北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

浜松基地航空祭2012詳報② 第一航空団と術科学校展示品・展示航空機を巡る

2013-07-11 23:02:43 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆走る、T-4練習機飛行展示までの限られた時間

 浜松基地航空祭、前回は展開しましたが快晴という事で撮影位置を考えつつ撮れるものを撮る。

Himg_2650 整備状態でハッチをあけ格納庫で展示されるT-4です。前回の詳報では新田原基地航空祭を紹介しましたが、航空祭はとにかく空を青く映したい、つまり逆光を避けたい、という事があるものですから撮影位置は改正であれば曇りや雨天とは比較にならないほどの、というわけ。

Himg_2754 第一回の紹介では天候偵察としてT-4練習機二機が轟音とともに離陸してゆきました、天候偵察だけれども、戻ってくるときには機動飛行なりなんなりを展示しますから、そちらを優先したい、つまるところはそれまでに地上展示は出来るだけ撮っておきたいところ。

Himg_2662 格納庫内に展示されていた20mm高射機関砲VADS,高射教導隊の装備です、もともとは基地防空隊などに16基程度が配備され、基地へ接近する航空攻撃を猛烈な射撃と共に弾幕で撃破し、必要とあれば基地に潜入した工作員を車両ごと20mm機関砲弾の土砂降りで叩き返す事も出来る。

Himg_2667 91式携帯地対空誘導弾、陣地で待機し、射撃時は肩に担ぎ発射、基地防空隊へ24基ほどが配備されています、一見頼りなく見えますが、諸外国では数千人規模の旅団がこの種の携帯地対空ミサイルを十数基程度餅、他は車載機銃のみで防空を行うところがありますので、一つの基地にこれを24基というのは決して少ない数ではない。

Himg_2712 F-4EJ改戦闘機、今度は格納庫の外に出ます、前回にF-15戦闘機とF-2支援戦闘機が地上展示航空機として並んでいる様子を紹介しましたけれども、F-4EJ改はその隣に並んでいました。10年前には、いつ見れなくなるか、とか考えていましたが、この分だとまだまだ現役に留まりそう。

Himg_2716 T-7練習機、航空自衛隊は戦闘機に進む要員も輸送機に進む要員も、そしてヘリコプターに進む要員も訓練はこの機体から始まる初等練習機です、富士重工製の航空機。ちなみに上のF-4は岐阜基地の飛行開発実験団、T-7はお隣静浜基地の第11飛行教育団のもの。

Himg_2723 浜松救難隊のUH-60J救難ヘリコプターにU-125救難機、ここ浜松基地は海抜50m近くで、仮に東海地震が津波を伴って静岡県を襲った際には、いの一番にここ浜松基地から救難隊が出動し、場合によっては状況把握の偵察に教官が搭乗する練習機が出動することになるのでしょう。

Himg_2744 撮影に夢中になりつつ、ふと見渡すと、エプロン地区の最前列付近はもう凄いことに、航空機が離陸する迫力の描写が撮れるのは、まさにここ。基地で合流できれば、という友人、先日の富士学校で確認しましたらば、このあたりの最前列付近で撮影していたよ、とのこと。

Himg_2734 ブルーインパルスも、芦屋基地より進出、この時点ではまだ松島基地へ帰れていなかったわけです。こうした形で地上展示航空機や装備品を一つづつ撮影してゆくのですが、地上展示機は奥へ奥へ、並んでいます、飛行展示開始までにとりたい当方が進むのも、やはり並ぶ通り奥へ奥へ。

Himg_2754_2 T-4練習機、考えればこの機体は国産で200機以上を導入したもの、エンジンも含めてここまで量産した、という誇るべき航空機ですが、そろそろ初飛行から時間がたち、養成する要員も第四世代戦闘機から第五世代戦闘機への要員が求められています、即ちこちらも後継機を考えねばならない。

Himg_2758 T-4、エンジン音が耳に入り始め、目を凝らし望遠レンズで機影を探すと天候偵察機として離陸した二機が編隊で帰ってきます、ここは太平洋に間近な基地であると共に背後には中部日本山岳地帯が広がり、遠州灘からの風が雲を形成しれば視界不良となります、天気予報だけではなく実際に見なければわからないものがある。

Himg_2763 編隊飛行の二機。ところで、観ての通りなのですが、これが逆光、機体が真っ黒になつぃまています。撮影位置はメイン会場のエプロン地区なのですが、飛行展示を滑走路上で行う場合滑走路は南側にありますから、どうしてもこのように逆光になってしまう、成らないところに移動して撮影したいものですね。

Himg_2775 そのためには滑走路の反対側にどうする必要があるのですが、線路ではないので踏切は無く、そう簡単に横断は出来ません、しかし、順光の撮影位置で撮影しては地上展示機も航空祭の活況も撮れず、それでは本番か予行か日常かわからない、だからいつ撮影するのかを考えつつあるく、考えるのをやめたら負けだ、多分、ね。

Himg_2782 E-767早期警戒管制機、考えられなかったことですが東日本大震災では必要不可欠な航空機でした、災害派遣には数百機の航空機が航空航路や飛行場以外の空域を東奔西走、それを航空事故が生じないよう航空管制するにはこの機体が不可欠だった、とのこと。その上にT-4の二機編隊が。

Himg_2797 ちなみに、先ほど最前列付近の活況、といいますか、混雑を紹介したのですが、もし出遅れた場合には端へ端へ移動すると、駐車場地区があり、そこからであれば離着陸の様子を撮影することが出来、そして最前列付近が満員になるまで時間があります、実は当方も何回かそこで撮影していました。

Himg_2801 C-1輸送機、地上展示機は毎年配置が違うので、撮影できる角度も変わるところ、このあたりはまだ人出は多くなかったので、最前列付近にはまだ余裕というところ、もしこの日曇りだったり、逆光でも撮影する場合にはこのあたりで撮影していたのかもしれませんね。

Himg_2799 U-4多用途機、VIP輸送や指揮官連絡に輸送任務等へ活躍するビジネスジェット、航続距離が1万km以上あり、実は無給油で太平洋を横断することが出来ます。要人輸送には随行員の同行に限界がありますが、国際平和維持活動等の拡大に合わせ、政府専用機を出すまでもない状況を考えればもう少し数が必要な航空機と言えるやもしれません。

Himg_2807 C-1輸送機の機内一般公開、日本一混雑するという入間基地航空祭では一時間近く待たないと見学できないC-1の機内ですけれども、浜松であれば少し待つだけでは入れます、と。まあ、一応並んでいますし、時間が無いので入ったりはしませんけれども、ね。

Himg_2809 入間ヘリコプター空輸隊のCH-47J輸送ヘリコプター、航空救難団の隷下にあるヘリコプターで、レーダーサイトへの物資輸送など末端輸送に活躍します、また災害時にはその輸送能力を活かして工湯支援も行い、航空自衛隊全体で20機程度を保有しています、大輸送力の反面高価なので各国を見渡しても20機も揃えているところは少なく、日本では陸上自衛隊が加えて50機を運用しています。

Himg_2819 陸上自衛隊のUH-1J多用途ヘリコプター、明野駐屯地の練習用に装備されているもの。背景にはE-767が見えます、色々な航空機が並ぶ様子こそ航空祭、しかし、飛行展示が間もなく始まり、撮影できる時間は圧してきました、次の撮影位置に急がねば、その様子はまた次回に紹介しましょう。

北大路機関:はるな

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南西諸島のスクランブル発進急増中、中国海軍が東シナ海で実弾射撃訓練実施を発表

2013-07-10 23:55:29 | 防衛・安全保障

◆南西諸島での自衛隊緊急発進急増

 時事通信などの報道によれば中国海軍が東シナ海において実弾射撃訓練を行うとのこと。

Gimg_86371 我が国では参議院選挙が間近の時期ではありますが、中国浙江省海事局によれば9日までに中国海軍による東シナ海での実弾射撃訓練の実施が7日から13日にかけ実施されるため、0000時から1800時までの時間帯に船舶の航行を禁止する航行禁止域を設定しました。

Aimg_7414 訓練海域は中国の排他的経済水域内ではありますが沖縄県尖閣諸島にも比較的近い海域であり、参院選の近い時期にこの海域に近い海域での実弾射撃訓練実施は、別の政治的メッセージとなる可能性が出てくるかもしれません。

Gimg_4421_2 併せて防衛省は平成25年度第1四半期の航空自衛隊緊急発進の件数を発表し、その件数は115件と、2012年度の同時期82件、2011年の同時期58件、2010年度の同時期65件、2009年の同時期59件と比較した場合、文字通り一桁多くなっています。

Himg_7216 緊急発進の件数は北部航空方面隊20件と昨年の39件よりも半減、中部航空方面隊は14件と昨年度の12件よりも微増、西部航空方面隊は6件と昨年の同時期機12件よりも半減、対して南西方面航空混成団は75件と昨年度の同時期19件よりも四倍近くに激増しています。

Aimg_0583 南西方面航空混成団は、昨年の緊急発進件数567件のうち半数以上の318件を数えることとなりましたが、同時期過去五年間との比較を行った場合でも今年の75件に対し、2012年の19件、2011年の32件、2010年の12件、2009年の16件と比べれば尋常ではないことが分かるところ。

Nimg_2500 また、緊急発進では国別では中国、ロシア、と国別に続くのですが特異な事例としては、2009年を最後に我が国防空識別圏まで航空機を接近させなかった北朝鮮が久々に航空機を飛行させており、今年の第1四半期では9件の接近事案がありました。

Img_8989 さて、昨年度の緊急発進件数は567件とソ連崩壊後の緊急発進件数では最大回数となっており、その状況を見たうえで更に今年度の緊急発進件数を見た場合、その昨年度以上の件数で推移している今年度は最終的に何件となるのかは非常に憂慮せざるを得ない状況となっています。

Img_1234 今年度の防衛白書では以前に増して中国による国際秩序への軍事力による挑戦が周辺諸国との間で摩擦を生じさせており重大な懸念事項であることを明記しましたが、併せて緊急発進件数の増大や参院選間近の時期に軍事的圧力をかけている尖閣諸島の近くの海域での演習は我が国国民へ中国への視点を改めて険しいものとするやもしれません。

北大路機関:はるな

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一年延長、ソマリア沖海賊対処任務自衛隊派遣 多国籍海賊対処部隊へも護衛艦参加

2013-07-09 23:00:12 | 国際・政治

◆護衛艦2隻・哨戒機2機が常駐

 政府は本日の安全保障会議において海上自衛隊による海賊対処任務の一年延長を決定し、併せてこの方針が閣議決定されました。

Eimg_7760 ソマリア沖海賊対処任務は2009年より継続されており、海上自衛隊は常時二隻の護衛艦を派遣、続いて哨戒機の派遣も開始し最盛期は三機、現在も二機が常時海賊多発海域に近いジブチ共和国の海上自衛隊ジブチ航空拠点を基点とし、哨戒任務を継続しています。

Oimg_7487 海上自衛隊のほか、米海軍やEU諸国の海軍、インド海軍をはじめ中国海軍や韓国海軍も部隊を派遣した事例があり、特に恒常的な哨戒任務を継続することにより海賊容疑船を適宜検挙、これにより海賊被害は一時期と比べればかなり沈静化しました。

Eimg_4126 我が国では海上自衛隊の海賊対処行動任務として護衛要請船舶を集め、船団の前後を護衛艦で護衛する護送船団方式を採り、現在のところ護衛対象船舶への被害が皆無という記録が続いていますが、併せて海賊被害の縮小により護衛要請なども順次減り始めているところ。

Himg_4913 これを受け、海上自衛隊は護衛艦二隻のうち、一隻を従来通り護衛任務に就けると共に、もう一隻の護衛艦を多国籍任務部隊へ参加させ、哨戒任務へ当たる方針を発表しました。哨戒任務は、海上自衛隊方式の護送船団が最も確実な方法ではあるのですが、海域ごとに哨戒任務艦を配置し、海賊被害の生じるアデン湾全域を哨戒網で覆えば、海賊を根絶できることを意味します。

Simg_0564 ただ、この方式を採る場合、多国籍任務部隊司令部の試算では水上戦闘艦や哨戒艦艇60隻が必要となるため、とてもではありませんがこれだけの艦艇を各国が集めることは出来ず、そのため可能な限り哨戒し、海賊を発見し次第対応してきたのですが、これでも被害は縮小しており、高価は大きいといえるでしょう。

Gimg_3913 他方、他国籍任務部隊へ上位艦艇を常駐できる海軍機構は少なく、この為海上自衛隊の護衛艦を参加させるよう、各国から強い要望があり、今回、これを実現することとしました。なお、哨戒任務に当たる、という方策ですので、海賊との遭遇事案は多くなるでしょう。

Img_1263 我が国の海賊対処への貢献は海上自衛隊のほか、会長保安庁と外務省が協力し、沿岸国の海洋法執行機関要請への協力があります。海賊は陸上を拠点としているため、どうしても海軍では限界があり、アフリカ諸国版海上保安庁の創設へ我が国が協力していることも、被害縮小に寄与していることは間違いありません。

Kimg_7625 常時二隻を展開させるという事は訓練とたいきを併せ四隻程度が従事していることとなり、南西諸島警備をはじめ実任務が増大する海上自衛隊には非常に厳しい負担ではありますが、海洋の自由を国際公序とする主張と行動の一貫性のためにも、国際社会と日本が求めている負担、ということができるでしょう。

北大路機関:はるな

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沖縄で日米空中給油訓練、航空管制支援下の米空中給油機より自衛隊戦闘機へ給油訓練

2013-07-08 23:34:26 | 防衛・安全保障

◆中空第6航空団F-15と米第18航空団KC-135参加

 防衛省航空自衛隊によれば、現在沖縄周辺空域において日米共同の空中給油訓練が実施中です。

Img_0201 この訓練は、航空自衛隊戦闘機とべいうう軍空中給油機の参加の下で実施されており、航空自衛隊戦闘機操縦要員の米軍空中給油機からの給油訓練を以て空中給油能力を向上させると共に、日米相互運用性の向上を図ることが目的とされています。

Img_1156 訓練内容については、第一に米空軍教官から航空自衛隊員に対する空中給油抗議が行われ、第二に航空自衛隊のF-15がKC-135からの空中給油要領を実際に演練、第三に航空警戒管制部隊に対し空中給油に関わる航空管制の要領を教育する、以上の三点から実施されます。

Img_1813 この訓練はは5日から20日まで実施されており、飛行訓練は本日8日から11日まで、訓練参加部隊は中部航空方面隊より小松基地の第6航空団、南西方面航空混成団南西航空警戒管制隊、警戒航空隊が参加し、航空自衛隊からはF-15戦闘機5機が参加、米空軍からはKC-135空中給油機1機が参加しているとのこと。

Img_1908 訓練実施基地は航空自衛隊那覇基地と、その周辺空域と発表されており、沖縄周辺での訓練となりますので、恐らく米空軍からの空中給油機は近傍の嘉手納基地第18航空団に配備されているKC-135が参加するという事なのでしょう。

Img_0023_2 航空自衛隊ではすでにKC-767空中給油輸送機4機を運用中ですが、米空軍はKC-135だけで750機以上を配備し、運用した実績があり、単なる空中給油ではなく航空戦闘の一環としての戦闘状況を想定した空中給油についても長い研究と実践の蓄積があり、これは他国では到底及びません。

Img_7262 一回離陸し、着陸し給油し再発進を行うことは非常な労力を要します。また、特に航空戦闘に連接する空中給油任務の場合には、空中給油機そのものも航空戦闘の標的となる可能性があり、航空管制との連携により危機を回避しつつ必要な戦闘機への給油をおこなう方策は、平時に長距離を飛行するための空中給油とは異なるものが必要となるのは想像に難くないもの。

Img_1328 このため、自前の空中給油機を装備する航空自衛隊としても、実運用における方策は米空軍からの支援を受けることが確実であり、特に航空自衛隊としてはその任務空域の広さに対し空中給油機の数は決して十分ではなく、必要に応じて米空軍の空中給油機支援を有事の際に受ける、という事も十分考えられるもの。

Img_1843 このなかでも、航空自衛隊に求められる任務対応能力の水準は年々厳しさを増しており、現用航空機としては最大級の戦闘行動半径を誇るF-15であっても、長時間の戦闘空中哨戒の必要性や、有事の際に想定空域での格闘戦を含めた任務遂行の際には、燃料消費も大きくなる。

Img_7358 したがって空中給油機による支援が必要と考えられる分野も多く、冷戦時代までは潤沢な飛行場を有する北海道上空を念頭とした防空戦を想定し、専守防衛の観点からこの種の航空機を保持してきませんでしたが、今後は洋上での任務も多くなり、特殊技術ではなく日常的な水準で技術を保持せねばならなくなるでしょう。

北大路機関:はるな

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防衛省、イージス艦二隻の増強を新防衛大綱明示へ検討、MD任務等洋上防空力強化期す

2013-07-07 23:42:26 | 防衛・安全保障

◆予算難で延期されていた八隻の体制確立へ

 共同通信などの報道によれば、防衛省はイージス艦二隻の増強を行い、ミサイル護衛艦八隻を全てイージス艦により置き換える方針を検討しているとのこと。

Mimg_6352 海上自衛隊は、今から20年前の1993年に最初のイージス艦こんごう、を就役させ、護衛艦隊に配置されている四個の護衛隊群の中で、ミサイル護衛艦により編成されている護衛隊へ各一隻のイージス艦配備計画を進めました。これは、1998年の四番艦ちょうかい、就役により完成しました。

Img_8379 護衛艦隊のミサイル護衛艦定数は8隻、このなかで、海上自衛隊は、最初のミサイル護衛艦あまつかぜ就役の1965年から、艦隊防空ミサイルシステムターターを搭載するミサイル護衛艦として、たちかぜ型護衛艦三隻、はたかぜ型護衛艦二隻が建造されており、旧式化した護衛艦たちかぜ型を完全に置き換えるべく、イージス艦あたご型二隻が建造されています。

Eimg_9310 海上自衛隊では、続いてターターシステム搭載艦である護衛艦はたかぜ型二隻を、イージス艦により代替する計画でしたが、折からの財政難によりイージス艦の建造費用を捻出することが出来ず、はたかぜ型がガスタービン推進艦でもあったため、延命改修を行い、現役期間を延長させる選択を採りました。

Iimg_4102_1 2000年代に財政難を背景に、この年限り、というような緊縮財政の要請に応じた結果、毎年この年だけの緊縮財政を採られ、併せて海上自衛隊には老朽化した汎用護衛艦の新型艦への置き換えという無視できない事情もあり、イージス艦の導入は棚上げされ続けてきたところ。

Mimg_6592 一旦皺寄せをしますと、その挽回に翌年度以降の配慮が必要となるのですが、これを重ね続けると防衛当局側からの要求では財務当局への要請に如何ともし難い認識共有への障壁が生じ、数年分を挽回できるような防衛費を数年間継続できるような状況というものは中々成立しません。

Eimg_0999 こうした中で、今回一つの転機となったのは、北朝鮮ミサイル事案に際しての日本海における長期間の警戒任務で、イージス艦六隻、この中でミサイル防衛任務に対応する護衛艦は、こんごう型四隻のみで、警戒任務を長期間継続を強いられる想定を今後も行うことを踏まえ、ミサイル護衛艦定数をイージス艦で充足させる、という方針が定められたのでしょう。

Mimg_2837 今回は、防衛計画の大綱にこのイージス艦の導入を名いする方針で検討されており、財政状況は今後も予断を許さない状況ではありますが、防衛計画の大綱は閣議決定を通すものですから、文字通り政治主導で、イージス艦の増勢を防衛計画の大綱に直接盛り込むことで、確保への政治性を盛り込もうとしたのかもしれません。

Iimg_9032 特にイージス艦はミサイル防衛に注視される部分が大きいですが、同時多数の航空攻撃に対処し、水平線上の航空機による索敵活動を不可能とする重要な艦隊防空中枢艦ですから、ミサイル防衛へ専従とするわけにも参りません、こうした意味でもイージス艦の増勢は海上防衛力全般の近代化にも寄与することでしょう。

Uimg_6932 その反面、前述したように他の護衛艦の代替も喫緊の課題です。ここで危惧するのは、イージス艦の建造を重視するあまり、他の汎用護衛艦を代替する建造費を捻出できなくなるのではないか、つまりイージス艦の増勢に見合った予算の増額が行われないのではないか、というもの。

Gimg_8071_1 近年は、旧式護衛艦の近代化改修ではなく事故が起きない範囲での延命措置、練習艦の護衛艦への改造による編入など、無理を重ねているため、実のところ予算を確保できるのか、イージス艦の配備で洋上防空を確保しても海上防衛全般に影響が及ぶのではないか、という不安もあるところですが、防衛の維持へ政治主導も期待したいところです。

北大路機関:はるな

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グアム訓練移転 岩国基地からアンダーセン基地へ第12海兵航空群F/A-18等24機参加

2013-07-06 01:06:44 | 防衛・安全保障

◆米軍再編に伴う在日米軍の訓練移転

 防衛省によれば、米軍再編に伴う在日米軍部隊のグアム移転の概要が発表されました。

Iimg_2562 これは日米合同委員会の決定に基づくもので、先日、三沢基地より千歳基地への訓練移転が発表されましたが、今回発表のグアムへの訓練移転は岩国航空基地より嘉手納基地へ展開し行うものをグアムでの実施としたもので、千歳への移転訓練よりも参加部隊は大規模なものとなっています。

Iimg_1781 参加部隊は岩国航空基地展開の第12海兵航空群で、F/A-18D/D戦闘攻撃機が20機程度、人員は550名が参加し、これに支援として空中給油機3機、空軍より早期警戒管制機1機の参加規模で、空中給油機はKC-130,早期警戒管制機はE-3を示すものでしょう。

Iimg_2355 グアム移転では、7月10日から8月2日までの期間が予定され、グアム島アンダーセン空軍基地とマリアナ諸島ファラロンデメディニラ演習場が用いられ、戦闘機同士の戦闘を想定する戦闘機戦闘訓練、更に航空阻止や近接航空支援に航空打撃などの空対地射爆訓練が行われる、とのこと。

Iimg_2861 海兵航空団のF/A-18は砲兵火力の代替として海兵地上部隊を支援する任務に当たっており、低空侵攻や匍匐飛行など対地攻撃を行う上で必要な極めて高度な技術を要する飛行を経て、地上部隊の近接した目標に対する航空打撃力の投射という間違いの許されない任務に臨むうえで必要な訓練です。

Iimg_2473 訓練は日米ともに真剣ですが、専守防衛の我が国に対し、米軍は今日明日何時実戦に投入されるかが分からない一方、海兵隊は自衛隊以上に実戦に投入される運用が為され、海兵航空団も確実に近接航空支援へ投入される部隊であるため、騒音よりも実戦での生存性を確保する運用体系となり、この点、訓練移転を行い騒音の問題の少ない地域に展開することが理想と言えるやもしれません。

Iimg_9119 他方、日本駐留は騒音問題よりも抑止力を行使しなければならない地域が日本に近いという難点から来てしまっているものです。なお、今回の訓練移転は単独訓練という位置づけであるため、千歳基地への三沢からの米空軍F-16訓練移転が同時に航空自衛隊のF-15との日米共同訓練を行うのに対し、岩国からのグアムへの訓練移転は米軍単独で実施されることとなります。

北大路機関:はるな

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平成二十五年度七月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2013.07.07)

2013-07-05 22:13:19 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 週末は降るのか降らないのか、暑いのか熱いのか、悩ましい今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。

Gimg_5503 今週末の自衛隊行事ですが、本州と北海道で繰り広げられます。本州は一件だけですが、富士学校祭、静岡県御殿場市の富士駐屯地祭が行われます。陸上自衛隊の普通科機甲科特科の専門教育及び戦術研究に新装備評価を行う部隊で、富士総合火力演習を担当する富士教導団もその隷下部隊です。

File0074 富士教導団は、戦車教導隊、普通科教導連隊、特科教導隊、教育訓練支援施設隊を基幹としており、ここ以外では北海道でなければ見られない装備もあり、機械化されているため見応えは中々のもの、お勧めの行事と言えるのですが、会場が少々見づらいのが難点というところ。

Gimg_0048 北海道は、上富良野駐屯地祭と倶知安駐屯地祭が行われます。上富良野駐屯地は道北の槍というべき重装備部隊の一大根拠地で、第2戦車連隊、第4特科群、第3地対艦ミサイル連隊、第2対舟艇対戦車隊が駐屯、万一北方へ着上陸事案があれば88式地対艦ミサイルが洋上で、沿岸で96式多目的誘導弾が、海岸線をMLRSが、海岸堡を自走203mm榴弾砲が、残る敵を90式戦車と74式戦車が踏み潰すでしょう。

Gimg_1474 倶知安駐屯地、ニセコスキー場で有名な倶知安へは第11師団隷下の第29普通科連隊が駐屯していましたが、冷戦後第11対戦車隊と第28普通科連隊の一部が駐屯、現在は統合され北部方面隊直轄の北部方面対舟艇対戦車隊、方面直轄の第13施設群第361施設中隊、北部方面混成団第1陸曹教育隊などが駐屯しています。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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アメリカ軍、GBI戦略地上配備迎撃ミサイル実験実施を発表、米本土への大陸間弾道弾を想定

2013-07-04 23:26:13 | 先端軍事テクノロジー

◆マーシャル諸島より模擬ICBM発射、西海岸で迎撃

 NHK等の報道によれば、米軍は明日5日、米本土へのミサイル攻撃を想定しGBI(Ground Based Interceptor)をもちいた迎撃実験を行う、とのこと。

Mdimg_6825 迎撃実験では、今回は海上配備型ではなく地上配備型迎撃ミサイルGBIを使用し、アメリカ本土に飛来する大陸間弾道弾を迎撃するという想定で行われ、所謂指揮所訓練やシュミュレーションではなく、実際に太平洋上のマーシャル諸島より模擬大陸間弾道弾をアメリカ本土に向け発射、これを西海岸カリフォルニア州配備の地上配備型迎撃ミサイルの発射により、大気圏外で直撃させ無力化、迎撃を行う、実際のミサイル発射から迎撃までの手順を以て実験を行います。

Mdimg_1185 GBIは航空自衛隊が運用するPAC-3や資料収集を開始したTHAADが中距離弾道弾を想定しているのに対し、大陸間弾道弾の迎撃を想定し開発が進められているもので、宇宙空間へ大気圏外迎撃機EKVを上昇させ、弾道ミサイルを破壊します。GBIについて、その射程は明示されていませんが、試作機では発射用ブースターに射程14000kmの大陸間弾道弾ミニットマンⅡを使用していることから一説には迎撃高度2000km以上、迎撃半径もそれ以上となるとされています。

Mdimg_1967 弾道ミサイルは射程が大きくなればなるほど、飛翔距離と共に落下の速度が増大し、距離の面から対処時間には中距離弾道弾よりも若干の余裕は生まれるのですが、大きくなる落下速度のため、迎撃ミサイルによる迎撃は非常な精度を要し、索敵技術や追尾に関する技術と情報伝送技術の発展により大気圏外迎撃機EKVの開発に成功、一定の目処が立った、とされています。このGBIは現在、アラスカ州フォートグリーリー基地へ24基、カルフォルニア州ヴァンデンバーグ基地へ6基が配備中で、2017年までに更に14基が追加配備されるもの。

Mdimg_8822 今回の実験は、北朝鮮の米本土への核攻撃能力への対処を念頭に置いたものとされます。従来、米本土への核攻撃の脅威は冷戦下のソ連によるものが基本であり、これは相互確証破壊秩序に基づく、核攻撃を一方が行えば双方の陣営が有する膨大な核戦力の全てを投じた報復攻撃が行われることで双方が確実に全滅するため、この現実に依拠して双方とも相互が確実且つ徹底した破壊に曝される確証を以て核戦争抑止となる秩序が、北朝鮮の核開発及び長距離弾道弾開発により対応出来なくなった実情に反映される、というべきでしょう。

Mdimg_2213 北朝鮮の核兵器はこの点で非常に世界へ及ぼす脅威が大きいわけです。所謂核兵器国、これは核不拡散条約発効までに核兵器の保有を明言した国を除き核兵器の保有を禁じた核拡散防止の国際公序ですが、この中で核攻撃に際し、何処の主体による核攻撃であるかを確認する手段が、アメリカとロシアの一部しか有していない実情があり、例えば中国などは核兵器国ですが本土が核攻撃された場合、何処から攻撃されたかをレーダーによる早期警戒網や衛星情報により確認する術を持ちません。

Img_7104a この為、仮にの話ですが事故を含め中国国内で核爆発と認識される爆発があった場合、中国側は相手の宣言が無かった場合、確認が出来ないのです。これに対し、確証を行わず推測で周辺国へ核攻撃を行った場合、これが全面核戦争の引き金と成り得るわけです。こうした観点から、核兵器国を除く核兵器保有は阻止されなければなりませんし、核不拡散防止条約に明示されている核兵器国の核軍縮義務は、現在一国のみ増強されていますが、履行することで、核兵器国以外の核保有国を抑止しなければなりません。

Mimg_6935 加えてGBIの実験は、大陸間弾道弾の飛来を核攻撃と認識し反撃するという冷戦時代の構図が成り立ちにくくなっている実情の反映でも考えることが出来ます。こういうのも、大陸間弾道弾は核弾頭を有するのか、通常弾頭であるのかは着弾までは確認のしようが無いわけで、これまでの冷戦時代に取っていたような、飛翔体確認即核反撃、という構図も例えば北朝鮮が通常弾頭型弾道弾を米本土に発射したのを米軍が飛翔体確認の時点で核攻撃と誤認し、戦略核で反撃する、という構図は難しく、非常に大きなリスクを有するわけです。

Nimg_1403 我が国では野党、一時は連立与党にも加わった野党党首の発言として、一発ならば誤射かもしれない、という名言(迷言)がありますが、大都市が核攻撃された場合、東日本大震災の十倍近いの死者が出ることが1945年の人口35万という広島市への核攻撃で判明しており、誤射であってもこれだけの死者は許容できる国はありません。しかし、飛翔体確認だけで反撃できないのも実情であり、相互確証破壊も成り立ちにくい状況があるわけです。結果、まずGBIという盾で防ぎ、対応を熟慮する、という体制固めへ、GBIの実験の必要性が大きいことが、分かるでしょう。

北大路機関:はるな

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江田島第62期一般幹部候補生・第64期飛行幹部候補生課程修了式詳報① 江田島到着

2013-07-03 23:52:49 | 海上自衛隊 催事

◆練習艦隊近海練習航海・外洋練習航海部隊

 練習艦隊近海練習航海・外洋練習航海部隊、毎年三月から五月にかけ、近海練習航海航海部隊が全国の港に寄港します。

Eimg_01_9760 この近海練習航海部隊には一般幹部候補生修了者が、外洋練習航海部隊には飛行幹部候補生修了者が乗艦しており、近海練習航海部隊は修了式後に遠洋航海として世界へ旅立つ壮大な航路とともに実習を行う任務で、これを以て候補生は実任務へ臨む海上自衛隊幹部自衛官と育つわけです。

Img_9710 海上自衛隊幹部候補生学校は、旧海軍兵学校と同じ江田島に今も置かれ、四方を海に囲まれた我が国の防衛に必要な人材を練成し、送り出し続けています。この日は東日本大震災から一年目にあたりますが、東日本大震災の数日後にあたる2011年も出港行事は行われ、かの終戦の日にも授業を行っていた江田島の何事にも動じない気風を受け継いでいるといえるやも。

Img_9708 何事にも右往左往していたのが、行事が行われた当時の我が国与党、あの日々の無策と過度な宥和政策が候補生たちの将来を危険に曝すのでは、と危惧していた頃ではありますが、実のところ間違ってはいなかった、といえるのか。他方、くらま、初め練習航海任務に参加する艦影が目に入ると、やはり心強い。

Eimg_9715 舞鶴展示訓練に続いて、今回からの海上自衛隊行事詳報は、2012年3月20日に江田島基地幹部候補生学校において行われた第62期一般幹部候補生・第64期飛行幹部候補生課程修了式と、練習艦隊近海練習航海・外洋練習航海部隊出港の模様を紹介しましょう。

Eimg_9719 かの世界の艦船誌初代編集長の方もほんの数年前まで江田島基地へ足を運ばれたことが無かった、とのことですが、実はこの日、2012年3月20日に当方も初めて江田島へ向かいました。練習艦隊は、神戸で大阪で、呉で舞鶴で、横須賀で名古屋で、幾度も見ているのですが、その出港行事に足を運んでみたかった。

Eimg_9732 江田島へは呉か広島からフェリーで足を運ぶのが一般的なのですが、呉からのフェリーは江田島基地へ足を運ぶのに便利な反面、出港の艦隊はほぼ真後ろから眺める形となるそうですから、広島港より江田島基地の対岸へ向かう高速船を利用しました。あっという間に江田島に到着し、近かったことに驚きました。

Eimg_9738 一枚目以降、ここまでの写真はフェリーより撮影したもので、恐らく艦隊の出航を良い角度から撮影することが出来るだろう位置に近い、高田港という場所にて下船しましたが、驚くことに港前のバス停には夕方に二本運行されているのみ、移動手段は徒歩か、恐らくあるだろうタクシー位、これには少しびっくり。

Eimg_9750 高田港から、艦隊の停泊している様子を眺めていますと、海上自衛隊の交通船らしき姿が、式典に関係するのでしょうか、それとも航路哨戒でしょうか、進んでゆくのが見えますが、港からですと地形障害などがあり、撮影するにも海まではやや遠い。

Eimg_9756 そして、広島と言えば牡蠣なのですが、牡蠣筏が物凄く多く浮かんでおり、これには驚きました。実は500円ほど出しますと直営店で山盛りの牡蠣バター炒めなどを楽しめる、広島駅付近で一個数百円で牡蠣食べてるのが悲しくなるほど、豊富な海の幸に恵まれている立地にあるのが、ここ。

Eimg_9763 ヘリコプター搭載護衛艦くらま、今回は外洋練習航海の一員として飛行幹部候補生修了者を乗艦させ、沖縄経由でシンガポールのチャンギ海軍基地へ、護衛艦やまぎり、とともに向かう。これがこの第64期飛行幹部候補生課程修了者参加の外洋練習航海の経路とのこと。

Eimg_9773 護衛艦やまぎり、奥には護衛艦まつゆき、が見えます。海上自衛隊の汎用護衛艦は、あきづき型の就役が始まり、たかなみ型5隻、むらさめ型9隻、あさぎり型8隻、そして除籍開始の、はつゆき型12隻、と整備されてきましたが、はつゆき型の一部は練習艦に転用されています。ただ、護衛艦籍の艦も練習艦隊に参加する。

Eimg_9776 練習艦かしま、第62期一般幹部候補生課程修了者が参加する近海練習航海へは、かしま、に加え、練習艦しまゆき、護衛艦まつゆき、が参加、このため近海練習航海部隊と外洋練習航海部隊を加え五隻が江田島に停泊していることになります、が、やはりこの位置からはよく見えない。

Eimg_9779 もう少しよく見える場所は、ということで当方は移動を開始しましたが、少し歩きますと呉と江田島を結んでいたフェリーが見えてきました、なんとこのフェリーは東日本大震災において気仙沼と大島の航路に当たっていたフェリーが破壊されたため、江田島から気仙沼に行っていた応援フェリーだったのです。官民一体となった震災対処の姿は、此処でも。

Eimg_9782 江田島基地全景、少し歩くだけで風景が開いてきました、早めの時間で江田島に到着したので、散策するには十分な時間があります、このようなかたちで江田島第62期一般幹部候補生・第64期飛行幹部候補生課程修了式詳報を掲載してゆきますので、どうかお付き合いください。

北大路機関:はるな

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千歳基地へ訓練移転・共同訓練、三沢基地より米空軍第35戦闘航空団所属F-16が展開

2013-07-02 23:33:05 | 防衛・安全保障

◆第二航空団F-15と戦闘機戦闘訓練実施

 防衛省によれば、米軍再編に関わる日米合意に基づく三沢基地から千歳基地への訓練移転と共同訓練が行われるとのこと。

Timg_2343 これは米軍再編に関する日米合意において、米軍基地周辺の騒音被害を軽減する観点から行われている訓練移転で、青森県三沢基地の第35戦闘航空団に所属するF-16が北海道千歳基地へ展開、訓練を行うと共に千歳基地の航空自衛隊第二航空団のF-15と北部航空警戒管制団との間で訓練を行う、というもの。

Timg_3832 訓練移転の期間は来週いっぱいの7月8日から12日までとなっており、共同訓練は主として戦闘機戦闘訓練、即ち戦闘機同士の各種状況を想定した訓練が行われる模様で、北部航空警戒管制団が参加しているため航空管制との連携などを含め行うのでしょう。

Timg_2214 米軍基地というと、大半が沖縄に集中しているという印象が大きいですが、これは北部訓練場のような米軍専用の演習場が沖縄にあるため面積として大きい印象がある実情の反映で、その分自衛隊演習場など防衛負担全体では沖縄の過剰負担という実情はある程度均衡です。

Timg_2404 こうしたなか、嘉手納基地や普天間基地に並び本土には岩国基地に横田基地や厚木基地に三沢基地といった航空基地があり、沖縄と同時に本州の米軍基地からの訓練移転も行う正当性が生まれ、対応している一環、といえるのでしょうか。

Timg_2786 参加規模は米軍よりF-16が8機程度で、人員は90名、加えて人員及び物資輸送へ輸送機が参加します。また、航空自衛隊からはF-15が8機程度参加し、共に航空団は36機から40機で編成されており、この規模はタイプⅡ規模に当たると発表されています。訓練空域には北海道西方空域、及び三沢東方空域が用いられます。

Timg_2924 三沢基地には航空自衛隊の北部航空方面隊司令部のほか、F-2支援戦闘機約40機を運用する第三航空団が展開しています。また、元々海軍航空隊の基地として創設されましたので、騒音被害についての実住民の視点はそこまでのものか、と思うところはありますが基地からの騒音被害を分散する、という事は実被害以上の要素を持つといえるのでしょうか。

Timg_2181 なお、三沢基地では同じ基地ということから、F-16との連携などは行われていますが、千歳基地には戦闘機はF-15二個飛行隊のみで、異機種同士の訓練は同機種同士の訓練に対し、機動性や視認性の特性が異なるため意味が大きく、単に訓練に伴う騒音分散以上の日米間での意義があることは言うまでもありません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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