藤原龍一郎さんが入院(検査入院とのこと)された。この話は先日東桜歌会のあとにOさんから聞いていて、こころの準備をしていたはずなのに、いざ現実となると、やはりこたえてしまう。お元気になられることをせつに願う。
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藤原さんからいただいた宿題を考え、題詠マラソンの歌を考え、「短歌人」5月号の歌を考え、とにかく一日中短歌のことばかり頭にある。なかなか進まないので推敲のために音読すると、子供がうれしそうな顔をして寄ってくる。
おさなかった頃、祖父が読み上げてくれた百人一首のひびきを今でもぼんやりと思い出す。すこし枯れた声で、それでもそれはとてもうつくしい調べだった。祖父が亡くなってもうかれこれ25年になる。最後の3、4年は意識ははっきりしていたが、ずっと寝たきりだった。その祖父のことは一昨年ぐらいからようやく歌にできるようになった。寝たきりの祖父と暮した歳月の、そこはかとないひかりや影を、いまではなつかしく思う。
寝たきりの祖父に幾たび運びしか吸飲みのそのしずかなひかり
春畑 茜(「短歌人」2003年11月号)
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藤原さんからいただいた宿題を考え、題詠マラソンの歌を考え、「短歌人」5月号の歌を考え、とにかく一日中短歌のことばかり頭にある。なかなか進まないので推敲のために音読すると、子供がうれしそうな顔をして寄ってくる。
おさなかった頃、祖父が読み上げてくれた百人一首のひびきを今でもぼんやりと思い出す。すこし枯れた声で、それでもそれはとてもうつくしい調べだった。祖父が亡くなってもうかれこれ25年になる。最後の3、4年は意識ははっきりしていたが、ずっと寝たきりだった。その祖父のことは一昨年ぐらいからようやく歌にできるようになった。寝たきりの祖父と暮した歳月の、そこはかとないひかりや影を、いまではなつかしく思う。
寝たきりの祖父に幾たび運びしか吸飲みのそのしずかなひかり
春畑 茜(「短歌人」2003年11月号)