難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

総務省の研究会で「ともに闘う」パソコン要約筆記。

2006年12月26日 16時48分34秒 | 要約筆記事業

デジ研風景全難聴は、聴覚障害者の委員として総務省や関係機関の情報バリアフリー関係の委員会に呼ばれるようになったのは、平成9年の社団法人化してからだ。厚生労働省の関係委員会に呼ばれたのは、今年が初めてだ。

委員会には、大臣官房参事官、局長クラスの方が出席したり、大臣が出席することもある。その他、関係機関や日本を代表する企業のトップが出ることもある。会議室には、関係課長、課長補佐、係長などがズラーッとそろって、控えている。
こうした中で、全難聴の委員は勤務の都合を何とかやりくりして、出席している。

この種の委員会は、事務方であらかじめどういうことが報告され、どういう「議論」をして、どうまとめるかまであらかじめシナリオが出来ているようだが、全難聴の委員は、遅れた中途失聴・難聴者の施策を前進させるために、日ごろの知識を総動員して対応しようとしている。

こうした中で配布された資料から、行政の事務方がどこまで何を「審議」しようとしているのかを把握しなければならない。
報告者は短い時間で早口で話す上、座長が時間通りに進めようと発言が終るとすぐに引き取って話すので、発言のタイミングをつかむのが難しい。

こうした会議にはほとんどパソコン要約筆記が付くが、難聴者の委員と一緒に「闘う」ことが強く求められる。
「一緒に闘う」ということは、その会議の背景から施策の現状を理解し、打開する政策を持って来ている難聴者委員の参加している意図を要約筆記者は理解し、必要な言葉とタイミングを保障することだ。
手を挙げたり、言葉を発することの出来るその時をスクリーンを通じて伝える。それが出来ないと、難聴者委員を支援できなかったことになる。

パソコン要約筆記者は、通常の講演会や講義などとちがった通訳技術を求められる。研究会でも報告をしているときの表記方法と議論に入ったときの表記方法を変えて、「話に割り込める」通訳をして欲しい。
難聴者等の権利の保障を主張する機会を最大限有効に生かして、少しでも施策の前進を勝ち取りたい。

ラビット 記