ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「2020年冬ドラマ」―2

2020-01-19 21:00:35 | TVドラマ全般









 
☆『10の秘密』#01 (フジテレビ系列・火曜夜9時枠)

離婚を切り出された建設確認検査員の主人公(向井 理)が1本の電話と娘の誘拐をきっかけに、関わりを持つ人間の“秘密”を否が応でも知ってしまう過程を描いたサスペンスドラマ。

主人公を含め登場人物全員に裏の顔があり、なにか重要な秘密を持ってることを匂わせるだけ匂わせて、何ひとつ答えを示さないまま次回へと引っ張る、究極に「あざとい」ドラマ創り。ここまで徹底してるとむしろ清々しいですw

隠されると知りたくなるのが人間の性ですから、ついつい引っ張られて観ちゃうんだけど、知ったところで大した感慨は無いのが眼に見えてます。所詮は他人が机上で考えて作ったゲームですから。

でも観てる間は楽しめますから、暇潰しにはもって来いかも知れません。時間が有り余ってる方にはオススメしておきます。

ポートレートは誘拐される娘を演じる山田杏奈さんと、保育士役の堀田茜さん。ほかに仲間由紀恵、仲里依紗、渡部篤郎、佐野史郎、名取裕子、といったキャスト陣が脇を固めておられます。


☆『恋はつづくよどこまでも』#01(TBS系列・火曜夜10時枠)

円城寺マキさんによる少女漫画を映像化したラブコメディ。

恋に恋する女子高生(上白石萌音)が道端で心臓発作を起こした主婦を見つけ、アタフタしてたら通り掛かりのイケメン医師(佐藤 健)が全てをズバッと解決。

運命を感じた女子高生はイケメン医師と再会すべく看護師を目指し、みごと同じ病院に配属されるも、彼は「魔王」とあだ名されるほどの毒舌ドS野郎だった!

私にとっては究極にどーでもいい話なんだけどw、上白石萌音さんのハツラツとしたお姿を拝見すると癒されるので、それだけを目的に観ました。

人の生死を扱う職場でラブコメをやっちゃう不謹慎さに対する批判は、当然ながら覚悟の上だろうと思います。実際、そんな自分に疑問を抱くヒロインの葛藤も描かれて、そこはちょっと安心しました。

けど、それだけにヒロインが弾け切れず、笑いを取るところまで行ってないのが残念なところ。笑えなければごく普通のお仕事ドラマ、しかも今シーズン5本も被ってる(!)医療ドラマの1本に過ぎず、そもそも企画に無理があったと思わざるを得ません。

水着グラビアはヒロインの同僚ナースを演じる吉川愛さん。ほか、平岩紙、ミキ、瀧内公美、片瀬那奈、香里奈、蓮佛美沙子、山本耕史、といったキャスト陣が脇を固めておられます。


☆『病室で念仏を唱えないでください』#01(TBS系列・金曜夜10時枠)

こやす珠世さんによる医療マンガを映像化した作品。同じTBS系でコミック原作の医療モノ、しかもコメディータッチの作品が2本被ってるという、笑うに笑えないネタの枯渇状態が、まず破滅です。

とはいえ、もう医療モノは観ないつもりだった私が初回だけでも観てみる気になったのは、コメディータッチだからこそ。

やはり今シーズン放映中のフジテレビ系列(木曜夜10時枠)『アライブ/がん専門医のカルテ』みたいに泣かせる気マンマンの感動系は、どんなに質と評判が良くても私はパスします。

しかしホント、日本のTVドラマはそのうち全部医療モノになっちゃうのでは? もう既にお腹いっぱい、せっかく好感触だった『トップナイフ』も続けて観る気が失せました。確実に自分の首を絞めてますよ、テレビ業界の皆さん方。これでいいと本気で思ってるんですか?

で、この『病室で念仏を唱えないでください』は、なぜか僧侶(伊藤英明)が救急医を兼業してるという、これまた思いきった変化球。

よっぽどネタが無いんだなと冷笑するのは簡単だけど、人の生死を扱う職場を宗教の観点から考えてみるっていうのは、これまで有りそうで無かったユニークな発想かも知れません。

僧侶と医者の兼業っていうのが現実にあり得るのかどうか分からないけど、両者が切っても切れない関係にあるのは確かですから、それほど突飛な設定でもないと私は思います。

ストーリー自体は、腕は確かだけど人間として未熟な主人公が、救命の現場で揉まれながら医者として僧侶として成長していく青春ドラマであり、悟りきった坊さんが説教を垂れるような話じゃなくて安心しました。

主人公にとって障壁となりそうなエリート医師(ムロツヨシ)等、本当に必要なのかどうか判んないキャラは何人かいるけど、その辺はあと何話か観ないと結論は出せません。

私はたぶん(医療モノは飽き飽きなので)もう観ないけど、決して悪くないドラマゆえ一見の価値アリ、とだけ書いておきます。

足の裏&脇の下ショットは新米ドクター役の松本穂香さん。ほか、中谷美紀、唐田えりか、宮崎美子、余貴美子、萩原聖人、堀内健、泉谷しげる、といったキャスト陣が脇を固めておられます。
 
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『ケイジとケンジ/所轄と地検の24時』2020

2020-01-18 01:19:56 | 刑事ドラマ HISTORY










 
2020年の冬シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜9時「木曜ドラマ」枠で全9話が放映された、テレ朝&アズバーズ制作、そして福田靖さんのオリジナル脚本による刑事&検事ドラマ。

これはなかなかイイ! 私はハマりそうです。派手さも謎解き要素も無いから若い世代にはウケないかも知れないけど、それは創り手も承知の上だろうと思います。

なにしろ主人公の1人である仲井戸豪太(桐谷健太)は神奈川県警横浜桜木警察署、つまり所轄の刑事課強行犯係に配属されたばかりの新米刑事で、元体育教師という異色の経歴を持ち、リバーシブルのブルゾンを愛用する純情&熱血野郎!

なので「リバーシブル」っていうあだ名をつけられそうになるし、美人の妹=みなみ(比嘉愛未)とマンションで同居してるし、係長の多胡(矢柴俊博)は裕次郎を気取って見せるしで、これは明らかに『太陽にほえろ!』はじめ昭和の刑事ドラマにオマージュを捧げた世界観。

しかもハイセンスでギャグが滑らない! 昭和ドラマをネタにするのはいいけどセンスまで前時代的で笑えない作品が多い中、この『ケイジとケンジ』は令和という新時代に相応しいサジ加減を心得てます。『太陽~』パロディでちゃんと笑えたのは『デカワンコ』&『コドモ警察』以来かも?

陰気な刑事ドラマばかり創られて心底辟易してる昨今だけに、この明るさとセンスの良さは私にとってオアシスそのもの。

もちろん笑えて楽しくて懐かしいだけじゃなく、横浜地方検察庁みなと支部の若手検事=真島修平(東出昌大)をもう1人の主人公に据え、本来なら畑も身分も違うリバーシブル刑事とコンビを組ませ、ぶつかり合いながらも共に世の理不尽に立ち向かう姿を描き、これまでありそうで無かった組み合わせによるバディ物として新鮮さも味わわせてくれます。

初回は、そんな二人の出逢いが描かれました。仲井戸刑事が着任して初めて捕まえた窃盗犯が、よりによって教師時代の教え子だった!という、これまた昭和の匂いがプンプンする幕開けで、その事件を担当するのが真島検事。

頭が良すぎて世間と感覚がズレてるせいか、なかなか重要案件を任せてもらえない真島は、そのコソ泥が1年前の空き巣で住人を突き飛ばし、死なせた可能性があることに気づき、がぜん張り切ります。過失致死にせよ殺人事件を扱えば検事としてハクがつくってワケです。

一方、仲井戸は元教え子に肩入れするあまり、亡くなった住人が持病を持った老人で、突き飛ばされたことが死因じゃなかった可能性を主張する。これを殺人事件にしたい検事と、したくない刑事が真っ向から対立するワケです。

けど、仲井戸に一目置いてる署長の大貫(風間杜夫)が言うんですよね。元教え子に肩入れするのもいいけど、他にもっと気持ちを汲むべき相手がいるんじゃないのか?って。それで目が覚めた仲井戸は、殺人としての立件をすべきか否かの判断を、亡くなった住人の遺族に託します。

一方、立件したくてしょうがなかった筈の真島は、最終的にそれを見送る決断をするんですよね。今となっては直接の死因を立証するすべが無く、当然のことではあるけど自分のエゴで被告の罪を重くしちゃいけないと気づいたワケです。疑わしきは、罰せず。

上司の樫村部長検事(柳葉敏郎)はどうやら、真島がそれに気づいてくれることに期待して、あえてこの件を担当させたみたいです。一見冷血漢で真島を突き放してるように見えるけど、実はそうやって彼の成長を促してるんでしょう。

かように登場人物たちの配置にムダがなく、それぞれのキャラクターが多面的で魅力的。こういうドラマは裏切りません。信用できます。

検事の真島は、刑事の仲井戸をいくらでも見下せる立場にいるのに、片想いしてる同僚=立会事務官(秘書みたいな役職?)のみなみが彼の妹だったもんだから頭が上がらないっていう、上下逆転の関係がまた可笑しくて和みます。

このドラマには陰湿さがカケラも無い! ゆえにダークな作風を好む人にとっては面白くないかも知れません。でも、いいじゃないですか。たまにはこういうノーテンキな作品があっても。

結局、住人の死因は不明のまま終わっちゃったけど、全然それでいいんです。これは若い刑事と検事の成長を描く青春ドラマなんだから。

もし、シロかクロかハッキリさせてくんないと納得できない!なんて文句を垂れる視聴者がいるとしたら、それは犯人当てゲームみたいな刑事ドラマばかり量産してきたテレビ制作者たちの自業自得。テレビ朝日さんの責任は特に重いかも知れません。

だからこそ、そのテレ朝さんがこういうノリの刑事ドラマを生み出してくれた意外性も嬉しいし、私はがぜん支持したいと思います。

こういうのもタイミングなんですよね。軽いノリのドラマが主流だった頃なら、もしかすると鼻にも掛けなかったかも知れません。

セクシーショットは、仲井戸の同僚刑事=毛利ひかるに扮する今田美桜さん。ほか、若手刑事に磯村勇斗、真島のライバル検事に渋谷謙人、その立会事務官に奥山かずさ、ベテラン検事に峯村りえ、その立会事務官に西村元貴、そして主人公たち行きつけの小料理屋を営む元裁判官=宮沢かほりに奥貫薫、といったキャスト陣が脇を固めてます。
 

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「2020年冬ドラマ」―1

2020-01-15 22:22:12 | TVドラマ全般






 
☆『知らなくていいコト』#01 (日本テレビ系列・水曜夜10時枠)

大石静さんによるオリジナル脚本で、スクープを狙う週刊誌記者の吉高由里子さんが、自分自身に関する人生最大のスクープにぶち当たり、悪戦苦闘するというお話。

映画評論家の母親(秋吉久美子)が病死する寸前、ヒロインに言い遺した言葉が「あなたの父親はキアヌ・リーブスよ」っていうw、なかなかぶっ飛んだ幕開けにワクワクしたのも束の間。

ヒロインが自らの出生を調べていくと、どうやら本当の父親(小林薫?)は連続殺人犯として服役し、出所したばかりの男だった!という、ミステリーとしては凡庸な展開になって超ガッカリ。

誰が父親でも関係ない!って言ってプロポーズしてくれた筈の恋人(重岡大毅)が「やっぱり殺人犯の子供は作れない」とか言って(まだ真相がハッキリしてないのに)婚約を撤回するなど、十字架を背負わされてしまったヒロインの苦難が描かれていく模様です。

結局キアヌの件は我々の興味を引く為だけのネタだったのか、あるいはもう一捻りあるのか知る由もないけど、少なくとも実名を出してる以上(いくらキアヌが寛大な人でも)本当にヒロインが隠し子だったり、ご本人がサプライズで出演してくれるようなことは有り得ない=今後はごく普通のミステリー(プラスお仕事ドラマ)になっちゃうこと必至なので、私が観続ける理由は見当たりません。

おしり画像はヒロインと同じ編集部の記者を演じる関水渚さんです。


☆『ランチ合コン探偵/恋とグルメと謎解きと』#01(日本テレビ系列・木曜深夜枠)

恋にもグルメにも謎解きにも全く興味が無い私ですが、ショートカットの山本美月さんが可愛いもんで観ちゃいました。水生大海さんの推理小説を映像化した深夜ドラマです。

本当に、変人キャラを演じる美月さんとその相方=トリンドル玲奈さんの可愛らしさ以外、私の眼を引くものは何もありませんでした。

内容としては主役2人が「ランチ合コン」で出逢ったイケメンたちと、グルメランチしながらの会話を通して、彼らの身辺で起こったミステリーの謎を解いて行くという、これまた女性視聴者の嗜好しか念頭にない(そして原作者があからさまにドラマ化を狙って書いた)もので、私が続けて観る理由はどこにもありません。そうと分かってて観ましたw

ただ、殺人が絡まない日常のミステリーには新鮮味があり、これがもし気楽に観られる30分枠だったら、息抜きに観るには悪くない番組になったはず。よっぽど興味が無いと観る気になれない1時間枠なのが、実に惜しいです。


☆『トップナイフ/天才脳外科医の条件』#01(日本テレビ系列・土曜夜10時枠)

天海祐希さんが主演ということで観てみました。医療モノって、久しぶりに観ると面白いですねw

私がこのジャンルを無視するようになったのは決して嫌いだからじゃなく、あまりに量産され過ぎて単純に飽きちゃったから。それは刑事モノにも言えることだけど、あっちは隈なくチェックするのが私の仕事だから仕方がないw

この『トップナイフ』はドクターXみたいに極端なキャラクターが登場せず、かと言って号泣必至のヒューマン路線でもなく、これといった特長が無いせいか「普通すぎる」と世間じゃ不評(打倒ドクターX的なタイトルが裏目に出た?)みたいだけど、私は逆にそのノーマルさにこそ心地好さを感じました。

つまり、医療ドラマ本来の面白さって、西部劇みたいなキャラクターとか病院内の醜い権力争いとかじゃないんじゃないの?と。医者と患者が病気や怪我とどう向き合い、それを乗り越え(あるいは挫折して)どう変わっていくかを見せるドラマであるべきじゃないの?と。

天海さん扮する脳外科医は優秀だけど決して「私は失敗しない」と断言するような自信家でもなければ天才でもなく、あくまで長年の経験と努力で腕を磨いて来た人。

ライバルのポジションにいる椎名桔平さんや他の医者たちも同様で、現実にこういう人っているだろうなと思わせてくれるキャラクターです。

ドキュメントタッチってワケでもないけど必要以上に話を盛らない、昭和の刑事ドラマに例えれば『ジャングル』みたいなリアリズム&ハードボイルドな作りが、ガチャガチャしたドラマが苦手になりつつあるオジサンには心地好いワケです。

だから、エンディングのミュージカル風ダンスは要りませんw かつて『女王の教室』でもやってましたから、たぶん天海さんのアイデアなんでしょうね。視聴者に地味な印象を与えない為の戦略かも知れないけど、リアルな世界からいきなり「つくりもの」丸出しの世界になって、観てる側は逆に醒めちゃうからやめた方がいいと思います。

まぁダンスはともかくとして、私はけっこう初回を楽しめました。それはたぶん前述の通り、医療ドラマをかなり久しぶりに観たからっていうのが大きくて、今後も視聴を続けていくかどうかは微妙なところ。他に面白い作品が現れなければ、消去法で残るかも知れません。

セクシーショットは研修医役でレギュラー出演されてる、広瀬アリスさんです。
 
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『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』#01

2020-01-14 21:55:26 | 探偵・青春・アクションドラマ









 
2020年冬シーズン、日本テレビ系列の日曜夜10:30「日曜ドラマ」枠でスタートした新ドラマ。

巷で横行する悪質なパワハラやセクハラ、組織の不正や権力者への忖度など、グレーなまま闇に葬られそうな悪に白黒つけるべく、正体不明のアクションヒロイン=ミスパンダ(清野菜名)と彼女を操る謎のイケメン=飼育員(横浜流星)が暗躍し、真相を白日のもとに晒していくというストーリー。

要するに令和版『ザ・ハングマン』ってことで、ちょっと『キック・アス』みたいな雰囲気もあって期待したんだけど、これも何だかなあ……な仕上がりでガッカリです。やっぱり今の日本で痛快なアクション物を期待する方が馬鹿なんだと、こりゃもう諦めなきゃしょうがないんでしょう。破滅です。

そもそもアクションらしいアクションが観られたのは本筋と関係ないアヴァンタイトルのくだりだけで、それもほんの20~30秒であっさりしたもんだし、おまけに見せ方があまりにヘタクソ。ディレクターさんがアクションに全く興味ないのがバレバレです。

清野菜名さんがせっかくコツコツ磨いて来たアクションスキルを、やっと存分に活かせる作品になるかと思ったのに肩透かしもいいところ。どうせ女性視聴者の顔色だけ気にして作った結果なんでしょう。

で、このミスパンダがどうやら内気な女流棋士=川田レンの別人格で、いかにも女性視聴者の嗜好に合わせたイケメン・メンタリストの「飼育員」(いかにも女性視聴者の嗜好に合わせた横浜流星)が施す催眠術により覚醒するという設定。

それはいいんだけど、川田レンには母親(山口紗弥加)に虐待され続けた暗い過去があるようで、悪者を懲らしめてる最中になぜかそのトラウマが蘇り、そいつを殺そうとして飼育員に止められるというw、同シーズンに放映されてる『絶対零度』とそっくりな展開になって心底ゲンナリしました。

おまけにイケメン飼育員も親にまつわる暗い過去(刑事だった父親が殺されたらしく、どうせまた警察内部に黒幕か内通者がいるんでしょう)を背負ってて、たぶん最終目標はその復讐なんですよね。2人共さっさと心療内科へ連れてってあげて下さい。

もうホントMUZ、マジうんざりです。そうやって無理やりダークな背景とかややこしい謎をくっつけないと、アクション物を創っちゃいけないみたいな法律でも出来たんですかね? 知らんかったわ、いつの間に?

百歩譲ってそういうダークな背景は受け入れても、悪者を懲らしめてる最中にトラウマを思い出すのだけはホント勘弁して欲しい。

スカッとしないアクションは、ただの暴力です。だったらそんなの要りません。……って、デジャビューですかこれは? 私は何回同じことを書けばいいんですか?

せっかく清野さんが体を張って頑張ってくれても、こんな内容じゃ台無しです。勿体ないの一言で、破滅です。

飼育員に仕事を依頼するMr.ノーコンプライアンス(正体は法務大臣らしい)に佐藤二朗、殺された飼育員の父親に田中圭、ミスパンダの正体を暴いていくであろう報道ディレクターに要潤、その片腕となる記者に白石聖が扮するほか、吉田美月喜、祷キララ、升毅、椿鬼奴、といった多彩なレギュラーキャスト陣も勿体ないの一言で、破滅です。
 
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『絶対零度/未然犯罪潜入捜査』2―#01

2020-01-13 21:00:12 | 刑事ドラマ2000年~









 
2020年冬シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠でスタートした新ドラマ。『絶対零度』シリーズとしては4作目になるんだけど、主役が上戸彩さんから沢村一樹さんにバトンタッチされて以降は別物と見なし、ここではエピソードナンバー「2―#01」としておきます。

先日『新春テレビ放談』を取り上げた記事にも書いた通り、テレビ視聴者の多くは新しい番組よりも長寿番組やシリーズ物を好む傾向にあり、会議室の人たち(局の上層部やスポンサー)としては『絶対零度』っていう人気タイトルをどうしても手放したくなかったんでしょう。

そういうのは今に始まった事でもなく、'90年代の連ドラ『刑事貴族2』のスタート時も、番組カラーは好きなように変えていいけど『刑事貴族』のタイトルだけはどうしても変えられないって局側から言われ、主役を引き受けた水谷豊さんは大いに戸惑われたそうです。

外国映画で全然つながりのない作品をシリーズ物にでっち上げちゃうのも日本興行界の常套手段だし、昔から我々は耳に馴染んだタイトルを好む傾向があるんですよね。

ハリウッドじゃ逆にシリーズ物なのにタイトルを変えちゃう場合が多いから、これは良くも悪くも日本人特有の気質。ウルトラマンや仮面ライダーがずっと続いてるのも、誰もが知ってるタイトルあればこそかも知れません。

で、今回の沢村版『絶対零度』パート2ですが、前作よりもアクション描写が強化されてるのは(初回だけかも知れないけど)素晴らしいと思う反面、ドラマ部分の重苦しさまでパワーアップしちゃったのはどうにも頂けません。

主人公の井沢警部補は過去に妻子を殺されており、その犯人を感情に任せて殺そうとした、いや、今でも似たような犯人を見ると殺そうとしちゃう危険人物なんですね。それが今回さらにエスカレートし、妻子の幻覚を日常的に見るほど心が病んじゃってる。

で、公安部部長(浜田 学)は井沢の部下である山内刑事(横山 裕)に拳銃を常備させ、井沢がまた犯人を殺しそうになったら即射殺しろって命じちゃう。書けば書くほどおかしな話です。

そもそも、これから犯罪をやらかす可能性の高い危険人物を取り締まる「ミハン(未然犯罪捜査班)」のリーダーを、明らかに危険と見なされてる人物に務めさせてること自体がまず大きな矛盾。

それに加え、刑事が犯罪者を射殺することは絶対許さないクセに、刑事が刑事を射殺することは容認しちゃってる警察上層部も支離滅裂としか言いようがありません。

私は屁理屈こねて重箱の隅をつつくようなドラマ鑑賞はしたくないんだけど、そんな根本的なところで矛盾を感じちゃったら、もうどうしょうもない。どんなに凄いアクションを見せてくれたところで乗れません。

どうせまた警察内部に黒幕がいて、全ては井沢を合法的に抹殺するための陰謀だった、みたいなオチを用意してるのかも知れないけど、そんな回りくどい&取って付けたような話につき合わされるのもまっぴらゴメンです。

これまで何度同じこと書いて来たか分かんないけど、そもそもアクションシーンっていうのは観る者をスカッとさせる為にあるんです。

今回もせっかく救いようのない悪党どもを登場させ、せっかく華麗なアクションでバッタバッタと倒してくれたのに、その直後に沢村さんがメンタマひん剥いて主犯格を殺そうとし、横山くんが沢村さんを撃てないもんだから自分が身代わりになって撃たれちゃうという、なんだかモタモタした展開で見事にカタルシスを打ち消してくれました。すべて台無しです。

スカッとしないアクションは、ただの暴力です。だったらそんなの要りません。さっさと沢村さんを心療内科に連れてってあげて下さい。あとは紅一点の小田切刑事(本田 翼)が主役を引き継ぎ、悪党の股間を蹴りまくる痛快アクション路線で突っ走りますから。それならホント毎週観るしDVDだって買っちゃいますよ。

シリアスなのが悪いんじゃない。ただ、矛盾点をいくつも生んでまで無理やりシリアスにしなくたってええやんって話です。刑事アクションなんて所詮はファンタジーなんだから。マンガでいいんですよホントに。

その点、前作のレギュラーだった柄本時生くんの後任を、実父の柄本明さんに務めさせる遊び心は素晴らしいと思います。そういうスピリットをなぜストーリーに活かさない?

ほか、伊藤淳史くんに代わるミハン統括責任者として水野美紀さん、元子役という異色の経歴を持つミハンの新メンバーに森永悠希くん、捜査一課の新人刑事に粗品(霜降り明星)くん、といったメンバーが新加入してます。
 
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