難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

要約筆記事業の課題の整理

2006年03月06日 23時49分39秒 | 福祉サービス
060225_1201~001.jpg土曜日は京都府綾部市で、京都府要約筆記奉仕員現任研修があった。
京都駅から急行で1時間かかるところだが95人くらいも参加があり、東京と比べても多いのでちょっと驚いた。
京都府の要約筆記者は1981年から養成が始まって、各市や町に組織されていて、746名もいる。要約筆記サークルは33団体、493名。ただ2004年度の派遣実績は425人なので、年に数回しか派遣の依頼がないということになる。

参加された方々は障害者自立支援法が施行されると制度や要約筆記事業がどうなるのか、サークルや現任研修である程度のことを学ばれており、高い関心を持たれていた。
奉仕員と要約筆記者の違いが良く分かったとか、何人が要約筆記者になるか分からないが必要なことだと思う、方向性が見えたという声やもあり、思ったより積極的に受け止められている感じがした。
一方で、行政や事業体の方向が定まっていないことや自分が通訳として要約筆記が出来るのか、どのように認定されるのか、PC要約筆記はどうかという不安も感じられる方もいらした。
何度も聞いて理解を深めたい、さらに学習をしたいという方も多かった。

いろいろな課題、問題があふれているが、制度の課題、要約筆記事業の課題、要約筆記の課題、要約筆記者の課題、中途失聴・難聴者の課題にわけて考えたい。
1)制度の課題は、まず利用料の徴収、対象者の問題がある。
2)要約筆記事業の問題は奉仕員から要約筆記者へどのように移行するか、市町村の派遣事業をどこが実施するか、要約筆記者養成事業はどのように実施するかの問題がある。
3)要約筆記者の課題は、要約筆記者としての意識をどう高めるか。通訳としての要約筆記はどういう技術か理解して実践できる力を身につけるか。
4)中途失聴・難聴者は、要約筆記「者」になることをどう受けとめるか、自立のためにどういう支援を求めるのか
を明らかにすることだろう。

全難聴と全要研は、3/26日に京都の全国手話研修センターで合同学習会を開くことにしている。

ラビット 記