■臨時情報-ウクライナ情勢
一昔は”無防備マン”という話題がありまして降参すれば助かる、という。確かにそうです”全財産””人権””平和的生存権”を全て捨てれば助かるのですがそれは幸せなのでしょうか。

ウクライナ軍はバフムト近郊において反撃を開始し、一定程度前進を果たしました。これがいわゆる春季攻勢の緒戦であるのか、またはロシアが特別重要視するバフムトへの逆包囲作戦、かつてソ連が行った天王星作戦のような、作戦の前哨戦であるのか、若しくはマリウポリなどの重要地域への攻撃への陽動作戦であるのかは未知数です。しかし。

しかし確かなことは三月中に陥落が懸念されていたバフムト攻防戦に事実上ウクライナ軍は耐えきった、という事です。そして今回、非常に考えさせられたのは、“都市と森林は兵を呑む”、つまり市街戦を開始した場合は膨大な兵力が必要となるために避けるべきだという原則を破り、ウクライナ軍はバフムト防衛に拘りロシア軍に出血を強要したこと。


都市はいつでも奪還できるため無血開城させる、例えば完全に包囲せず一方向をあえて手薄としたうえで残る三方から圧迫し市外へ退去を強要する両翼包囲などの手法が基本と考えられたのですが、今回ウクライナ軍はなぜこうした手法を用いなかったのでしょうか。それは推測ですが、キエフの北、ブチャ虐殺事件などが尾を引いていると考えます。

ロシア軍は占領地を徹底的に破壊して見せしめとする、この戦訓は言い換えれば市街戦を避けたとしても、その避ける最大の目的である市街地に被害をおよぼさせない、という大前提がロシア軍の実際の破壊行為により破綻しているわけで、ウクライナ軍がバフムトをひいてもバフムトは破壊され、25㎞先クラマトルスクでも同じことが起こる、という。

現代軍隊のやることではないと思うのですが、都市破壊による見せしめ、日本の防衛について考え直さねばならないことが増えました。ロシアが北海道や本州日本海側へ着上陸した場合、降参すればよいという論調が国内には確かにあります。もちろん住民は家財も何もかも持てるものは全て諦めて手荷物一つ以外断念するならば、一つの手でしょうが。

ロシア軍の破壊行為は補償されません、いやロシア軍が1945年の日独のような状況になるまで敗北した場合には、戦後賠償の議論は出てくるのかもしれませんが、ウクライナ軍はロシアを領土外に追い出すことは考えていても、ロシア本土を併合する意図はありません。撤退すれば都市は破壊される、日本の防衛についてまた、頭痛の種が増えたようです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
一昔は”無防備マン”という話題がありまして降参すれば助かる、という。確かにそうです”全財産””人権””平和的生存権”を全て捨てれば助かるのですがそれは幸せなのでしょうか。

ウクライナ軍はバフムト近郊において反撃を開始し、一定程度前進を果たしました。これがいわゆる春季攻勢の緒戦であるのか、またはロシアが特別重要視するバフムトへの逆包囲作戦、かつてソ連が行った天王星作戦のような、作戦の前哨戦であるのか、若しくはマリウポリなどの重要地域への攻撃への陽動作戦であるのかは未知数です。しかし。

しかし確かなことは三月中に陥落が懸念されていたバフムト攻防戦に事実上ウクライナ軍は耐えきった、という事です。そして今回、非常に考えさせられたのは、“都市と森林は兵を呑む”、つまり市街戦を開始した場合は膨大な兵力が必要となるために避けるべきだという原則を破り、ウクライナ軍はバフムト防衛に拘りロシア軍に出血を強要したこと。


都市はいつでも奪還できるため無血開城させる、例えば完全に包囲せず一方向をあえて手薄としたうえで残る三方から圧迫し市外へ退去を強要する両翼包囲などの手法が基本と考えられたのですが、今回ウクライナ軍はなぜこうした手法を用いなかったのでしょうか。それは推測ですが、キエフの北、ブチャ虐殺事件などが尾を引いていると考えます。

ロシア軍は占領地を徹底的に破壊して見せしめとする、この戦訓は言い換えれば市街戦を避けたとしても、その避ける最大の目的である市街地に被害をおよぼさせない、という大前提がロシア軍の実際の破壊行為により破綻しているわけで、ウクライナ軍がバフムトをひいてもバフムトは破壊され、25㎞先クラマトルスクでも同じことが起こる、という。

現代軍隊のやることではないと思うのですが、都市破壊による見せしめ、日本の防衛について考え直さねばならないことが増えました。ロシアが北海道や本州日本海側へ着上陸した場合、降参すればよいという論調が国内には確かにあります。もちろん住民は家財も何もかも持てるものは全て諦めて手荷物一つ以外断念するならば、一つの手でしょうが。

ロシア軍の破壊行為は補償されません、いやロシア軍が1945年の日独のような状況になるまで敗北した場合には、戦後賠償の議論は出てくるのかもしれませんが、ウクライナ軍はロシアを領土外に追い出すことは考えていても、ロシア本土を併合する意図はありません。撤退すれば都市は破壊される、日本の防衛についてまた、頭痛の種が増えたようです。
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