■平時の維持に課題大きな難題
病院船、小型のものであれば瀬戸内海等の巡回診療に活用され旧軍は横浜に現存する氷川丸等を特設病院船としていました。
病院船、難しい選択肢ではありますがこの検討も必要であるように思います。病院船が何故難しいか、と問われますと平時に維持する方法が難しいのです、アメリカ海軍のマーシー級病院船、平時には1000床の入院施設をおいており有事の際には2000床まで増床させることができます、手術室も多数維持できているのですが、平時に使い道がないのです。
衛生自衛隊という提案。しかし本論で示すような衛生自衛隊が運用する、という前提で有れば、少なくとも度の部隊が運用するかは明確であり、主任務を陸海空自衛隊の有事における医療支援基盤構築、としまして、副次的に大規模災害時における文民支援、また海外派遣における緊急人道支援任務への対応等を充てれば、その整備に正統性は付与できます。
ただ、繰り返しますが病院船を運用する、という事は簡単ではありません。建造費という部分は筆頭に上がる問題点ではありますが、有事の際にのみ機能させる病院機能を平時に維持する、危機管理という観点からは無駄を容認するという視点は重要なのですが、有事の際に開く実に使える態勢を維持するという運用が、病院船の場合では特に難しいのです。
あてる構想もあったのですが、突発的な有事に際して、平時から大量の患者を引き受けていた場合、つまり1000床を平時から使って有事の際に1000名を増床させ引き受けるという発想ですが、入院している1000名はそのまま戦地に一緒に連れて行くのか、となる。戦場は危険だからと降ろすにしても、これは可能なのでしょうか。
途上国の港に1000名緊急退院して置き去り、というものも人道上問題があります、人道上支援にゆくのですから人道問題は引き起こしたくはないでしょう。病院船は平時にはモスボール状態で保管しておく、との選択肢もありますが、モスボールから復帰は時間を要し医療器材は平時から点検が必要となりますし、即応体制に置くことも簡単ではありません。
特に2000床の、京都府立病院の七倍か、そのための必要な医師と看護士を確保することも簡単ではありません。病院船に用いられる艦艇は実は自衛隊にあります、特務艇はしだて。平時には迎賓艇として用いられる、特務艇ひよどり後継艇ですが、各国海軍が有する迎賓艇を海上自衛隊は伝統的に退役した駆潜艇を用いていました、が、ここで一つの変化が。
自衛隊で駆潜艇の運用が終了し転用させるべき駆潜艇がなくなったために特務艇を改造ではなく一から新造したのですね。新造に当たって迎賓専用の艦艇を導入することは妥当性に問題があると考えられたのでしょうか、大規模災害時には病院船に転用する、という。横須賀地区病院の医官などが任務に当たるという、24時間で転用できる、との話もある。
はしだて運用の準備についてこう記しますと、出来るではないか病院船、と云われるかもしれませんが、これ、はしだて排水量は500t規模でして、40000t規模のマーシー級とは比較にならないのですね。入院病床数も40程度、40と2000では桁が違う。病院船は大きすぎては管理できず小さすぎては対応できない、難しい問題があります。ただ、方法はある。
病院船、自衛隊の病院船に関する難題は日本列島が日本海と太平洋に分かれており、その迅速な展開に海洋の距離という問題があるためです。この命題について一つの視点は、基準排水量2000t級の輸送艦、退役した、みうら型と同程度の船体を複数建造し、現地で複数の病院船をメザシ係留、洋上で接続し一つの大型病院船とする選択肢はどうでしょうか。
大型病院船の問題点は維持することが難しい、しかし小型病院船では必要な医療需要に対応できない、故に複数の中型病院船を海上で連結する、という選択肢です。みうら型を一例と出したのは、ガントリークレーン部分を省くならば前甲板にヘリコプターの発着が可能で、負傷者の迅速な航空搬送に対応します。もちろん、ビーチングして揚陸もできます。
ゆら型の写真しかないなかで恐縮ですが、複数の船舶を洋上で連結する方式はアメリカ海軍が遠征部隊の展開に洋上基地を供するシーベイシング構想を参考としたもので、逐次投入のように現地へ展開した病院船を順次連結する方式ならば、最初に被災地へ展開した病院船から医療支援を展開可能です。ガントリークレーンは基本的に揚陸艇の揚収用であり、病院船としての任務には必要ありません。
戦車揚陸艦方式の輸送艦みうら型を提案する背景には、ヘリコプター搭載護衛艦はるな型建造に際しての着艦拘束装置ベアトラップの評価試験を実施したのが、戦車揚陸艦LST-1型を供与された初代おおすみ型輸送艦の輸送艦しれとこ艦上、海上自衛隊以外にアメリカ海軍が朝鮮戦争において航空支援艦として救難ヘリコプター運用拠点に転用しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
病院船、小型のものであれば瀬戸内海等の巡回診療に活用され旧軍は横浜に現存する氷川丸等を特設病院船としていました。
病院船、難しい選択肢ではありますがこの検討も必要であるように思います。病院船が何故難しいか、と問われますと平時に維持する方法が難しいのです、アメリカ海軍のマーシー級病院船、平時には1000床の入院施設をおいており有事の際には2000床まで増床させることができます、手術室も多数維持できているのですが、平時に使い道がないのです。
衛生自衛隊という提案。しかし本論で示すような衛生自衛隊が運用する、という前提で有れば、少なくとも度の部隊が運用するかは明確であり、主任務を陸海空自衛隊の有事における医療支援基盤構築、としまして、副次的に大規模災害時における文民支援、また海外派遣における緊急人道支援任務への対応等を充てれば、その整備に正統性は付与できます。
ただ、繰り返しますが病院船を運用する、という事は簡単ではありません。建造費という部分は筆頭に上がる問題点ではありますが、有事の際にのみ機能させる病院機能を平時に維持する、危機管理という観点からは無駄を容認するという視点は重要なのですが、有事の際に開く実に使える態勢を維持するという運用が、病院船の場合では特に難しいのです。
あてる構想もあったのですが、突発的な有事に際して、平時から大量の患者を引き受けていた場合、つまり1000床を平時から使って有事の際に1000名を増床させ引き受けるという発想ですが、入院している1000名はそのまま戦地に一緒に連れて行くのか、となる。戦場は危険だからと降ろすにしても、これは可能なのでしょうか。
途上国の港に1000名緊急退院して置き去り、というものも人道上問題があります、人道上支援にゆくのですから人道問題は引き起こしたくはないでしょう。病院船は平時にはモスボール状態で保管しておく、との選択肢もありますが、モスボールから復帰は時間を要し医療器材は平時から点検が必要となりますし、即応体制に置くことも簡単ではありません。
特に2000床の、京都府立病院の七倍か、そのための必要な医師と看護士を確保することも簡単ではありません。病院船に用いられる艦艇は実は自衛隊にあります、特務艇はしだて。平時には迎賓艇として用いられる、特務艇ひよどり後継艇ですが、各国海軍が有する迎賓艇を海上自衛隊は伝統的に退役した駆潜艇を用いていました、が、ここで一つの変化が。
自衛隊で駆潜艇の運用が終了し転用させるべき駆潜艇がなくなったために特務艇を改造ではなく一から新造したのですね。新造に当たって迎賓専用の艦艇を導入することは妥当性に問題があると考えられたのでしょうか、大規模災害時には病院船に転用する、という。横須賀地区病院の医官などが任務に当たるという、24時間で転用できる、との話もある。
はしだて運用の準備についてこう記しますと、出来るではないか病院船、と云われるかもしれませんが、これ、はしだて排水量は500t規模でして、40000t規模のマーシー級とは比較にならないのですね。入院病床数も40程度、40と2000では桁が違う。病院船は大きすぎては管理できず小さすぎては対応できない、難しい問題があります。ただ、方法はある。
病院船、自衛隊の病院船に関する難題は日本列島が日本海と太平洋に分かれており、その迅速な展開に海洋の距離という問題があるためです。この命題について一つの視点は、基準排水量2000t級の輸送艦、退役した、みうら型と同程度の船体を複数建造し、現地で複数の病院船をメザシ係留、洋上で接続し一つの大型病院船とする選択肢はどうでしょうか。
大型病院船の問題点は維持することが難しい、しかし小型病院船では必要な医療需要に対応できない、故に複数の中型病院船を海上で連結する、という選択肢です。みうら型を一例と出したのは、ガントリークレーン部分を省くならば前甲板にヘリコプターの発着が可能で、負傷者の迅速な航空搬送に対応します。もちろん、ビーチングして揚陸もできます。
ゆら型の写真しかないなかで恐縮ですが、複数の船舶を洋上で連結する方式はアメリカ海軍が遠征部隊の展開に洋上基地を供するシーベイシング構想を参考としたもので、逐次投入のように現地へ展開した病院船を順次連結する方式ならば、最初に被災地へ展開した病院船から医療支援を展開可能です。ガントリークレーンは基本的に揚陸艇の揚収用であり、病院船としての任務には必要ありません。
戦車揚陸艦方式の輸送艦みうら型を提案する背景には、ヘリコプター搭載護衛艦はるな型建造に際しての着艦拘束装置ベアトラップの評価試験を実施したのが、戦車揚陸艦LST-1型を供与された初代おおすみ型輸送艦の輸送艦しれとこ艦上、海上自衛隊以外にアメリカ海軍が朝鮮戦争において航空支援艦として救難ヘリコプター運用拠点に転用しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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災害対応を海上で指揮するの為に、ヘリコプターとエアークッション型揚陸艇も病院船に必要とか??
イメージ図も公開してましたが、サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦にタンカーのヘリポートが数個付いてなければ似ていました。
なので、構想中の陸自揚陸艦に病院機能を持たせれば良いと思います。
揚陸艦は専守防衛の主旨から外れる攻撃的な艦種なので、災害対応型輸送艦と呼ぶ事になりそうですね。
話を戻します。
病室船は、厚生省から海保が運用を委託され、平時は無医村島を巡るのが、ベストかな?
欲を言えば、災害時は警察と消防の海上指令基地としても利用できればと思います。