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ウクライナ情勢-ワグネル"六月の十五時間騒擾"とウクライナ軍ドニエプル川渡河,ロシア軍東部再攻撃動向

2023-06-27 07:00:39 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ショイグ国防相が先日東部戦線を視察しましたがロシア軍は東部戦線での反撃いや再攻勢を開始しました。ストームシャドウミサイルの間接的な影響であり、自衛隊にもこの種の装備配備を急ぐ必要が。

 ロシア軍は6月21日までに東部戦線において反撃に出た可能性があります、ウクライナ軍は前線突破を試みるも無理な攻撃は避けており、一方でシェービング近郊のロシア軍物資集積所が長距離精密攻撃により破壊されるなど、防御部隊が相手の前線突破による消耗を待って逆襲部隊を投入するよりも先に逆襲部隊で野戦を挑んでいる構図でしょう。

 ウクライナ軍の意図は不明ですが、ロシア軍の逆襲部隊早期投入は1945年5月の沖縄戦における第32軍総攻撃と重なる部分があり、防御陣地を構えていながらこれを放棄し攻撃前進する選択肢は必ずしも戦術的合理性に見合っていません。ただ、ウクライナ軍の意図は不明であり、現在のところ数週間単位で戦線の動静を見守る必要がありそうです。
■ルガンスク州クレミナ
 日本が想定するロシアの脅威はこうして粘り強く何度も栗和えされるという認識が必要だと思います、今の認識は甘いようにも思う。

 東部戦線におけるロシア軍の再攻勢はルガンスク州クレミナ近郊にあるセレブリャンカで開始されています。ただ、これは突発的な攻撃ではなくロシア国防省からの可能な限り前進し戦果を拡張せよとの命令によるもので、他方でこの前進はウクライナ軍の防御戦闘によりロシア軍が少なくない損耗を強いられていて、突破口は開かれるに至っていません。

 ウクライナ軍の反撃については、東部戦線と南部戦線の三か所で展開されていて、二週間に渡る戦闘を経てロシア軍縦深防御陣地の概要を把握し始め、これによりウクライナ軍は徐々にではあるが着実な前進を開始しているということ。なお、三か所での攻撃前進の内、ウクライナ軍の攻撃主軸は6月27日の時点でもなお、不明となったまま継続中です。
■ドニエプル川を渡河
 ロシアのワグネルによる六月の十五時間事件が展開していた最中にウクライナ軍は渡河作戦を成功させた。

 ウクライナ軍はドニエプル川を渡河に成功したもよう。この渡河作戦はアントノフスキー橋周辺において実施されており、一連の行動はストームシャドウミサイルによりウクライナ軍が破壊したチョンガル橋により、ロシア軍のクリミア半島への交通路が制限されており、残る一本の経路を遮断する構えという。渡河に成功した規模は目下不明ですが。

 アントノフスキー橋付近での渡河作戦は、装甲車複数と河川フェリーにより少なくとも戦車小隊一個規模の部隊を送ったもようで、その後の戦果拡張が行われているのか、一種の陽動であるのかは不明です。渡河地点周辺ではロシア軍との戦闘が始まっていて、一方でロシア軍はドニエプル軍集団から兵力を抽出しバフムト支援に充てている盲点が突かれた。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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