北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

防衛省改革 基本方針を『統合幕僚会議が自衛隊運用』へ

2008-12-10 22:35:35 | 国際・政治

■2010年に向けての防衛省改革

 防衛省は、2010年に向けての組織改編を進展させている。その組織改編の概要の一部が発表されたので、掲載したい。

Img_9544  今回の改革は、不祥事の再発防止を目的として2010年に抜本的な改革を行うことが目的である。ここで、第一に、防衛省内局・統合幕僚会議・陸海空幕僚監部において、防衛省内局の背広組(国家公務員試験Ⅰ種及びⅡ種を経て入省した公務員)と制服組(防衛大学校や一般大学などから幹部候補生学校を経て入省した公務員)が協同することが必要という改革が盛り込まれている。これにより、統合幕僚会議に背広組から副長級の役職を得る、また、内局の防衛政策局の次官級に制服組を充当する。これにより内局の権限は大幅に見直されることとなるようだ。

Img_2380  第二に自衛隊運用に関する業務は、現在、内局の運用企画局が所管しているが、この体制を統合幕僚会議の権限を拡大することで代える。つまり自衛隊運用の所管を内局から統合幕僚会議に移管するという改革を行う。結果的に、内局の運用企画局は廃止されることとなる。第三に内局、各幕僚監部の防衛力整備部門を統合して、防衛力整備に関わる諸政策を一元的に取り扱う部局を新しく内局に設置する。そして第四に自衛官の教育内容、特に歴史に関する部分はバランスを重視する。

Img_9642  防衛省の内局制度は、軍事的合理性だけでは判断できない問題を取り扱う制度として導入されたものである。そもそも、自衛隊という軍事機構は、軍事的合理性に基づいて作戦計画の立案や、装備体系の構築と選定装備化などを実施するのだが、軍事的合理性だけでは、例えば統治行為に及ぶ政治問題に対しては判断を及ぼすことが必ずしも的確ではなく、例えば世界政治、国際関係、国内情勢について、国務大臣である防衛大臣を補佐し、国土防衛という任務を一丸となって遂行することが、その設置された目的である。

Img_0264  防衛力整備と、命令分野において、とくに自衛隊の運用を司る命令分野において、内局と幕僚監部の関係や、役割分野の分担を如何にして画定するかが、防衛庁発足以来の課題であり、防衛省にも引き継がれた問題であった。特に自衛隊運用の面では、制服組と背広組の協同に関するあり方が検討されていたが、混成による協同、というかたちにて決着がつくようである。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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