難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

国会中継に字幕放送も要求しないと

2011年05月02日 01時49分04秒 | 東北地方太平洋沖地震

休日だが国会で、震災第一次補正予算が審議されている。
復興予算の規模やその税源など国民や障害者の生活に直結する。障害者基本法改正案についても審議される。
災害特別委員会では、福島原発で外部電源遮断による冷却停止が起きていたことや、津波ではなく地震による外部電源停止が原因だったことなど重大事実が次々に暴露されている。

国会中継に字幕放送がないことには聴覚障害者が主権者としての権利を行使できない。障害者基本法改正案第四条は差別禁止条項もある。国会及び放送事業者には字幕放送が実施できるように努力して欲しい。

ラビット 記

被災難聴者へのピアサポートの事前研修(3)

2011年05月02日 00時28分03秒 | 東北地方太平洋沖地震

被災難聴者に、ピアサポートをする場合に、以下のようなケースがあったとしたらどう考えるか。

要約筆記者と補聴器技能関係者を伴って他県の難聴者が被災難聴者を訪問した。
やっと探し当てた難聴者に訪問の目的と同行者の紹介をする。
A.「今日は要約筆記の方と来ましたので、要約筆記でお話させてもらいます。」
B.「もう地震と津波があって2ヶ月経ちますがいかがお過ごしですか」
C.「何かお困りのことがありましたら、お伺いします」
D.「補聴器の電池も持っていますし、補聴器の調整もしてもらえますから。」

被災難聴者が初めて質問する。
「補聴器の電池切れそうなんです。これですけどありますか。」
要約筆記者が書く前に、補聴器技能者が答える。
「どれですか。ありますよ。これですね。」

被災難聴者が福祉サービスについて質問した。
「要約筆記って良いですね。でもこの辺で頼めるのかしら」
要約筆記者が早速説明する。
「要約筆記は聞こえない人のために文字で伝える方法で、この市でも派遣制度があります」

ピアサポートに来た難聴者はそのやり取りが分からないまま、時間も経ったので挨拶して辞した。

これは仮定の想定だが、何が問題なのか考えたい。
補聴器技能者も要約筆記者も健聴者なので被災難聴者の問いにすぐ反応して答えたことだろうか。
要約筆記者が質問を書かなかったことが問題か。
被災難聴者にコミュニケーションのサポートのない難聴者の状況を見せてしまったことは問題ではないだろうか。

ピササポートに入る前に、当事者の役割、同行支援者の役割をきちんと確認しておくことが大事だろう。
色々なケースに付いても事前にどう対応するか話しあっておく必要もある。

ラビット 記