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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

宮古島自衛隊ヘリ遭難事件-UH-60JA搭乗の第8師団長依然行方不明,航空救難体制拡充の必要性

2023-04-08 07:00:17 | 防衛・安全保障
■航空救難の遅れを懸念
 不明ヘリコプターは依然発見されませんが、不明者の中に師団長の他に1佐が搭乗しており第8師団の幕僚長なのではと心配しているところです。

 航空機が墜落した場合でもビーコンにより墜落した位置が即座に特定できる為に高速の救難機は不要になったことで順次U-125救難機は廃止される。こう政府が決定したと報じられた際に、それならば何故小松基地で発生したF-15DJ戦闘機墜落事故、飛行教導群司令搭乗のF-15DJが小松基地を離陸直後に墜落した際、使わなかったのかと思ったものです。

 ビーコン、航空機は異常が無ければ情報が発信されたのでしょうが、異常の無い航空機はそもそも墜落しません、そして日本航空や全日空は捜索救難機を有していませんが、自衛隊が救難機を運用するのは、航空戦闘という通常の航空機運用の枠外に備える為であり、防衛という任務領域は当たり前でしょうが、危険を認識しなければならない位置にある。

 航空救難、今回のヘリコプター事故とともに、縮小する方針を政府は示していますが、逆に拡大しなければならないのではないか、と考えます。U-125救難機は老朽化が問題であれば、例えば同じU-125を飛行点検機に運用していた飛行点検隊が後継機にU-680Aを選定していますので、航空救難団もU-680Aを採用するという選択肢があるかもしれません。

 UH-60J救難ヘリコプターだけで機種統合するならば、例えば九州沖縄では、宮古島や大東島、奄美大島や対馬と五島列島に救難隊を新設するなど、高速のU-125を廃止するならば、その分は事故想定海域の近くに航空救難部隊を増強するという選択肢が考えられますし、UH-60Jの一部をV-22可動翼機のような速度の速い機体に置換える選択肢も必要でしょう。

 UH-60JAについて。これは場を改めて考えるべきなのでしょうが、UH-60Jと異なりUH-60JAの墜落事案は今回が初です。一方でVIP輸送などにも用いる航空機である為、間違いが在ってはならない航空機でもあります。その一方で気になるのは、この10年間で陸上自衛隊ヘリコプター保有数が劇的に縮小しており、大半の部隊が定数割れの状況です。

 ヘリコプター数激減の原因は、云うまでもなく深刻な予算不足であり、東日本大震災の頃に酷使した機体を補填せず、観測ヘリコプターは全廃、UH-60JAに統合する計画が在った多用途ヘリコプターは安価なUH-1JとUH-2とで混成運用となり、対戦車ヘリコプターと戦闘ヘリコプターも全廃方針です。この泥縄的な縮小が、運用に影響していないのか、精査が必要です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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