に基づいて「陽性となった場合は,加熱調理用かきに切り替えて出荷し,次回以降の自主検査で陰性と確認されるまで,生食用かきとして出荷されません。」とのことです。

 さらに、検査などの結果によって海域を下記の3海域に分けているそうです。

指定海域:採取したかきをそのまま生食用かきとして出荷できる海域
条件付指定海域:採取したかきを人工浄化(おおむね20時間換水することによって生食用かきとして出荷できる海域
指定外海域:加熱調理用かきしか出荷できない海域

 この対応によって、安全に生牡蠣が食べられるようになっています。100%と言うことはありませんがノロウイルスに関しては昔ほど心配する必要はないと思います。裏を返すと加熱調理用の牡蛎を生食したり、不十分な加熱で食べたりすると危険なことが分かるかと思います。

 最近は、レストランや百貨店などの食品の偽装が問題になっています。そのようなことが無ければ生牡蠣は昔ほど危険ではないと思います。もちろん、無理して食べる必要はありませんが、先の胃腸炎の書き込みで誤解された方がいると困るので牡蛎について書いてみました。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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