大好き!藁科川

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見惚れた伝統の手技

2011年04月30日 | 料理・食べ物
毎日の食卓で、何気なく飲んでいるお茶。“静岡と言えば云えば、お茶”と言われるぐらいの産地に住んでいながら、茶摘みからそれが食卓に上がるまでの過程をこれまで知らずにいました。

今回、午前に摘んできた茶葉を、伝統の手揉みで仕立てていく一連の過程を見せて頂く機会に恵まれ、時にダイナミックに体全体を使い、時に繊細に手先で仕上げていく、その技にすっかり見惚れてしまいました。

場所は、藁科川上流の大川地区の畑色。藁科の谷を一望する山腹で、心をこめたお茶づくりを続けられていらっしゃる「はたいろ製茶」さんを訪ね、その手揉みの工程を見学させて頂きました。

「ほいろ」と呼ばれる表面に和紙が張られ下から温められた台の上に、採れたての蒸したお茶の葉が広げられます。まずはそれを両手ですくうように取って、手を回転させながら散らすように落とす動作を繰り返す「茶ふるい」からスタート。続いて、縦や横にむらなく転がす「回転もみ」など全部で7工程、6時間程度かかる作業でした。

力がしっかり入っていながらも、それが力んでいる風ではなく、リズムよく作業をこなしていく名人の手技と体全体の動きは、踊っているよう。最後は剣先のように鋭くとがった茶葉に仕上がり、あの採れたての柔らかい葉が、人の手を経て、次第に変化していく様は驚きでした。

これだけの労力と技をかけて出来上がる工程を見ると、ますますおいしくなった静岡のお茶です。