平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

中東の危機

2006年07月24日 | Weblog
日本にとっては北朝鮮が大きな問題ですが、実はそれよりもはるかに重大な危機が中東で進行しています。イスラエルのレバノンへの侵攻です。

この問題については田中宇さんの国際ニュース解説が参考になります。

イスラエルの逆上

大戦争になる中東


田中さんの解説は、時には情報の多さに惑わされて、奇妙な考察に紛れ込むことがありますが、最近のイスラエル情勢については適切な見方をしていると思います。

田中さんの解釈によると、イスラエルの最近の軍事攻勢は、イスラエル内部の右派強硬派の、オルメルト首相ら、パレスチナ人との妥協を目指す現実派へのクーデタだそうです。そしてその背後には、パレスチナ全土をイスラエルの支配下に置こうとする大イスラエル主義者と、アメリカのネオコン、そしてイエス(メシア)の再臨のためにはイスラエルに大戦争が起こらなければならない、と信じているキリスト教原理主義者がいるとのことです。このまま戦争が拡大すると、やがてイスラエルとイランの戦争もありえないことではない、と田中さんは予見しています。イスラエルと、イスラエルを支持するアメリカには、戦争を望む勢力がいるのですから、戦争がなくならないのは当たり前です。

戦争の原因の一つは、聖書の予言を現実化させたい、という宗教的妄想です。一部のユダヤ人は、神ヤハウェがイスラエル人に土地を与えるという旧約聖書の約束を実現したいと思っている。。創世記15章には、「あなたの子孫にこの土地を与える。エジプトの川から大河ユーフラテスに至るまで、カイン人、ケナズ人、カドモニ人、ヘト人、ペリジ人、レファイム人、ギルガシ人、エブス人の土地を与える」と書かれています。

これに対して、キリスト教原理主義者は、ヨハネの黙示録の終末予言を信じ、ハルマゲドンの戦い=核戦争のあとでなければメシアの再臨は起こらないと考えています。彼らは、たとえ核戦争が起こっても、正しい信仰の持ち主である自分たちだけは、神に天に携挙されて救われると信じているのです。

げに恐るべきは宗教的妄想です。このような妄想が一日も早く消え去るように、世界平和の祈りを祈りつづけなければなりません。