
さて久しぶりにクルマ試乗記。最近、ワタクシのオートバイ仲間方々とクルマの話になると「世界最速はレガシィだよ、乗ったこと無いから知らないだけでしょ」と強硬な意見を述べられる方が複数いらっしゃる。そう、何故か秋田のビーマーさんの間ではレガシィユーザーが多いのです。いわく、雪道、アイスバーンでもカンガンに踏んで行ける、なかなかスピンしない、実際高速道路でコレより速いクルマにお目にかかる事はまず無い、秋田~東京間を移動するに最速のクルマである、などなど。
約1年半前、ALFAを購入検討する際に行ったスバルディーラーで試乗したのはレガシィアウトバック3.0、というクルマでした。真冬の試乗でしたが、雪道での安定感や乗り心地のフラット感には大変感心。半面、実用車丸出しの内装の安っぽさやハンドリングのクイック感の無さに少々???マークが点滅。ご縁はそれっきりになっていました。
そして、知人のビーマーさんが「新しいレガシィ納車したよ、乗る?」とおっしゃるので「是非お願いしまっす!」という事で早速試乗することに。試乗車は2006年にマイチェンしたintelligent LEGACY。その限定モデル「ツーリングワゴン 2.0GT specB tuned by STI」。2リッターターボ260馬力の5速AT車に、メーカー純正のチューニングを施した一番アツいバージョンですな。車輌価格411万円也。その他諸経費を含むとアッと驚き450万円オーバーのレガシィ也。
こいつは楽しみだ、くっくっく。
外観は意外と大人しい。オトナ向けのプレミアムカーの雰囲気。ただ、巨大なブレンボキャリパーが18インチホイールの隙間から見えること、そして迫力のSTI製4本出しマフラーが。さらにリップスポイラーなど、よく見ればフツーのレガシィでは無いことが分かりますな。足回りはSTIのダンパー&スプリング、そして驚きのピロボールブッシュ、いわゆるピロ足ですな。一般的な市販車輌にはあり得ない造りとなっているのがこのクルマの特徴です。
さて、試乗車は走行60km、納車直後、マッサラの新車。ドライバーシートに座ってみる。本皮巻きのMOMO製ステアリング、レザー&アルカンタラのスポーツシート。高級感が充満する室内です。イグニッションをONにすると、メーターの針がぐるりと1回転してからエンジンが掛かるという最近バイク界ではハヤリの演出がありますな。非常にヤル気を起こさせるコクピットになっております。
エンジンが掛かると、室内には「ボボッボボボボ・・・」と迫力の重低音がこだまします。オーナー氏、「いやあ~もっと大人しいの欲しかったのになあ~普段のサンダル用の車なのに・・・」と早くも後悔しています(笑)。ノリで、一番カッコよくて速いヤツ、と注文してしまったらしい。試乗するワタクシだけ、勝手にアツくなっております。
まずは早速秋田自動車道に乗って高速試乗。ステアリング裏のパドルシフトをカチカチ上げて、アクセルを踏みます・・・・うおお~期待通りのヤバ加速中。あっという間に○○○km、リミッターの確認まではしませんでしたが、その寸前までは一瞬で到達する加速力。程よい重さのステアリングフィールと相まって、矢のような直進性です。そして速度を保ったままのコーナリングも、安定感が極めて高い。さすが4WD。要するに恐怖感、不安感が無いのです。コレなら長距離の移動もラクですな~!!
高速を降りて、出羽グリーンロード~秋田空港周辺のワインディングへ。コーナリングスピードも一級品であります。程よくクイックなハンドリング、特筆すべきがブレーキの剛性感。踏みはじめが重いのですが、そこからは踏んだだけ「ガシッ」と止まる実に心地よいブレーキ。「もしかして・・・」とホイールを覘いてみると、早くも真っ黒なブレーキダストが着いております。欧州製輸入車と同じような、ディスクへの侵襲が激しいパッドを使っているようですな。スバルの気合が感じられます。
とにかく気持ちよく走れるクルマです。欲しいか?と聞かれると素直に「欲しいです!!」と答えられるクルマ。性能的なことだけで断定すると、コレと同次元の性能を持った輸入車となると1000万円クラスのクルマになるんだろうな~、ワタクシのような善良な市民には絶対に無理。その気になれば手が届く、ハイパフォーマンスカーとしてスバらしいクルマです。もう少しトシを取って、移動がラクで速いクルマが欲しくなったらホントに良い選択かもしれませぬ。