アールグレイ日和

春畑 茜(短歌人+里俳句会)のつれづれ。
降っても晴れても、そこにサッカーはある。

「題詠マラソン2005」投稿歌(023~035)。

2005年03月03日 15時11分18秒 | 短歌あれこれ
「題詠マラソン2005」投稿歌13首(春畑 茜)。


023:うさぎ
なきうさぎゆめみるうさぎ野に春のはつか匂える朝をめざめよ


024:チョコレート
音生(あ)れてチョコレートいちまいなりしかたちは壊れ壊れつづくる


025:泳
泳ぐとうフシギナチカラ見せながら何処へもゆけぬ水族の群れ


026:蜘蛛
蜘蛛怖し女の蜘蛛のなお怖しさらりとかわす男はさらに


027:液体
液体のうえにさらなる液体を注ぐ時間を宴と呼べる


028:母
母国語と呼べども父国語はあらず窓のひかりを降(くだ)るしらうめ


029:ならずもの
なまけもの生煮えのものならずものそれぞれの曳く春のかなしみ


030:橋
そのうえをひとのかなしみ渡るとき橋はやさしくゆうぐれを揺る


031:盗
盗まれてしまいし傘の向日葵よ今宵いずくの雨にひらける


032:乾電池
乾電池にも寿命あるさびしさやもうあかんねん、そう、あかんねん


033:魚
魚座ゆえさくらめーるはアバウトに。桜咲いたらおたよりします


034:背中
背中にはわが子ひとりをぶらさげて光が丘の春をあゆめる


035:禁
まさびしく無駄な努力を見せながら夫は舐めおり禁煙飴を