ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『太陽にほえろ!』#392

2020-10-07 00:00:14 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第392話『流れ者』(1980.2.1.OA/脚本=柏原寛司&小川 英/監督=櫻井一孝)

冒頭、スニーカー(山下真司)が捜査先で路上駐車してたら、久々登場の交通課婦警=早瀬令子(長谷直美)に危うく違反切符を切られそうになって大慌て、という滑り出し。

こういうのは良いですね。刑事部屋の電話が鳴りました、ハイ事件です現場検証です聞き込みです、てなお決まりの展開には心底飽き飽きしてますから。

で、その場所でガードレールに接触した車に男女のカップル(実は怪盗夫婦)が乗ってて、女の方が先を急いでるって言うんで、自分の路駐を誤魔化したいスニーカーが覆面パトカーに乗せて駅まで送ってやる。

その直後に宝石店強盗の報せが入り、防犯カメラに映ったサングラスの女をよく見たら、なんと駅まで送ったあの女だった!っていう展開も、あの名作#020『そして愛は終わった』の序盤を彷彿させて悪くないです。

が、それでスニーカーが躍起になってその女=ユミ(松井紀美江)を探し回ってる最中、まさに当人と出くわして言葉を交わしたにも関わらず、気づかずにスルーしちゃう展開にはズッコケました。

だって、防犯カメラの映像を拡大コピーした荒い写真を、しかも出逢った時には掛けてなかったサングラス姿で髪型まで違うのに、一目見ただけで「あの女だ!」って気づいたスニーカーが、目の前に当人がいて声まで聞いても同一人物だと気づかないなんて、いくら何でもそりゃ有り得んでしょ!って、私はそこで一気に冷めちゃいました。

で、スニーカーは捜査に協力する令子や、後にその夫となるロッキー先輩(木之元 亮)から「女というものがまるで解ってない!」って説教されて凹むんだけど、ユミが夫の宮坂(北条清嗣)と全国を渡り歩く流れ者の窃盗犯で、無意識に安住の地を求めてることを見抜いて、彼女と2回目に出くわした住宅展示会場でじっと待つんですよね。「女心は解らなくても、人間の気持ちなら解る」って言って。

で、その読みが的中して姿を現したユミに、スニーカーは「人間ってのはさ、やっぱり温かいところが欲しいものだろ? 落ち着ける場所がさ」と共感をもって語りかけ、みごとに彼女を自供させる。

だからスニーカーの成長物語には一応なってるんだけど、現代人が(特に女性が)安住の地を求める心理はあまりに当たり前すぎて、どうもピンと来ない。だから何なの? 何が言いたいの?っていう感想しか私は持てませんでした。

中盤でスニーカーがユミを見逃しちゃうくだりが、ちゃんとムリが無いように描かれてたら、そこまで冷めた見方にはなってなかったかも知れません。

う~ん、どうした『太陽にほえろ!』? 不調の時って何をやってもうまくいかないもんだけど、今回のは手抜きとしか言いよう無いのでは?

そんなことじゃ裏番組に視聴率を吸い取られて当然、と言わざるを得ません。昨年までぎりぎりリードしてたのに、'80年に入ってみごとに逆転されちゃいました。困った困ったコマドリ姉妹。

ユミ役の松井紀美江さんは当時25歳。『太陽にほえろ!』は#048、#129に続く3度目のゲスト出演。ほか、刑事ドラマは『特捜最前線』『噂の刑事トミーとマツ』『秘密のデカちゃん』『西部警察PART III』『あぶない刑事』『ザ・刑事』『はぐれ刑事純情派』など多数ゲスト出演。『仮面ライダー』はじめ特撮ヒーロー物への出演も多く、我々に馴染みの深い女優さんと言えそうです。
 


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1 コメント

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Unknown (ゲートウェイ高輪)
2020-10-07 13:21:33
>80年に入ってみごとに逆転されちゃいました

太陽にほえろ!にもそんな時代があったんですね。
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