難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

歌手の耳にあるのはイヤホン?

2007年07月25日 20時38分18秒 | 生活
070303_0114~001.jpgテレビに出た歌手の耳に、見慣れないイヤホンが。

何か特別な機能を持つイヤホンかしら。

ラビット 記

投稿後、以下の説明がありました。
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070303_0115~001-1.jpgラビット君へ

 歌手のイヤホンは、コンサートや野外などで
 歌手本人に楽器等の音を
 “ちょうど良く”調整して聞かせるためのものです。

 同じ舞台の上に楽器演奏者と歌手が立っているので、
 裸耳だけでは、歌手に聞こえてくる楽器の音がバラバラだったり、
 近くの楽器の音が大きすぎて、自分の声が聞こえなくなったりするんですね。

 また、スタッフからの指示も一緒に入ってくると思います。
 (時間、トーク内容、曲順、視線、動きなど)


 手話やPC文字通訳も、会場や位置によって
 裸耳だと音が会場に響いてしまって聞き取りにくいことがあるので、
 広い会場ではイヤホンやミニスピーカーを用意してもらっています。

 また、舞台上での講演の手話通訳の場合。
 「話者の隣に立ってるんだから、よく聞こえるはず」と思われがちですが、
 話者の声(スピーカー)は、会場に向かって設置されているので
 同じ舞台上にいる手話通訳者には聞こえにくいことがあります。

 そういう場合も、舞台袖に「舞台に向かって」、
 “返しスピーカー(ミニスピーカー)を用意してもらっています。





全難聴がNHKに緊急災害時におけるテレビ放送の要望を

2007年07月25日 01時17分36秒 | 生活

070612_0839~002.jpg全難聴は、NHKに緊急災害時の放送について、要望書を出した。
台風4号に続き、新潟県中越沖地震の報道について、聴覚障害者にも分かるような字幕放送や手話がなかったことについて、早急に善処を求めたものだ。
NHKは、放送法、災害対策法で、情報の通知について指定公共機関となっている。国民に災害に関する情報をいち早く性格に伝えることが安全確保に極めて重要だからだ。
国民の中に、情報が伝わりにくい障害者がいることを理解して対応しなくてはならない。

オリンピック報道に数百億円の資金を投入するならば、人命確保につながる情報保障に必要な金額ははるかに少なく、視聴者も納得するだろう。NHKが常時人材を配置することが困難と言うならば、字幕入力者を要する企業や法人と災害時に字幕を提供させる契約をすれば良い。NHKが国に補助金でも何でも要望すれば良い。
それでも出来ないというならば、映像と音声に手話と字幕を付けて公衆送信で配信する権限を与えれば良い。公衆再送信だ。

とにかく、今のままで待てば良いということにはならない。災害は技術や予算が付くのを待ってくれない。


ラビット 記
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2007年7月23日
日本放送協会
会長 橋本元一 殿

社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
理事長 高岡 正

緊急災害時におけるテレビ放送についての要望
(台風4号、平成19年新潟県中越沖地震に関わる報道等について)

平素より私ども中途失聴・難聴者の福祉の向上にご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、貴協会(以下、NHK)は7月16日午前10時13分の「新潟県中越沖地震」の発生直後より緊急災害放送に切り換えて、現地中継も含めて継続的に放送されました。しかし、難聴者等がテレビの視聴に不可欠な字幕放送は夜7時のニュースまで行なわれず、被害状況や避難勧告、余震情報、行政連絡、交通機関の運行状況等を正しく把握することが出来ませんでした。このことは、新潟県、長野県の被災地の難聴者のみならず、全国の難聴者も情報が得られなかったことになります。
台風4号の天気予報、臨時ニュースについても、深夜帯は字幕放送、手話放送が行われていませんでした。
 2007年度の総務省「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送の在り方研究会」でも、聴覚障害者団体は緊急災害時の情報保障を強く要望しましたが、報告書では字幕常時制作体制、手話通訳の待機態勢を取ることは予算的にも人材的にも困難と記述されました。私たち聴覚障害者の恐れていたことが報告書発行後数ヶ月にして現実のものとなりました。

070629_0846~001.jpgNHKは放送法、災害対策基本法により防災上の指定公共機関と位置づけられております。放送が、防災上情報の伝達に大きな役割を果たすからです。すべての住民に理解されるように情報を提供することが、こと防災情報に限っては生命・財産の安全に関わるものだからです。緊急災害時の情報伝達は時に人命にも関わることでもあります。貴協会におかれましては、すべての視聴者に対する公共放送の使命を全うされますように切に願うものであります。
 NHKは2006年度において字幕放送付与可能な番組に対して、総務省行政指針より一年早く100%の付加率を達成しました。聴覚からの情報入手に困難のある私ども中途失聴・難聴者にとって、字幕放送は非常に重要な情報源となっており、NHKの字幕放送実施に対する努力を高く評価するものです。
一方で、放送時間全体に占める字幕放送時間の割合は43.1%と、さらなる拡充の取り組みが必要な状況であります。特に生放送においては、平時のニュース放送やスポーツ番組放送について若干字幕放送を行なっているに過ぎず、相変わらずテレビ放送からの情報取得に困難が伴っています。
 生放送において、常時字幕制作態勢を整えるには、字幕表出技術や人材育成・確保等のコストの問題など、いまだ取り巻く環境の障壁があることは承知しております。

 当会は、以下のことを要望し、早期にその実現を願うものです。



1.緊急災害時の字幕放送、手話放送の実施について、優先的に取り組むこと。
2.緊急災害時のニュースの音声の字幕と手話をつけた映像の聴覚障害者に対する公衆送信による再送信について、著作権の許諾を不要とすること。
3.生放送の字幕放送の拡充を一層図ること。
4.ローカル放送の字幕放送の拡充を一層図ること。
以上

 上記要望について、誠に勝手ながら8月6日(月)までにご回答をお願いする次第です。回答の際には具体的に、実現の可能性やその方策等も併せてお示しいただき、また対応できない場合は、その事由を明確にご回答下さいますようにお願い致します。