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日本と世界

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『赤い韓国 危機を招く半島の真実』櫻井よしこ、呉善花著 反日の背後に北朝鮮の暗影

2017-06-04 20:39:58 | 日記
2017.6.4 09:52更新

【書評】

評論家・石平が読む『赤い韓国 危機を招く半島の真実』櫻井よしこ、呉善花著 反日の背後に北朝鮮の暗影 この厄介な国とどう距離をとるか


平素より尊敬している女性論客二人の対談本を興味深く読んだ。

 対談者の一人は、常に大所高所から日本と世界の情勢を俯瞰(ふかん)するジャーナリストの櫻井よしこさん、もう一人は、歴史や国民性など深い視点から朝鮮半島問題に取り組むことで知られる拓殖大学の呉善花教授。

大物二人がひざを交えて「韓国」に縦横無尽に斬り込んでおり、大変読み応えのある痛快な一冊になった。

 お二人は、韓国のあまりにも歪(ゆが)んだ歴史認識の理不尽さ、言論封殺や「見せしめ裁判」を堂々と行う、その「暗黒国家」の体質、国家間の合意や約束を平気で破るその身勝手さなどを一つずつ拾って厳しく批判。

それこそが一流ジャーナリストと一流学者共有の冷静さと論理性を持って、それら「韓国病」の歴史的形成要因や、その背後の文化的・思想的ルーツに対して深い分析を行っている。

 半島問題に関心のある評者も彼女たちの分析から多くのことを学んだが、そのなかで、私がとくに衝撃を持って接したのは、韓国の「反日」と「親北」の深い関連性についての解説である。


1993年から続く金泳三政権、金大中政権、盧武鉉政権の下、「民主化」が進む中で、韓国の反日がむしろ加速化したのは一体なぜか。

お二人の分析では、金泳三政権からの「民主化」の流れは、そのまま「反軍事=反米=親北」の流れと重なっており、「親北化」が進むのに従って、反日がますます酷(ひど)くなってきたというのだ。

 つまり、韓国の常軌を逸した反日の背後には北朝鮮の暗影があるというのが、お二人の分析であるが、意表をつくこの鋭い解説に接した時、評者の私は「目から鱗(うろこ)」というよりも、長年の蒙を一気に啓かれた思いであった。

 このような分析の詳細は、読者ご自身の読む楽しみにとっておくが、韓国問題をより深く理解しようとする皆様に、とにかくこの一冊を強く薦めたい。

この厄介な国と、どうやって距離を取るのかは、われわれ日本人にとって真剣に考えるべき問題の一つだからである。(産経新聞出版・880円+税)