難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

都難聴、新宿区のNPO活動資金助成事業一次審査パス。

2011年05月15日 10時47分25秒 | バリアフリー
 新宿区では、さまざまな課題の解決に取り組むNPO法人の活動を、事業に必要な
資金を助成することにより支援するため、「NPO活動資金助成」事業を実施しています。

 今年度は、11団体が一次審査を通過し、下記のとおり、NPO活動資金助成二次審査(公開プレゼンテーション)を実施することになりました。
今後のNPO活動の参考になる場合もあるかと思いますので、お知らせいたします。
ぜひご参加ください。
 
                   記

1 日 時   5月23日(月) 午後0時30分から4時20分まで
2 場 所   BIZ新宿(新宿区立産業会館)1階 多目的ホール
        (新宿区西新宿6-8-2)
3 その他   傍聴(先着50名)を希望される方は、当日、直接会場へお越しください。
        (事前連絡は不要です。)
4 二次審査実施団体及び事業名(11団体) ※申請番号順
 (1) ホロコースト教育資料センター
   「アンネとまちよと平和のバラ(仮)」パネル展とワークショップの開催、スタディガイドの作成
 (2) 団塊のノーブレス・オブリージュ
   新宿区と福島を結ぶ震災被災地支援事業
 (3) エコツーリズム・ネットワーク・ジャパン
   天ぷらバス利用の都市農村交流ボランティアツアー事業
 (4) 東京都中途失聴・難聴者協会
   字幕作成入門講座

 (5) みんなのおうち
   大久保アートプロジェクト-子どもから発信する多文化共生-
 (6) あそびと文化のNPO 新宿子ども劇場
   「ダルレのはなし」楽しみたい・学びたい・触れたい韓国
 (7) 難民支援協会
   災害情報の多言語対応~安心して暮らせる共生社会を目指して
 (8) 市民の芸術活動推進委員会
   手で見るギャラリー鑑賞教室事業
 (9) 福祉マンションをつくる会
   考えたときが適齢期!早めの老い支度講座~住みたい地域で暮らし続けるために~
 (10) ライフデザイン研究所
   より良い終末期を迎えるために~事前に考える『終活セミナー』
 (11) 表現教育研究所
   キッズファッションショー『IT’S A SMALL WORLD』

 【参考】 NPO活動資金助成とは
NPO活動資金助成は、区民や事業者等からの寄附金を積立てた協働推進基金を財源とし、NPO活動に必要な資金を助成する制度です。助成によって区民の福祉の向上を目的としたNPOの事業を財政面で支援することを通じて、区内でより多くのNPOが、自立性と実行力を持ち、新たなサービスを担って活躍する地域社会を形成することを目指して実施しています。

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 新宿区 地域文化部 地域調整課 管理係

東日本大震災の被災した聴覚障害者の支援とITは?

2011年05月15日 00時20分25秒 | 東北地方太平洋沖地震
こうしたことを踏まえて、どう対策を講じるのか、どう復興に関わるのかを考えるが、阪神淡路大震災と大きく違うのはITの発達。

ITの発達が、今回の大震災でどのように機能したのか、支援に役立ったのかを検証しないといけない。
最初に放送。NHKはテレビ放送と同時にニコニコ動画、Ustreamで放送した。災害時の放送のアクセスを考えてのことだ。しかし、これは障害者のアクセシビリティを考えてのことではなかったのが問題。通常の放送が視聴されにくい、ではインターネット放送もと考えたように、字幕放送、解説放送も同じように必要という発想が必要でないか。
テレビ放送の字幕、手話、解説を特別なものではなく、普通に常時流れていることが当たり前にするには、障害者向けのものという考えを捨てさせる必要がある。

もう一つは、web3.0と言われるツイッター、フェースブックの発達。
これをろう、難聴を問わず聴覚障害者が普通に使えるようにする必要がある。
そうすれば地域の臨時災害放送がツイッターで発信されれば聴覚障害者も受信できる。一般の人も音声と文字で受信できる。リアルタイムかつタイムラインで受信できるようになる。
アメリカでは音声と文字、音声と手話の電話リレーサービスに加え、文字と手話のリレーサービスも行わなければならないことになっている。脳性マヒやキーボードが使えない障害者にも電話と電話リレーサービスのアクセスが義務つけられている。

補聴器は今デジタル化されているので、各種のIT機器とのインターフェースは都合良くなっている。実際に、bluetoothで携帯電話などと交信できるものもある。
今後、テレビやPC、各種端末との交信も出来るようにインターフェースの規格化が求められるだろう。

著作権委員会河村委員長の今すぐできる対策の事例を持ち寄ることに賛成。
今回の地震で、NHKのテレビ放送に字幕放送がない首相官邸の記者会見、保安院の記者会見等に「要約ツイッター」が活躍した。複数のアカウントを利用して放送された音声を要約して文字表示するもので十数秒遅れたり、140文字の制約があるが多くの人がフォローしていた。ITBCという配信ソフトで提供された字幕も見られていた。
またDNNで手話で通訳するインターネット放送が自主制作されているなど、著作権法第37条の規定にない状況が生まれている。
一方で統一機構がCSとネット配信する際に民放と「大げんか」したトラブルもある。

電話もファックスもだめになった時、聴覚障害者の電話についてどのような支援が行われたのか、家族や地域の人、手話通訳などに代わってもらったのか承知していないですがぜひ把握したい。
大船渡市では被災地に無料電話が設置されていましたが、無料ファックスもあったのに難聴者に知らされていなかったと聞いた。


災害時のろう、難聴を問わず聴覚障害者に何が起きていたか。

2011年05月15日 00時13分26秒 | 東北地方太平洋沖地震
聴覚障害者については、情報が入らなかった、警報が聞こえなかったという問題が各県で報告されている。
これは一面的なとらえ方であることに注意したい。

確かに、聴覚障害者は、聞こえない、聞こえにくいことから音声、音情報が入らないのが聴覚障害の特徴の一つだ。音と音声は広く伝播するという特徴を持ったコミュニケーション手段だ。聴覚障害者は音と音声をコミュニケーション手段にするには強調したり、振動、光、文字、手話などにメディア変換する必要がある。
災害に関して言えば、テレビ放送、インターネット、携帯電話などの通信が対象になる。
宮城県亘理郡では防災無線放送を地域の小学校が防犯メールで発信していたので難聴者の親にも情報が届いていた。
災害時に聞こえる人は電話の代わりにメールや災害伝言板などの代換え手段が用意されている。聴覚障害者の通信保障として電話リレーサービスはもっと強調されていいはずだ。
災害時放送を義務つけられているNHKの字幕、手話、解説放送がないということは特別に追求されるべき問題だろう。
もしNHKに監督官庁から多くの役人が天下っているために放送のアクセシビリティが弱いのだとしたら東電と同じ構図だ。社会の指弾を浴びること必須。

もう一つは、人とのつながりが持ちにくい、持てないという障害。関係性の障害。日頃から近所の人、社会とのつながりがない、弱いことが災害の起きたときに支援を受けにくくする。
災害発生後は聴覚障害者組織も支援者組織も対応が出来ない。
私たちが住んでいる地域の隣人の助けが必要です。あの津波であと形も無くなってしまった宮城県亘理郡でろう者、難聴者は皆助かっている。ここは地域コミュニティが強いのです。聞こえる、聞こえないに関わらず、地域ぐるみで生活している。農業をしている難聴者夫妻も地域の集まり、営農計画の集まりに要約筆記者と参加していて地域に溶け込んでいたので津波警報も近所の人が何度も来て教えてくれたという。
同じことを岩手県でも聞いた。「田舎」だから近所の人が被害状況を教えてくれたり、隣町から水を運転して持ってきてくれたとか枚挙に暇がない。その点、首都圏は危ない、周囲の人と関係を持たない一人暮らしの聴覚障害者が少なくない。被災した聴覚障害者の心のケアが重要視されるのは周囲と関係が薄いため、不安やニーズの解決が出来ないからだ。
教訓は、インクルーシブな社会こそ障害者も安全ということだ。
障害者が排除されない、障害者が地域で暮らしていることが当たり前の社会が災害に強いということだ。

三つ目の聴覚障害の特徴は、上記二つの障害が他人が見てわからないこと。これが支援を受けにくくしている。
耳マークは耳の不自由な人を表す標識として、全難聴は組織結成以来普及に取り組んできたが、災害発生時は自ら聞こえないことをアピールしないと生命が助かりません。そこで、黄色い腕章に緑の耳マークを貼った腕章を自作して昨日のデモ行進でも集会でも着用していた。ベストとか防災頭巾とか何か目印が必要になる。
補聴器や携帯電話にGPS位置発信機能が必要かも知れない。


5月13日の全国集会で確認したこと。

2011年05月15日 00時00分48秒 | 東北地方太平洋沖地震
障害者放送協議会の「大震災と情報・コミュニケーション保障」(仮題)でシンポジウムが7月2日に開かれる。
制度改革と大震災支援・復興を取り上げるものだ。

このシンポジウムの論点として各委員会に対して以下のような問題提起をした。
聴覚障害を単に聞こえない障害者としてみることは問題の解決を誤らせることになりかねない。
その点、ろうあ者が手話をコミュニケーションの手段としてだけでなく、地域の人々との関係性を構築するために普及しているということも着目する必要がある。
難聴者、中途失聴者が地域の人々、周囲の人々とつながりやすくするには何が必要か。
補聴器と補聴システムの普及でしょうか。筆談の普及?要約筆記の普及?
私達自身が考える必要がある。

ラビット 記
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昨日、13日、聴覚障害者制度改革推進本部の6団体は、「WeLoveコミュニケーション 情報・コミュニケーション法整備を求める全国集会」と同国会請願デモを行いました。
障害者権利条約に基づく聴覚障害者の権利保障を求める署名とパンフの普及を昨年から続けており、その中間報告と大震災支援をかねて開いたものです。
署名もパンフレットもまだ目標に達していませんが、8月までに達成するよう運動を強めることを確認しています。

各障害者団体、JDFなどで話し合われていますように、障害者権利条約に基づく障害者基本法をはじめとして関係法の整備が大きな山場を迎えてきます。
この障害者基本法改正などの取り組みと大震災支援、東北復興が同じものであることを確認しました。
私たち抜きに計画を決めないこと、障害者にやさしい社会は災害にも強く、社会全体にバリアフリーであること、運動方針として6団体がしっかりまとまること、社会に運動を広げることなどです。

大震災の問題については、二つの局面があるように思います。
1つは、災害がまだ続いていること、いつ同じような災害が起こるかわからないということです。余震も続いていますし、特に福島原発のメルトダウンは衝撃的です。
これらに、障害者と障害者組織はどのように対処すれば良いのか、対策を要求しなくてはならないです。
もう一つは、どのように復興するのか、障害者の生活保障、生きる権利をどのように地域で保障するのかです。