難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

新幹線事故の中、聴覚障害者は

2007年07月09日 22時36分48秒 | 生活
070709_0057~001.jpg7月8日夜21時半頃にのぞみ44号がまもなく新横浜に着く頃、新富士駅で停止した。
【危機その1】アナウンスはきこえなかった。周囲の乗客は落ち着いている。アナウンスがあったのだろうか。携帯でメールなどしている。
【危機その2】知人にメールすると小田原駅の人身事故で停止しているとのこと。
メールで情報を集めようにもPHSの電池が消耗してきた。最小限のメールを送って、電源を切っておく。
いよいよ充電が必要の表示が出たので、洗面台で充電しながらメールする。トイレに人が並んでいる中充電するのは勇気が要る。

【危機その3】2時間遅れて、0時30分位に新横浜に着いた。乗換えに走ると何としまっている。
乗客が駅員に怒鳴っているがどうすれば良いかわからない。ガードマンがみどりの窓口で払い戻すと言っているのがかろうじて聞こえたが、紙一枚にお詫びの言葉と払い戻しは明日以降みどりの窓口で払い戻し出来ることを書いておけば良かった。車内でもアナウンスしておけば、乗客もこんなには怒らなかっただろう。

JR東海は危機管理が下手というか出来ていない。

【危機その4】改札口を出てタクシー乗り場に行くと長蛇の列だ。とにかく並ぶ。並んでいる間周囲の会話は聞こえない。
若い男性が何やら呼び掛けているが分からない。周囲も応じていないらしいので並んだままだったがこれが引き金になってわーとちりぢりになったとしたら、何があったのか分からず右往左往しただろう。

並んでいる間も新幹線が次々に到着し乗客が押し寄せてくる。

【危機?その5】やっとタクシーが来たのが午前2時。たまたま来たのが何とシーマだ。シーマのタクシーは初めてだ。料金が高いのかと見ると同じだった。タクシーではなくハイヤーとあるから企業向けの車が配車されたのだろう。
行き先を伝えた後何か聞かれたらしいが、分からないでいるとまた聞いてきた。こちらは疲労困ぱいしていたが首とあごが少し動いたので何か聞いていることに気づいた。
難聴であることを説明して走行ルートに同意した。乗り心地は良いが、メーターは1万円を越え財布の所持金が足りるか甚だ緊張した。

帰宅は3時前だった。

ラビット 記 



障害者3団体の政策フォーラムは満員 障害者自立支援法は廃止に

2007年07月09日 21時48分52秒 | 福祉サービス
070709_2008~001.jpg070709_2009~001.jpg7月9日、日本障害者協議会、DPI日本会議、全日本ろうあ連盟の障害者3団体の障害者自立支援法の見直し、障害者差別禁止法制定、障害者権利条約の批准などを考える政策フォーラムが総評会館で開かれ、会場は超満員だった。

障害者権利条約は障害者当事者が関わって出来たもので、運動の大きな成果であること
障害者自立支援法は障害者権利条約の理念とは合い入れないもので、そのままにしては批准は有り得ないこと
国民の保険、福祉が崩壊し、貧困の格差が拡大している中、障害者福祉の向上は国民全体の福祉向上と切り放せないこと
厚生労働省は権利条約批准に消極的なことから、地方自治体の首長や議会への働きかけから国の姿勢を変える必要なこと
などがパネルディスカッションで話された。

ラビット 記



2007全米アジアン・デフ会議(2)

2007年07月09日 03時16分49秒 | エンパワメント

rabit-2007-07-08T21-07-34-1-s.jpgサンフランシスコの風さんから、便りの(2)


ラビット 記
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プルー博士の調査によれば、仲間から尊敬されている成功した聴覚障害者には以下の要素が共通して見られるということです。

1)集中して聴く(リスニング)の力
2)教師の励ましがあった
3)似たような経験を持つ仲間との交流をもっている
4)忍耐力
5)並ならぬ努力をすることをいとわず誇りを持っている
6)ポジティブな考え方、楽観的
7)自己コントロール
8)教育上、就職上の目標を持っている
9)サポートシステム(困ったときや必要なときに頼れる家族や友人などのネットワーク)がある

言わずもがなのリストですが、9)のサポートシステムはまさに以前わたしがここで取り上げたクリーム入りドーナツのことでした。真ん中のクリームが自己で、その周りを囲むパ ンの部分を、友人、学校や職場、家族、セルフヘルプグループに4分割しています。

全ワークショップ・プログラムを通して音声通訳・手話通訳がいました。そして要望した人のためにはCART(パソコン同時入力字幕システム)もあり、数年ぶりにCART入力者のLeeさんに出会い、個人的にも感慨ぶかい会議でした。
ちなみに3年後の2010年にはニューヨークでの会議開催が決まっています。今から楽しみです。
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2007全米アジアン・デフ会議(1)

2007年07月08日 21時07分35秒 | エンパワメント
070629_0846~001.jpgサンフランシスコの風さんから、便りが届いた。

聴覚障害の問題を多角的にとらえる場があるというのは、とてもうらやましい。
日本はまだ団体別分野別の集会、取り組みが中心だ。

我が国にも先進的に取り組まれている人はいるが、横の繋がりが弱いように思う。
オージオロジーの専門家も少なく、難聴児教育分野で発達したこと、高齢者施策の中でも、介護、徘かい問題優先で難聴問題は後回しにされてきたこと、成人難聴者団体の活動も啓発やコミュニケーション支援に集中せざるを得なかったことが一員だろう。

優れた取り組みや研究を実施するための条件が備えた環境も作りたい

ラビット 記
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その後お元気ですか。暑中お見舞い申し上げます、かな?それともまだうっとうしい梅雨の空?

7月2,3日と全米アジアン・デフ会議に参加してきました。この会議は同名のセルフヘルプ組織(NADC=National Asian Deaf Congress)が3年に一度行っているもので、今年は6月30日から7月4日までサンフランシスコのハイアットホテルで開かれました。

タイトルのとおり、これはアジア系アメリカ人、またはアジア諸国からの移民でデフ、つまり聾である人たちのための大会なのですが、白人でもアジアに関心の強い人、難聴者、健聴者でもアジアか聴覚障害に関心の高い人も参加していました。
わたしはこれまでHLAA(全米難聴者組織) 、ALDA(中途失聴者組織)などの大会に出てきましたが、アジアン・デフの大会が一番居心地よかったように感じました。もちろん姿形が似通ったアジア系が多かったことが一種の安心感をもたらしたこともありますが、この大会の参加者が非常にバラエティに富んでいたことが大きな理由です

老若男女あり、アジア系、白人、ラテン系、聾者、難聴者、中途失聴者、健聴者など、様々な背景をもつ人たちが集まっていました。難聴者で人工内耳をつけた人にも会いましたし、重度のデフでもはっきり話す人もいたし、日本からも参加者がいて、彼らは英語もアメリカ手話も完璧ではなかったと思いますが、こちらの人たちとよ
く交流をしていました。

午前、午後に2コマずつ、同時進行のワークショップが3つあり、アメリカでアジア人というマイノリティでありながら障害を持つことの意味を深く問うもの、障害者差別を人種問題に絡めつつ自分のうちにある差別意識を問うもの、聾の両親に生まれた健聴の子どもたちの心理問題を扱うパネルディスカッションなどを通して、突き詰
めれば、アジアという文化圏の美徳を再確認し結束を強めながら互いに切磋琢磨しあおう、という非常に肯定的な大会の基調が感じられました。

それにしてもすごいと思ったのはワークショップは全部で20近くはあったのですが、そのうち半数は博士号か修士号以上の持ち主で、アメリカの聾教育の裾野の広さを感じさせられました。
もちろん彼ら本人たちの並々ならぬ努力があったことは言うまでもありませんが。
わたしが参加したワークショップのひとつはシンディ・プルー博士の「聴覚障害者が学校や職場で成功するには」で、以前取り上げたセルフ・エスティーム(「健康的な自己イメージ」とわたしは訳しましたが、最近日本の友人が「自尊感情」という訳語を使っていました)をまさに取り上げた内容でした。

(2)につづく。




難聴総合対策樹立の提言

2007年07月08日 20時41分51秒 | 福祉サービス
070624_1600~001.jpg近着の日本障害者協議会JDの会報に、秋元波留夫先生の追悼文が特集されているが、
社団法人日本てんかん協会が秋元先生を委員長として「てんかん総合対策の樹立に関する研究委員会」を立ち上げ、当時のてんかん学の国内最高の専門家や各分野のエキスパートなど総勢50数名による研究調査委員会を実施していたことが記されていた。

この研究は、疫学、研究体制、医療、予防、法制度、リハビリテーション、社会啓発の7委員会を中心に、当時の可能な限りの現状分析とそのデータに基づく提言を目標としていたとある

まさに難聴問題も総合的対策の提言をするための研究が求められているのではないだろうか

ラビット 記




原爆慰霊碑と字幕  

2007年07月08日 20時02分41秒 | 生活
070708_0644~001.jpg朝6時半、ギターケースを 抱えて自転車で通りかかった若者が原爆慰霊碑の前で祈っている。直立して長いこと手を合わせていた。老人もジョギングしている人も一様に手を合わせている。

「しょうがない」発言をした大臣はこの風景を見ていないのだろう。この地にあって、あの惨禍に想いをいたさないわけにはいかない。

今年の原爆記念日の集会は大きな注目を浴びることになる
前に手話で慰霊と不戦の誓いを語ったろう者には胸を打たれたが、市長の言葉を手話通訳と同時に字幕を映せないものか。

ラビット 記 



新幹線の切符窓口、難聴者はハラハラ

2007年07月07日 08時48分43秒 | 生活
070707_0753~001.jpg070707_0754~001.jpg新幹線に乗る時はエキスプレス予約を使うが、乗車券は障害者割引を使うので窓口に並ばなくてはならない。

説明するのに時間がかかるので、早く窓口に行く必要がある。
パスモを使って乗車し、JR東海のカードで購入する、身体障害者手帳を見せてと説明の時間がかかるのでなおさらだ。

窓口で、筆談器があるので申し出て下さいとあるのを携帯に写真に撮って見せたら、バタバタして何と何かの裏紙を出してきた。
それではないと言いたかったが前の客の処理が長くて出発まで後5分しかない。行き先と往復と書いて見せた。
出て来たが片道の切符だけだ。泡くって違います、往復と書いたが、後2分。ハラハラしているとカードの処理をやり直しだ。
切符を早く下さいと書きなぐって、切符を取り、ホームにダッシュ!ダッシュ!

窓口君はどうやら新人のようだ。先の客の処理が長かったのも別の職員に聞いたりしていたからだ。
聴覚障害者の対応をしっかり研修して欲しい。

私も今度は筆談ボードを持参しよう。

ラビット 記



水谷修の講演は字幕がない

2007年07月07日 07時34分20秒 | 生活
070707_0129~001.jpg2年前、全通研新潟集会で、水谷修の講演を初めて聞いた。
手話通訳活動に教育評論家、非行に走る子供の支援を続ける人の支援は不思議に思っていた

昨夜のテレビでもスタジオの若い人が涙を流して聞いている。
しかし、テレビには字幕放送がない。彼の涙の流れる話を聞きたい。


経済産業省政務官と映画・DVDに字幕法制化の要望した時に、ろう者から映画などは感情、情緒の面から得るものが大きいと理由を説明していた。
中途失聴者からは聞こえなくなって困ったのは、職場では配慮をしてくれてはいたが筆談では感情を含む深いコミュニケーションが出来なくなったと。
映画ではそれが読み取ることが出来るという。

期せずして、映像メディアの持つ視聴者の心情に訴える力が示された。

先日のNNNニュースの「声の壁」の反響から、7月1日の放送から字幕放送になった。
7/8の深夜(7/9の25時過ぎ)からという時間帯だが、良質の番組には字幕放送のニーズがあることが明らかになった。

水谷修の番組を字幕放送で早い時間帯で放送して欲しい

ラビット 記



障害者も情報通信新法への取り組みを強化しよう!

2007年07月06日 14時53分13秒 | バリアフリー

2007.07.03 コジマ電気 字幕2.jpg情報通信新法に関する研究会が中間報告を6月19日に出している。
これの解説が、委員の一人の中村伊知哉・慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構教授がされている。
障害者側も、これを機会に内容を検討して、いち早く要望を出す必要がある。

ラビット 記
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「世界最先端の法体系へ」・情報通信新法の論点
日本経済新聞
ブロードバンドと地上デジタル放送網の全国整備が達成される2011年をにらんでの措置である。NTT経営形態の見直しも絡み合う。明治以来の国家目標であった情報インフラの全国整備が一段落し、その次のステージにふさわしい世界最先端の革袋を用意しよう。 ...

http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITbf000002072007
「世界最先端の法体系へ」・情報通信新法の論点

総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が6月19日に中間報告を発表した。通信・放送という縦割りの二分法を、コンテンツやネットワークといった横割りのレイヤー別編成にするとともに、現在9本ある規制法を1本にまとめようという大胆な方針だ。研究会のメンバーの一人として、議論の流れを振り返りつつ中間報告のポイントを提示したい。(中村伊知哉・慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構教授)



このトピックに関する記事をすべて表示する:
http://news.google.com/news?hl=ja&ncl=http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx%3Fn%3DMMITbf000002072007



難聴者数1971万人!オーティコン社長紹介。

2007年07月06日 13時59分30秒 | 生活
オーティコンがBluetoothに対応する補聴器を販売したが、同社日本法人の赤生秀一氏がマスコミ向けの説明で、難聴者が1971万人おり、補聴器利用者は339万人と紹介している。

調査主体と難聴の基準が分からないが、人口の約16%に及んでいる。アメリカがそのくらいの難聴者がいると推定しているので、日本はもっと高齢化が進んでいるのであながちそう離れた数字ではないだろう。

http://www.google.com/search?client=opera&rls=ja&q=%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B3%E3%83%B3+%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AC%E3%82%B9&sourceid=opera&ie=utf-8&oe=utf-8

ラビット 記
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オーティコン、Bluetoothにも対応するワイヤレス補聴器
AV Watch
新製品の概要と、国内の補聴器市場について説明した日
本法人社長の赤生秀一氏は「平成15年度(2003年度)の調査では、1971万人の難聴者が推定されている。うち補聴器の利用者は339万人で、129万人が、使用経験はあるが、何らかの理由でやめている。600万人は必要と感じ ...
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070703/oticon.htm




経済産業省政務官に、映画・DVDの字幕法制化を要望

2007年07月06日 13時49分11秒 | 生活
全難聴は、7月4日(月)に経済産業大臣政務官との面談「日本映画への字幕付与に関する要望」を実施しました。その報告があった。
全難聴は、ホームページには写真つきで掲載している。
http://www.zennancho.or.jp/special/culture.html

全難聴は6月22日に甘利経済産業大臣あて「日本映画への字幕付与に関する要望について」を提出している。さらに6月26日には同文を自由民主党、民主党、公明党、共産党、社会民主党、国民新党の主要政党にも提出した。

手話ランドきいろぐみ南瑠霞さんらの紹介で経済産業省との面談が実現した。全日本ろうあ連盟にも呼びかけ今回の面会となった。

ラビット 記





横浜市は市外への要約筆記者派遣でも無料で派遣

2007年07月05日 19時45分08秒 | 生活

070624_1819~001.jpg要約筆記者等の広域派遣が問題になっている。
要約筆記者の派遣事業が市町村事業に移ったが、市町村の担当者の理解不足から、市外への派遣を認めないところがある。
移動支援の場合は、市外までの交通費、支援者の拘束時間の問題があるが、聴覚障害者のコミュニケーション支援は、必要とする地の要約筆記者を利用する、いわゆる広域派遣が行われている。

横浜市は、聴覚障害を持つ市民が市外で必要な場合はその市町村、あるいは要約筆記者を派遣する事業体と連絡を取って派遣するシステムが決まっている。費用は、派遣される自治体の金額に合わせて全額横浜市が負担する。

横浜市聴覚障害者情報提供施設
「横浜ウェーブ(横浜ラポール聴覚障害者情報提供施設だより)第108号 2007.4」
http://www.yokohama-rf.jp/shisetsu/rapport/jyoutei/wave/200704/200704.html#1
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平成19年度より、横浜市在住の聴覚障害者が、他都市で通訳者が必要で、他都市派遣制度で通訳をしてもらった場合、横浜市からその都市に通訳に関わる経費を支払うことが正式に決定しました。他都市との調整はすべて情報提供施設が行います。


電車の車内にも文字情報を

2007年07月05日 13時04分22秒 | PHSから
070705_1253~001.jpgこの8月26日から山手線の列車無線がデジタルになると7月4日の日本経済新聞夕刊に出ていた。

運行トラブルに伴うダイヤ変更は指令担当者から運転席のモニターに表示されるようになるとのことだ。

運転席のモニターだけではなく、乗客にも適切な情報を示して欲しい。

聞こえない人には文字情報は大切だ。

ラビット 記