難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

明るい補聴器

2005年06月14日 21時52分46秒 | PHSから

輝く補聴器新聞で良く補聴器の通販の広告を見る。

補聴器は老眼鏡と違って、使用する人ひとりずつ調整しなくてはならない。眼鏡は合わなければ外したり、手で持ち上げたりして見られなくはないが、補聴器ではそうは行かない。
出来合いのを買って、聞こえなかったら調整もできない。

聴力もその人により違うし、必要としている音や声も違うので、調整しなくてはならない。大体ひとりずつ、耳の形が違うので耳型を合わせる必要がある。耳にあった耳栓は補聴器の能力をパワーアップさせるのだ。

補聴器は調整に必要な資格を持った技術者のいる認定補聴器専門店で購入すると安心だ。

ラビット 記

私のデジタル補聴器は耳の中で明るく光っている。




難聴者の会議方法

2005年06月12日 19時02分19秒 | 生活

050612_1414~001.jpg午後から、難聴者協会の集会があった。
集まった人の難聴の程度はまちまちだ。全く聞こえない方もいるが、皆が代わるがわる話して、普通に会議が進んでいく。
中途失聴・難聴者のためにいろいろなコミュニケーション方法が用意されているからだ。
写真の真ん中に立って話している方はマイクを持っているが、磁気誘導ループ、略して磁気ループというシステムを利用しているのだ。
マイクに入った声がスピーカーではなく、補聴器に直かに大変クリアーに聞こえる。マイクの声が室内の床に張り巡らしたコードが発生する磁場を通じて補聴器にダイレクトに届くシステムだ。
真ん中のスクリーンは、要約筆記。要約筆記者が話し手の話の内容を理解して、読みやすい文章に再構成している。話の内容が要約して書かれるので見ていて楽だ。
隣には、中途失聴・難聴者向けの手話表現をする手話通訳者が立っている。中途失聴・難聴者には、言葉どおりの表現をしてもらった方が分かりやすい。
こうした方法は、集団補聴システムとでも言うべきものだ。

参加者は参加者同士でも、話し手の口元も見て、筆談したり、補聴器に向かって話したり、手話も使って聞き取っている。この協会は、突然聞こえなくなった方や補聴器でも聞きにくくなった方のために、中途失聴・難聴者向け読話講習会や手話講習会を行政と協会主催を合わせて毎週11クラスも開催している。補聴援助システムの使い方もコミュニケーション対策部が皆に説明する活動をしている。

こうした環境があれば、私たちは「参加」できる。

ラビット 記



難聴学生への支援

2005年06月11日 23時53分33秒 | 福祉サービス

univercity連れあいが市内にある大学に行ってきた。同じ市内だがもっと山奥の方で、学習環境としては申し分ないところらしい。
その大学が、今年男女一人ずつ入学した難聴学生への講義保障として、同大生を対象にノートテイカーという要約筆記ボランティアの養成のための促成講習会を開催して、この講師を務めた方の補助みたいな役割で同行したのだ。
連れあいも難聴で、結婚して20数年になるが一応大学3年生になる。

聴覚障害を持つ学生へのコミュニケーション保障は手話通訳と並んでノートテイクが重要だ。
もちろん専門的な通訳の訓練を受けた人が行くのが望ましいが、そうした人が足りないので、講義が専門分野に関わることもあり同じ学部の学生ボランティアを募って養成することになったのだ。

少し前にも大学院でカウンセリングコースで学ぶ難聴学生から聴覚障害を持つ医療関係者の就労環境の研究に協力を依頼された。
この意欲的な学生の指導教官は、IBMウェルフェアセミナー「中途失聴・難聴者のリハビリテーション」を機会に20年も前からお付き合いしている方だ。奇遇を感じる。

今の学生への支援もまだまだ十分ではない。これからも支援していきたい。

ラビット 記

通勤に乗っている沿線にも大学が多い


障害を持った学生がいる大学には、国から助成金が出るのだ。大学が聴覚障害を持つ学生のために通訳を付けるようになったのは自分の学生時代を思い出しても大変嬉しい。私自身は肩まで伸ばした髪で補聴器を隠し、自分が難聴であることをごく一部の友人にしか言えなかったから、講義保障なんてとても。声の小さい教授の場合はお手上げ、教科書を熟読するしかなかった。

難聴者の結婚式

2005年06月09日 23時06分47秒 | 生活

kekkon6月の花嫁はジューンブライドで幸せになると言われている。
難聴者にとって、一生に一度の結婚式と披露宴で仲間たちや親族のスピーチをしっかり聞いて、今後の新生活の励みにしたい。失礼のないように、相手側のご両親やご親族の方たちにもきちんと挨拶をしたい。どうコミュニケーションするかが大問題となる。

新しい人生を歩むスタートの日だからこそ難聴ときちんと向き合って、聞えに対する理解を得る機会にしたい。そのために、コミュニケーションの保障が必要になる。要約筆記や補聴援助システムの利用が大切だ。
それができれば、新居の近所の方との付き合いも育児も乗り越えられるだろう。
聴覚障害者の「結婚式のバリアフリー」のためのマニュアルが東京都中途失聴・難聴者協会から発行されている。結婚を迎える若い難聴者カップルや要約筆記者が集まって、作成した。実例が豊富だ。
協会事務所 フアックス03-5919-2563まで

ラビット 記





6月6日は補聴器の日

2005年06月08日 00時30分46秒 | 生活
6月6日は、補聴器の日だ。6の字が耳の形をしていることから、日本補聴器販売店協会と日本補聴器工業会が、補聴器の啓発のために制定した。
マスコットは「ロロくん」という象のマークだ。
roro補聴器は、難聴者人口約1000万人に比して、普及台数が欧米に比して非常に低い。
補聴器に関する正しい知識が行き渡っていないことから、聞こえの障害の困難さが社会に理解されていないこともある。
難聴は周囲に理解されにくい障害だ。第一に、外見から分からない。松葉杖をついていると大変ですねとすぐ言われるが、聞こえないと自ら言わないと聞こえない障害を持っていることが分からない。第二に、周囲の環境音や本人の心身状況に影響されやすく聞こえの程度が変化する。ある時は聞こえ、ある時は聞こえないことは理解されにくい。第三に、聞こえの状態を言葉で説明しにくいことだ。四角い部屋に入ると音が圧迫感を持つのは音響の知識も必要だ。第四に、言葉や音を文字に完全に代替え出来ないので補償が難しい。第五に、しゃべると聞こえるという誤解が広がっていることだ。第六に、聞こえないことがコミュニケーションのモチベーションを奪ってしまうことだ。
難聴問題は、聞こえないことそのものより、社会との結びつきが立たれてしまうことの影響が大きい。

ラビット 記



「耳のことで悩まないで!」

2005年06月07日 12時59分12秒 | 生活

miminokotode「耳のことで悩まないで!」は、全難聴が発行した中途失聴者や難聴者のための基礎的なガイドブックだ。
難聴に関する情報や支援のためのノウハウは、インターネットで入手しやすくなったとはいえ、まだまだ十分でない。高齢者介護施設の職員や民生委員の方など難聴者に接する機会の多い方でも持ち合わせていない。介護保険のケアマネージャー資格を取る講義ですら、聴覚障害の時間はほとんどない。テレビの医療番組や雑誌等の健康や疾病に関する記事でも難聴は非常に少ない。
本書は、突然聞こえなくなった時や補聴器を購入する時の注意点から、テレビや電話を聞くための機器、結婚や子育から就労、老後の問題まで幅広く、情報を提供している。関係情報のサイトの紹介も豊富だ。
入手は、下記のサイトから申し込める。
http://www.tonancyo.org/

ラビット 記



難聴と食事

2005年06月07日 12時46分07秒 | 生活

050607_0016~001.jpg難聴者は食生活に気を付けなければならない。
毎日の聞こえないことでストレスがたまり、過食、過飲になりやすい。
また、会社の宴会なども騒がしい場所だとコミュニケーションできないためにひとりもくもくと食べることになってしまう。食べたり飲むしかないので、これも過食過飲の元だ。
聞こえる人はテレビや会話の中で食生活に関わる知識を得られるが、耳に入る情報が限られているために、難聴者は常識的な知識をも持っていなかったり、間違った知識を持ってしまう。
これも、情報障害の一つだ。

ラビット 記

枝豆や豆類が大好きです。


散髪のバリアフリー

2005年06月05日 19時17分42秒 | 生活

050605_0656~001.jpg早朝、杜の都仙台まで出かけたがちょっと早く着いたので、ライオンヘアーの頭をさっぱりするために駅下のバーバーに入った。
店員が私のラメの緑色の補聴器を見て、タオルでうやうやしく受けてくれた。
実は、難聴者にとって散髪は鬼門なのだ。洗髪するので補聴器を外すのだが、髪の分け方から長さや襟足の、処理などどうするか聞いてくる。聞こえないから補聴器をしているのに、外したら聞こえないということが分からないらしい。適当に、はいはいなどと言っていると、あまり変わらなかったりする。何のために床屋に行ったのかわからないし、とても損をした気になる。
補聴器をしていた場合は注文の確認を文字や写真で確認できるような配慮が欲しい。整髪料の選択も、指差しで確認をしてもらいたい。
バリアフリーな社会とはこうした配慮や理解が行き届いた社会ではないだろうか。
今度は散髪屋に紙で説明しよう。

ラビット 記



全ろうの村議

2005年06月05日 09時05分35秒 | 生活

050605_0807~001.jpg昨年の春まで、長野県の白馬村で、村会議員をしていらした桜井清枝さんにお目にかかった。
たった一人の女性でまったく聞こえないのに議会に手話通訳、要約筆記を認めさせてきた方だがまったく気負いというものを感じない爽やかな方だ。


ラビット



今日の聞こえは最悪

2005年06月03日 22時32分43秒 | 生活

gokokumai.jpg昨日から上司の着任挨拶を兼ねて関係会社を訪問し始めたが、相手の話をどうやって聞くか不安でしょうがなかった。
デジタル補聴器はぴたっと聞こえる場合とお手上げ状態がある。
会議は集中して聞くので神経がとても疲労する。15分が限度ではないか。ということはそれ以降は半分も聞こえない言葉を勘で補うしかない。
上司はコミュニケーションを標榜するだけあってやたらと私に話しかけてくる。この二ヶ月でこれまでの二年間分聞いた感じがする。
それが良く聞こえれば言うことないが、それが断片的にしか聞こえないから返事ができない、みんなの前で言われて答えられないのは恥ずかしい。

知人から借りた補聴援助システムで聞くことにした。車内はまあまあと思っていたが、訪問した先では狭い部屋で聞いたのど声が反響して良く分からなかった。

続きはまた。

ラビット 記

毎日食べている五穀米。


デジタル補聴器と電話

2005年06月02日 08時54分21秒 | 生活
別の場所にある同僚のパソコンが起動しなくなり、システム担当者と電話で復旧方法を確認しながら苦闘した。
出先なので電話拡声器がなく、ほとんど聞こえず同僚に替わって聞いてもらったが隔靴掻痒だ。
デジタル補聴器にPHSをあてて聞くとこれが鮮明に聞こえる。相手に電話し直して明日の段取りを確認することができた。
PHSは携帯よりも声がきれいに聞こえるのでもう7年間も利用しているが、携帯電話はその強い電波のために、たいていの補聴器はガガーッ、ジーッという妨害音で聞こえなくなる。
難聴者は現代文明の利器からも遠ざけられていたのだ。
情報通信アクセス協議会やCIAJ情報通信ネットワーク産業協会が情報バリアフリーの取り組みを続けている。
携帯電話やIP電話も含めたアクセシビリティの確保を定めるJIS規格を審査中である。

ラビット 記




字幕放送

2005年06月02日 01時04分52秒 | 福祉サービス

050602_0037~001.jpg新聞のテレビ欄に「字」のマークがあることを紹介した。
NHKの「ためしてガッテン」から「ニュース7」、朝の連続ドラマ「ファイト」、「プロジェクトX」のドキュメンタリーまで多くの番組に字幕がついている。
民放もこのところ急速に増やしている。
これは、総務省の字幕放送普及の指針があり、2007年までに全ての番組に字幕放送の実施を求めているからだ。
この指針は1997年に制定されたが、当時の技術的限界からスポーツなど生放送を除くことになっている。また、罰則はない。
しかし、総務省は毎年放送事業者にその実施状況の報告を求めて公表している。
6月1日は電波の日である。

ラビット 記

新聞のテレビ欄、見えるかしら?