キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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世の中には本当に立派な人がいる

2010年09月22日 | 
「バス水没事故 幸せをくれた10時間」 中島明子 朝日新聞出版

2004年、台風23号による道路の冠水で、観光バスの屋根の上に取り残された37人の乗客の写真や映像をご記憶でしょうか?
この本は、あの事故の生還者の1人の元看護師さんが書かれたものです。

世の中には信じられないくらい魂の高潔な人がいるな、と驚嘆させられました。
ここに出てくる人たちは、私たちと同じ慎ましい庶民で、有名人でも大企業の経営者でもないし、六本木ヒルズにも住んでない、ポルシェにも乗ってないけど、でも本当に素晴らしい人達だと思いました。

この本の作者の中島さんも、一晩中街路樹にしがみついて、バスが流されていくのを防いだIさんとTさんも、K師長も、もうほとんど神や仏に近いほど利他精神の塊です。
なんというか心が洗われるとは、こういう状態を言うのだな、と思いました。
私の真っ黒な心も、思わず読書後は少し白くなってしまいました(笑)。

腐ったテレビメディアはこういう方の話をこそ、放映したらいいのに。
どんなに多くの人が勇気付けられるだろう。
犯罪者や悲惨で残酷な事件は事細かに報道するくせに、何故こういう話は報道しないのか?

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