アールグレイ日和

春畑 茜(短歌人+里俳句会)のつれづれ。
降っても晴れても、そこにサッカーはある。

「題詠マラソン2005」投稿歌(088~095)

2005年03月15日 19時02分11秒 | 短歌あれこれ
「題詠マラソン2005」投稿歌8首(春畑 茜)。


088:食
誰も誰もおのれを生くるほかになし時にさびしくもの食みながら


089:巻
最晩年かも知れぬ日よ巻雲の白かろらかに朝をうかべる


090:薔薇
吊るされて薔薇は四月を乾びゆくはやひらき得ぬみずからを抱き


091:暖
暖色のトマト投げ合う祭り見ゆ画面のなかの遠きイスパーニャ


092:届
永遠に眠れる耳に届けたし「ジュピター」のその銀色(ぎん)の旋律


093:ナイフ
その昔ナイフありけり春愁に色鉛筆の瑠璃を削りき


094:進
進々堂立つ北山も春ならむ訪わざるままに六年は過ぎ


095:翼
なかぞらに翼のちから見せながら燕は飛べり五月の街を


(ついに、あとのこり5首になりました)