ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

シルガード9 新しい子宮頚癌ワクチン

2021-03-10 14:17:31 | 日記・メモ (Weblog)
シルガード9 新しい子宮頚癌ワクチン

 現在子宮頚癌ワクチン(HPV)は定期接種で中学生から高校1年生までが接種対象です。このワクチンは世界中で使用されています。しかし、日本でのみ、安全性に懸念があると言うことで定期接種でも積極的勧奨は中断されています。これまで、サーバリックス、ガーダシルという製品が使用されており対象年齢の女性は定期接種として公費で、つまり無料で接種できます。

 子宮頚癌を引き起こす病原体はいくつかあるのですが、サーバリックスは2種類、ガーダシルは4種類の病原体に有効なワクチンです。しかし、現在は9種類の病原体に有効なシルガード9が世界的には使用されています。もちろん、子宮頚癌を阻止する能力は2種類や4種類より9種類の病原体に有効なワクチンの方が優れています。

 最近、このシルガード9が日本でも使用できるようになりました。ただし、定期接種にはなっていないため全額自費になります。私個人的には価格も安くないので定期接種の対象となる女性は定期接種の対象となるワクチンで良いと考えています。定期接種の対象とならない、例えば高校2年生以上の方は、自費であるなら効果に優れているシルガード9を接種することを考えても良いかと思います。ただし、シルガード9は従来のサーバリックス、ガーダシルより1.5倍程度値段が高くなります。費用のことを考えると4種類のウイルスに効果のあるガーダシルとうい選択もあると思います。

 シルガード9は小児科医であればだれでも接種できるわけではなく講習を受ける必要があります。普段ワクチンをしているどこの診療所でも接種できるわけではありません。当院では接種を希望される方がいるかと考えて接種できるように講習を受けました。このシルガード9は副反応の追跡のために、接種者は全例登録することになっています。そして、接種することになれば接種する本人がスマートフォンで「ワクチンQダイアリー」に氏名、連絡先、予診票情報などの登録してからの接種になります。ただ、今どきの高校2年生以上であれば簡単な作業だと思います。希望される方はご予約いただければシルガード9を接種いたします。接種は3回です。1回目摂取後、2回目は1回目から2ヶ月後、3回目は1回目から6ヶ月後です。もちろん、従来の子宮頚癌ワクチンも接種致しています。ただ、現在のところ併用はできないため一回でも従来の子宮頚癌ワクチンを接種された方は同じ種類のワクチンを接種することになります。


ひきた小児科クリニックでは、四種混合ワクチン、BCGワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頚癌ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、B型肝炎ワクチン、A型肝炎ワクチン、不活化ポリオワクチン、インフルエンザワクチン、ロタウイルスワクチン(ロタリックス・ロタテック)他などの予防接種を行っています。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www.hikita.sx3.jp/

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