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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十二年度七月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報1

2010-07-01 22:28:41 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 いよいよ初夏を迎える日本列島ですが、今週末の自衛隊関連行事は北部方面隊管区の滝川駐屯地、そして戦車部隊の駐屯する鹿追駐屯地の二つとなっています。

Img_0773  滝川駐屯地祭、滝川駐屯地には第11旅団隷下の第10普通科連隊が駐屯しています。第11旅団は第11師団から縮小改編を受け誕生した部隊ですから、かつての強力な普通科連隊は三個普通科中隊を基幹とする編成に縮小されました。一方でこれまで、北部方面隊の普通科連隊は装甲化された編成と高機動車主体の編成が多かったのですが、こちらは改善されたようです。

Img_7258  第11師団は真駒内の第18普通科連隊が装甲化されていたのですが、ここに装備されていた96式装輪装甲車が分配されるかたちで第10普通科連隊にも配備されたとのことで、伝え聞くところでは更に増強された、という話も聞きました。依然として北部方面隊は陸上自衛隊の打撃力を担う部隊のようですね。

Img_2113  一方で北部方面隊には、107㍉重迫撃砲こそ引退したようですが、106㍉無反動砲が現役の対戦車小隊が編成されていたり、本土部隊では徐々に消えつつある旧型の73式小型トラックが元気に走り回っていたりと、興味深い駐屯地祭となりそうです。もっとも滝川は11旅団管区なのですが、かなり札幌から北上しなくてはならず、遠いのですけれどもね。

Img_99395  第5戦車隊、三個戦車中隊基幹、本部管理中隊も大型で戦車隊長に1佐職が就いていますので、戦車大隊と同格か格上、という事が出来る部隊です。戦車中隊には90式戦車が装備され、帯広駐屯地の第5旅団隷下での機動打撃部隊を担当している部隊です。写真は第5戦車隊のものがなかったので戦車教導隊第五中隊の写真。数年前の総合火力演習に第5戦車隊の戦車が参加したのですが、その年には当方行けませんでしたので、富士教導団の写真で代用です。

Img_0212  第5旅団も第11旅団と同じく、かつては第5師団として道東地区の防衛警備及び災害派遣を担当していた部隊なのですが、冷戦後の北方脅威縮小を背景に師団から旅団に縮小改編されました。ただし、軽装甲機動車や90式戦車の受領、自走化された特科部隊等装備では強力で、編成は小型化されましたが、装備密度は向上しています。

Img_6063  鹿追駐屯地は帯広駐屯地から32km、駐屯地は然別演習場に程近く、付近の展望台からは平日に戦車射撃が見えると聞いたことがありますが、北に大雪山を望み、十勝の大自然に囲まれた駐屯地です、90式戦車の機動力が最大限に生かせそうな立地、というところなのでしょうね。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

7月4日:滝川駐屯地創立記念行事・・・http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/11d/
7月4日:鹿追駐屯地創設記念行事・・・http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/5d/index.html

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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2 コメント

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はるな様 おはようございます。私は那覇の航空祭... (ボンバル)
2010-07-02 06:23:13
はるな様 おはようございます。私は那覇の航空祭と富士火力演習しか見に行ったことがないのですが、やはり可能なら実物は見ておく方が良いと思います。F-15、90式戦車、99式自走砲もかなりの迫力でした。那覇の武器担当の方のAAMの解説は参考になりましたし、基地防空隊の方はとても親切でいろんな新しい情報も聴けました。まだ先ですが、那覇の航空祭もお薦めですよ。ちょっと遠いですが、空いていますし、F-15、P-3C、各種ヘリ、ペトリオット、基地防空隊など見どころ満載でした。今年は近くの駐屯地祭に行ってみたいものです。さて話は変わりますが、F-15改はまだ小松に推定ですが10~20機程度しか配備されていませんが、まあ改修の予算化された分がすべて揃えば約50機弱にはなるのでしょうが、改修出来ない初期の機体約100機はBVRAAMはスパローしか搭載出来ないないようですが中露の新型機と渡り合えるのでしょうか?まあ普通に考えたらそんな事態は少し考えにくいような気もするのですが、はるな様はどう思われますか?また90式戦車は行進間射撃など優れた点も多いですが、一方でC4I能力がないという指摘もあるようです。また、数ではまだ多い74式戦車ですが、想定される脅威に対して防御力は十分なのでしょうか?
ボンバル 様 こんにちは (はるな)
2010-07-02 12:34:16
ボンバル 様 こんにちは

仰る通り、実物は見ておきたいです。京都から旭川だと、神戸空港からのスカイマークが非常に安いのですが、どうも富士学校祭や高射学校祭、航空学校祭を見てしまうと、ちょっと北海道へは距離が、ね。

那覇というと、15旅団創立記念行事も見てみたいですね。西部方面隊の車両を一気に見ることが出来る場所としては、九州の健軍駐屯地祭、というのも興味深いです。

もっとも、こちらだと、空自では近場に小松と岐阜、小牧があり、陸自では阪急沿線で伊丹の総監部、千僧の3師、やや脚を伸ばし近鉄と名鉄乗り継ぎ守山の10師、京都駅から湖西線新快速で今津の戦車、京都市地下鉄からそのまま大久保の施設団、八尾と明野にヘリ部隊、海自では舞鶴が京都府内ですし、少々脚を伸ばせば富士学校、高射学校、横須賀基地があり、それ以上動かなくとも、そこそこ新装備が見れたりします。

F-15ですが、AAM-4の搭載は装着位置のLAU106ケーブルを二箇所に増やして、プログラム改修でセントラルコンピュータと武装プログラム統制装置を改修して、発射後ロックオンに備える司令送信装置と国産のECM装置を改修するで行えるとのことで、いわゆる近代化改修だけではなく、定期整備の際の改修でもMSIP機ならばAAM-4の搭載は行えます。AIM-7よりもAAM-4は価格低減に成功したという事ですから、訓練費用縮減の観点からもAAM-4の搭載は進められるのではないでしょうか。

90式戦車のC4I能力、特に部隊間データリンク欠如は現代としては、確かに問題ですね。陸上自衛隊もそう考えているようで、基幹連隊指揮統制システムReCsの実用化試験を急いでいます。PDAとPCを駆使して情報のやり取りを行う装備で、可搬式ですから、戦車に取り付ける、というよりも隊員が持ち込むというかたちで戦車に、というよりも戦車部隊にC4I能力を付与させうようとしているのですね。

少々昔の記事ですが、全文を朝雲新聞から引用です

【2師団=旭川】2師団は7月7日から同21日まで、陸自で最初に同師団に配備された野外ネットワーク・システム「ReCS(レックス=基幹連隊指揮統制システム)」を使用して19年度第1回師団部隊実験演習を上富良野演習場で行った。
同演習は、25戦闘団(団長・手塚信一25普連長)の錬成訓練を兼ねて行われ、ReCS端末装置を部隊行動間に運用してその能力を見極めるとともに、指揮・幕僚活動は従来に比べどのように変わるかを検証した。
一方、この訓練に合わせて陸自研究本部は「師団等指揮システム」とReCSとの連接検証を、開発実験団はReCS端末の量産確認試験をそれぞれ担任した。
参加部隊が集合した訓練開始式で師岡英行師団長は、「システムを実戦・実行動に結びつけ、役立たせるにはどうしたらよいか頭に置き訓練を」「探究心をもち、システムを最大限活用する統裁に努力せよ」と要望した。
ReCS端末は、GPSを組み合わせた「PDA」と呼ばれる携帯端末装置とノートパソコンで構成。また眼鏡で見た地点の座標や距離を表示できるデジタル双眼鏡なども利用できる。
展開した部隊はPDAで自隊の位置を本部に通報。敵部隊の陣地や車両などの位置や映像もメールで送信可能だ。
大型スクリーンが設置された戦闘団本部には、各部隊からの情報が刻々と届き、彼我の位置情報はスクリーン上のデジタル・マップに映し出され、指揮官・幕僚はこれら情報を分析しながら部隊を動かすことができる。
今回の訓練想定は、「帯広地区を制圧した敵増強機械化連隊が道北の占領を企図して行動を開始。2師団は25戦闘団を先遣して敵を撃破し引き続き戦果を拡張、道東地区の回復を行う」というもので、対抗部隊は戦車部隊などを増強した26普連(留萌)が務めた。この中には部隊研修中の防大学生も配属された。
訓練は16日夕、25戦闘団情報小隊の前進で始まり、続いて連隊主力も徒歩行進を開始。各部隊は移動間も端末装置を使って自己位置を本部に送信した。
やがて前衛の3中隊基幹と戦車中隊が敵の警戒部隊に接触。本部には敵部隊の座標や映像を含む様々な情報が刻々とメールで届き、本部はこれを解析、部隊に対して攻撃計画を伝送した。前線の部隊では、彼我の配置がプロットされた地図情報の提供を受け、的確かつスピーディーな情報共有を行うことができた。
攻撃命令もメールによって行われ、3中隊などの前衛部隊は敵警戒部隊を駆逐。その後、本部からの指示により攻撃部隊は特科大隊を基幹とする部隊に素早く交代、砲迫火力を敵主陣地に集中した。
戦況の推移をReCSで把握した部隊は、総攻撃の準備を急ぎ、本部からの総攻撃命令を受けて一斉に前進を開始し、敵主力を撃破。ここで状況を終了した。
野外に潜んでいた部隊もReCSのネットワークに組み入れられたことで戦況を「戦場の霧が晴れるように」理解。端末を通じ、彼我の部隊が「いま・どこで・何をしているか」手に取るように把握し、自分たちの次の行動を予測することで部隊行動の速度が大きく上がった。
戦闘団本部でも映像を含む最新の情報が刻々と集積され、それを解析することで戦況を確実に把握。これらの情報は一斉に各部隊にも配信され、前線部隊との情報共有が確実に行われた。
一方、野外でネットワークを構成するには通信の安定が絶対的な要件で、通信員への要求も厳しくなることが判明。ネットが途切れないよう、通信構成や維持・運営が部隊を指揮する上で非常に重要になることが改めて再確認された。
ReCSは今後、陸自の普通科連隊、戦車大隊などの部隊に装備し、師団などと連接した連(大)隊~中隊~小隊以下のコンピューター・ネットワークが構成されるが、2師団では今回の実験演習をたたき台に、ReCSなど新指揮システムの運用基盤を強化し、陸自最初の「総合近代化師団」の確立に向けレベルアップしていく。
ttp://www.asagumo-news.com/graph/070823/070823.html

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