映画やドラマの「倍速視聴」が一般化しちゃった原因の1つに、何でもかんでもセリフで解りやすく説明しちゃう作品が増えたから(その代表格が『相棒』『ドクターX』『半沢直樹』等のヒット作)ってのもあるみたいです。
つまり、セリフさえ聴いておけば内容がすべて把握できるので、倍速(音声付き)でも「ながら見」でも全く問題なし!ってな理屈。
だから創り手のせいでもあるし、創り手がそうなったのは(解りにくい作品を敬遠する)観客や視聴者のせいでもある。
正確に言えば、観客や視聴者に媚びを売るため、過剰な解りやすさを創り手に強要するスポンサー(製作委員会)連中が諸悪の根源と言えそうです。
が、そもそも視聴者の側にもっと理解力や想像力があれば、スポンサー連中もそんな忖度はしなくて済んだはず。
私自身、ブログを書くとき、誰が読んでも正確に意味が伝わるよう、かなり気を使うように(知らず知らずの内に)なっちゃいました。
それは過去に何度か、ブログに書いたことを誤解、あるいは曲解した読者さんから的外れな指摘を受けたり、トンチンカンな説教を受けたりした経験がそうさせてるワケです。
比喩とか逆説が通じない人がいる。イヤよイヤよも好きのうちが解らず、なんでイヤなんだっ!?と怒る人が世の中には沢山いる。
そういう輩と喧嘩したり、懇切丁寧に説明したりするのが面倒だから、なるだけストレートな表現にしたり、いちいち注釈を付けたりせざるを得なくなる。
昭和の頃は難解な映画やドラマも多かった事実を踏まえれば、どちらかと言うと視聴者側の質の劣化、はっきり言えば白痴化が先だったと言わざるを得ないかも? もちろん、私自身も含めて(なんて一言を加えてクレームを予防する)。
だから、映画やドラマの倍速視聴、ファスト映画の流行には、裏にとてつもなく深刻な問題が潜んでる。バカが増えりゃ戦争も起こるワケです。破滅です。
PS. ゼェーット!!のアニキ=水木一郎さんが亡くなられたそうです。ちょうど『マジンガーZ』放映開始50周年のタイミングで。
同じ1972年にスタートした『太陽にほえろ!』がデビュー作の渡辺徹さんも亡くなり、私の父も亡くなり……何なんでしょう、この流れは。
打ち上げ花火的なモノを作っていればそれで良い。ただただ消費されるだけの物を作っている。作り手たちはそう思ってませんよね。
誤飲防止、つまずき防止、公園の遊具はキケンなので皆撤去みたいな流れなんでしょう。昨今のつまらない、閉塞したご時世は、クレームを入れられる前から対策していることが原因だと思います。とんがった面白いモノは生まれるはずもなく、建築でも何でも、後世に残る面白いモノは生まれません。
クレームひとつで会社が傾くわけではありませんから、クレームが発生したらその時考えれば良いのですよw。
一定のレベル以下は相手にしない、「買わないで良い」「見ないで良い」でOKです。漢字が読めない人向けにフリガナをふる、みたいなことを延々と続けているから、どんどん世の中のレベルが落ちてしまいます。
まぁ何というか国全体が後期高齢者と言うか、良いハナシが何一つありませんね…。
追伸
マジンガーZも好きですが、バビル二世も良いです。水木一郎らの歌で育ったので、良い歌をあげるとキリがありませんが、キャプテンハーロックのエンディングなんか泣けてしまいます。まんがの歌をアニソンと言う文化にした凄い人でした。
まったくその通りで、忘れられない作品には必ず「痛み」が伴ってたように思います。新海さんは新作で東日本大震災を真っ向から描いて批判も受けてるけど、覚悟の上だったみたいです。
『君の名は。』を観たときは、女子が喜ぶ要素てんこ盛りのあざとさに呆れたもんですが、意外と骨のある人みたいでちょっと見直しました。作品がすこぶる女子寄りなのは戦略じゃなく、単に御本人が乙女体質なだけなのかも?