mez********さん
2011/10/12 17:32
2回答
浜口雄幸首相のした金解禁はなぜ失敗したのですか? またなぜ浜口首相は金解禁を断行しようとしたのでしょうか?
浜口雄幸首相のした金解禁はなぜ失敗したのですか? またなぜ浜口首相は金解禁を断行しようとしたのでしょうか?
ベストアンサー
tkm********
2011/10/12 17:54
まず、ごく簡単にいえば、次のとおりです。
第一次世界大戦の勃発とともに、それまで金本位制をとっていた主要国も、金の流出を恐れて、その輸出を禁止するようになりました。
その後、大戦終結とともに、諸国は次々と金の輸出を解禁して、金本位制に復帰していきましたが、日本のみが諸般の事情から対応が遅れ、内外からの圧力は高まるばかりでした。
そして、浜口雄幸内閣において、懸案の「金解禁」を断行したわけですが、おりしも世界恐慌の時期であり、結果的に最悪のタイミングでの解禁となってしまったようです。
参考まで。ご存じかもしれませんが、「金の輸出入の自由」が金本位制であることの条件のひとつだということです。
したがって、金解禁をしないと、金本位制へは復帰できないということになります。
よく知られているように、金本位制のもとでは、中央銀行は、発行した紙幣(これを兌換紙幣といいます)と同額の金を保有していることが必要で、求められれば紙幣と金を交換(兌換)しなければなりませんでした。
要するに、紙幣の発行には金の保有という裏付けが必要だということです。
そして、兌換した金は、自由に国境を越えて出入りすることも(=外国に持ち出すことも)認めてやらなければ、世界では通用しないということです。
日本国内でしか金に交換できない、あるいは交換できてもその金を持ち出せないのであれば、日本の「円」は外国では金の裏付けがないのと同様で、これでは金本位制だといっても、「円」は決済手段としては不適当です。
ちなみに、このような金本位制でない(金の裏付けのない)通貨の仕組みを管理通貨制度といいます。
また、金本位制のもとでは、通貨供給量(マネーサプライ)が金の保有量にリンクすることになりますので(今のような管理通貨制度なら、そのような制約はなく、比較的自由な通貨政策が可能となります)、不況下で現金を保有したいと考える人が増えると、通貨が金の保有量に縛られているため、金利が上昇してしまいます(本来なら金融緩和しなければならないところ)。
そして、金が海外へ流出すると、金の保有量の減少に対応して通貨供給量も減らさざるをえず(=金融引き締め)、不況をさらに悪化させてしまいます。
現に、浜口内閣の井上準之助蔵相は金解禁を断行しましたが、当時の言葉でいうところの「嵐の中で窓を開ける」ような結果になってしまい、犬養内閣の高橋是清蔵相は、金輸出の再禁止(=金本位制からの再離脱)をせざるをえませんでした。
以上は、他の質問者様への私自身の回答を一部使用して作成したものです。ご参考になれば幸いです。
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