我々男性視聴者にとって七曲署の居心地良さは、鉄壁のチームワークや頼り甲斐ある上司の存在だけじゃなく、同僚以上恋人未満の、友達というよりクラスメイトみたいな女性キャラクターの存在も大きかったと思います。
特に1年目のマカロニ(萩原健一)とシンコ(関根恵子=高橋惠子)の、喧嘩するほど仲がいい、まるで中学生カップルみたいなやり取りには、なんだか懐かしさも感じたりします。
シンコの方が何かとマカロニを気にかけ、世話を焼き、先輩刑事たちにマカロニがからかわれると「そんな言い方しないでよ」なんて庇ってあげたりするんだけど、当のマカロニは「余計なことすんなよ」とか言って意地を張る。ほんと中学生みたいで微笑ましいw
また、シンコの父親=宗吉(ハナ肇)が経営する小料理屋「宗吉」が刑事たちの溜まり場で、独り暮らしのマカロニがたまに泊まることもあり、シンコが布団を敷いてくれたりするんですよね。職場では絶対あり得ないパジャマ姿まで披露してくれる。飄々とした宗吉と生真面目なシンコのコミカルな親子喧嘩もまた絶品でした。
マカロニ殉職後、2年目からハナ肇さんがレギュラーを抜けて「宗吉」のシーンは(ジーパン&シンコ最終回以外は)無くなりますから、この何とも心地よい世界は1年目限定。
シンコはマカロニの後釜であるジーパン(松田優作)とやがて恋に落ちるワケだけど、もしマカロニが死ななかったらどうなってたか?
たまにデートしたり、マカロニが美女に鼻の下を伸ばすとシンコがヤキモチ焼いたりする場面もありましたから、やっぱり結ばれることになったかも知れません。
数年後にショーケンさんと関根さんは映画『魔性の夏』で夫婦を演じるんだけど、原作はあの「四谷怪談」すなわち夫が妻を虐待しちゃうお話ですから、『太陽~』ファンにとってちょっとツラい映画だったりもします。
それにしても、当時の関根さんは17~18歳。初登場時(第1話)の頃はさすがにあどけないけど、この1年でどんどんフェロモンを増し、マカロニより大人っぽいジーパンと絡むことでますますオトナっぽく、女らしくなっていきます。
言わば女性が最も変化を遂げる時期を七曲署で過ごされたワケで、そういう意味でも『太陽にほえろ!』は貴重なフィルム、文化遺産と言ってもぜんぜん過言じゃありません。
それにしてもフォローする山さんの優しい事❗️あんなに優しい山さんを見ることはなかなかないです。