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"韓国経済の大黒柱"サムスン崩壊がまもなく現実になる
現在の韓国経済を俯瞰すると、自動車、航空、国内の小売り、観光など、多くの業種で業績が悪化している。
韓国の景気停滞感は強い。そうした状況下、サムスン電子の半導体事業が韓国の経済を支えている状況が鮮明化している。
しかし、サムスン電子の先行きがどうなるかは見通しづらい。
1つには、米中対立が先鋭化し、米国が韓国に中国向けの半導体供給を見直すよう圧力をかけていることがある。
7月8日に米国のスティーブン・ビーガン国務副長官が訪韓した背景には韓国の対中政策を見直すよう圧力をかける目的などがあるのだろう。
それに加えて、中長期的な将来像を考えると、サムスン電子は重要顧客であるファーウェイなどの中国企業といずれライバル関係になる可能性が高い。
圧倒的な国からの支援を背景にする中国の先端企業との競争は口で言うほど容易ではない。
サムスン電子が自力で、中国企業との半導体分野での競争に対応できるかは不透明だ。
それは、サムスン電子の業績拡大に依存してきた、韓国経済の不安定性が高まる可能性があることを示唆する。
現在の韓国経済の状況を一言で表現するならば、サムスン電子の半導体事業によって、経済全体が支えられているというべきだ。
それは、サムスン電子と他の企業の業績動向を確認するとよくわかる。
今年4~6月期、サムスン電子の営業利益は23%増加した(速報ベース)。
増益を支えたのが半導体事業だ。巣ごもり需要やテレワークの増加が、同社の半導体メモリの需要を押し上げた。
https://president.jp/articles/-/36993?page=1
米国は、中国による台湾半導体への狙いを見つめながら、台湾防衛と同時に、米国内での半導体増産に力点を置く構えである。
これが、もたらす韓国経済への影響は計り知れないものがある。
韓国からの半導体輸出は全輸出の20%程度である。
このうち、米国と中国向けは、4対6程度で中国向けがやや多い状態だ。
この米国向けの半導体輸出が将来、米国内の生産に置き換わる可能性と、米インテルが新半導体開発でサムスンを引離すという情報が駆け巡っている。
この問題は、韓国経済にとって重大な局面転換を意味する。
韓国が、世界に占める半導体産業の世界地図は、これから塗り替えられようとしている。
韓国はグローバル経済の下で、半導体を米中へ自由に輸出してきた。
それが、今後は急速に変わろうとしている。
インテルは、世界4位のグローバルファウンドリーズを買収し、本格的にファウンドリー市場へ参入する意向を見せた。
これは、サムスンにとって脅威である。
TSMCが世界市場の過半を握っているのは、半導体企業と直接の関わりのない「中立性」を買われたものと指摘されている。
インテルが、別働隊でグローバルファウンドリーズを手中にすれば、大きな相乗効果を上げて、サムスンを蹴散らす要因になる。
サムスンにとっての脅威はこれだけでない。
「2025年にファウンドリー(半導体受託生産)市場で2ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)級半導体を量産する」と宣言した。
半導体業界は、第4次産業革命関連技術が発展し、半導体需要も増えると予想する。
日立の元半導体専門家である湯之上隆氏の予測によれば、2020年の世界の半導体需要4,331億ドルが、2050年には、8,622億~1兆123億ドルになるという。
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